オーデュボンの祈り
伊坂幸太郎の推理小説 (2000年)
『オーデュボンの祈り』(オーデュボンのいのり、a prayer)は、伊坂幸太郎による推理小説。作者のデビュー作。2000年の第5回新潮ミステリー倶楽部賞を受賞し、同年に新潮社のレーベルである"新潮ミステリー倶楽部"の収録作として刊行された。2003年に文庫化(新潮文庫)。
オーデュボンの祈り | ||
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著者 | 伊坂幸太郎 | |
発行日 | 2000年12月 | |
発行元 | 新潮社 | |
ジャンル | 推理小説 | |
国 | 日本 | |
言語 | 日本語 | |
コード |
ISBN 4-10-602767-4(単行本) ISBN 978-4-10-125021-2(文庫) | |
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内容
編集主人公、伊藤のコンビニ強盗から物語は始まる。伊藤は気付くと、見知らぬ島にたどり着いていた。その島は荻島といって、江戸時代以来外界から鎖国をしているという。島には、嘘しか言わない画家や、島の法律として殺人を許された男、未来の見える、人語を操る案山子などがいた。
しかし伊藤が来た翌日、案山子はバラバラにされ、頭を持ち去られて死んでいた。伊藤は「未来がわかる案山子はなぜ自分の死を阻止できなかったか」という疑問を持つ。 住民から聞いた「この島には、大切なものが最初から欠けている」という謎の言い伝え。 案山子の死と言い伝えの真相を追う伊藤の数日間を描く。
主な登場人物
編集- 伊藤
- この話の主人公。コンビニ強盗を犯し逃走中だったが、知らぬ間に荻島に連れてこられた。伊坂の著書『重力ピエロ』に数年後と思しき姿で登場し、主人公「泉水」との会話シーンがある。
- 案山子(優午)
- この話の鍵を握る存在。未来を予知できる。
- 城山
- 人を痛めつけるのが趣味の、恐ろしい男。主人公も被害に遭いそうになった。警察官で、コンビニで強盗をしようとした伊藤を逮捕する。
- 日比野
- 主人公に島を案内した男。適当で、人の話をあまり聞かない。
- 轟
- 島で唯一船を所有し、外に出られる人間。見た目が熊にそっくりらしい。色々となぞが多い男。
- 園山
- 嘘しか言わない画家。何を聞いても嘘しか言わない。
- 静香
- 主人公の元恋人。
- 主人公の祖母
- 既に死んでいる設定だが、描写が多い。
- 曽根川
- もう一人の、島の来訪者。主人公より前に来ていて、轟と何かあるらしい。
- 桜
- 拳銃を所持しており、島で唯一殺人を許された男。不思議な男である。詩をよく読んでいる。
- 田中
- ジョン・ジェームズ・オーデュボンのリョコウバトの話を伝えている人物。優午と仲がいい。足が悪い。
ラジオドラマ
編集NHK-FMの「青春アドベンチャー」枠にて2004年4月12日 - 4月16日および4月19日 - 4月23日にかけてラジオドラマが放送された。全10回。NHK名古屋放送局制作。
出演
編集漫画
編集2009年に漫画化されている。
- 伊坂幸太郎(原作)・木村哲也(作画)『オーデュボンの祈り』、新潮社(デジコミ新潮 コム・コム)
- 上巻(2009年7月9日発売) ISBN 978-4-10-771497-8
- 下巻(2009年7月9日発売) ISBN 978-4-10-771498-5
舞台化
編集石井光三オフィスプロデュースにより2011年9月30日から10月12日にかけて世田谷パブリックシアターにて舞台化作品が上演された(ほか、地方公演あり)。