オクナ属(オクナぞく)はオクナ科の低木。

オクナ属
オクナ・キルキーの果実
(2024年11月 名古屋市 東山動植物園)
分類APG IV
: 植物界 Plantae
階級なし : 被子植物 angiosperms
階級なし : 真正双子葉類 eudicots
階級なし : コア真正双子葉類
core eudicots
階級なし : バラ類 rosids
階級なし : マメ群 fabids
(真正バラ類I eurosids I)
: キントラノオ目 Malpighiales
: オクナ科 Ochnaceae
亜科 : オクナ亜科 Ochnoideae
: オクナ連 Ochneae
亜連 : Ochninae
: オクナ属 Ochna
学名
Ochna L.
和名
オクナ属

特徴

編集

葉は単葉で互生し、多くの種は革質で鋸歯縁。花は黄色で大きく、円錐花序、総状花序または散形花序を形成する。花後に萼と花托が赤色に変わり、黒く熟する果実とともに長期間鑑賞される[1]

下位分類群

編集

オクナ属は90種が知られ[1]、日本国内では主にオクナ・キルキーOchna kirkiiオクナ・セルラタOchna serrulataの2種が植物園などで栽培される。花後の赤い萼と黒い実の様子から両種ともにミッキーマウスツリーなどの名称で苗が市販されることがある[1]

分布と生育環境

編集

旧世界(アフリカおよびアジア)の熱帯~亜熱帯域が原産。一部の種はアフリカ南部の温帯域にも分布[2]オクナ・キルキーは熱帯アフリカ東部のケニアモザンビークタンザニア原産[3]オクナ・セルラタ南アフリカ共和国レソトスワジランド原産[4]。シルンビ(学名:Ochna lanceolata)はインド原産[5][6]

利用

編集

日本国内では植物園や温室で栽培されることが多い。オクナ・セルラタは室内観葉植物としても栽培されるほか、温暖な沖縄県内では庭園・公園・生垣にも利用される。繁殖は挿し木や実生による[7]。シルンビの材は淡黄色で軽く柔らかく弾性に富み、ステッキに用いられる[6]

脚注

編集
  1. ^ a b c (日本インドア・グリーン協会 2009, p. 62)
  2. ^ Ochna L.” (英語). Plants of the World Online. Kew Science. 2025年2月1日閲覧。
  3. ^ Ochna kirkii Oliv.” (英語). Plants of the World Online. Kew Science. 2025年2月1日閲覧。
  4. ^ Ochna serrulata (Hochst.) Walp.” (英語). Plants of the World Online. Kew Science. 2025年2月1日閲覧。
  5. ^ Ochna lanceolata Spreng.” (英語). Plants of the World Online. Kew Science. 2025年2月1日閲覧。
  6. ^ a b (熱帯植物研究会 1996, p. 94)
  7. ^ (海洋博記念公園管理財団 1997, p. 135)

参考文献

編集
  • 海洋博記念公園管理財団「ミッキーマウスツリー」『沖縄の都市緑化植物図鑑』新星出版、那覇市、1997年。ISBN 9784902193732 
  • (社)日本インドア・グリーン協会 編「オクナ属 オクナ・キルキー、オクナ・セルラータ」『観葉植物と熱帯花木図鑑』誠文堂新光社、2009年、62頁。ISBN 9784416409046 
  • 熱帯植物研究会 編「シルンビ Ochna wightiana」『熱帯植物要覧』(第4版)養賢堂、1996年、94頁。ISBN 492439503X O. lanceolataのシノニム

外部リンク

編集