オオホザキアヤメ
オオホザキアヤメ(別名フクジンソウ[1]、学名:Hellenia speciosa)はオオホザキアヤメ科オオホザキアヤメ属の多年生草本[2]。オオホザキアヤメ科は新エングラー体系ではショウガ科の亜科とされていたが、葉が螺旋状に付くことなどから、クロンキスト体系およびAPG体系において独立の科とされる[1][3][4][5]。以前はCostus属に分類されていたため、図鑑によってはショウガ科や旧学名Costus speciosusで掲載されることがある[6][7][1]。
オオホザキアヤメ | ||||||||||||||||||||||||
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オオホザキアヤメ
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分類(APG IV) | ||||||||||||||||||||||||
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学名 | ||||||||||||||||||||||||
Hellenia speciosa (J.Koenig) S.R.Dutta | ||||||||||||||||||||||||
シノニム | ||||||||||||||||||||||||
英名 | ||||||||||||||||||||||||
crepe ginger |
本項における学名はPOWO[8]に従う。なお、YList[9]は命名者をS.R.Guptaとしているが、POWO[8]および原記載[10]ではS.R.Dutta。
特徴
編集高さ1–2 m。茎を有し、葉は長さ15–30 cmほどの長楕円形~広披針形、多肉質で、茎に対して一列、螺旋状につく(ショウガ科と異なり、互生ではない)。茎の先端に花序をつける。花の唇弁は白く中心部は黄色、径10 cmほどで縁辺は波打つ。個々の花は一日花で、暗赤色の苞からなる穂状花序から1–3輪ずつ次々と咲かせる様は観賞価値が高い。花期は夏(6–8月)。斑入り品種もある[6][1][11][12][2]。
分布
編集利用
編集沖縄県内では庭植え[2]にされるが、冬越しには最低気温18℃以上が必要[7]。熱帯地域では観賞用に栽培され、切り花に利用。地下の肥大する根茎は繊維質が多いが、乾燥重量あたり約30%のデンプンを含み、食用や薬用にされる。栽培には高温、湿潤、肥えた深い土壌を必要とする[1]。株分けや挿し木で繁殖可能[11]。
脚注
編集- ^ a b c d e f (堀田 1997, p. 170–171)
- ^ a b c d (林 & 名嘉 2022, p. 189)
- ^ “オオホザキアヤメ科 陸上植物の進化 KBY no PAGE”. 基礎生物学研究所 生物進化部門. 2024年9月15日閲覧。
- ^ “オオホザキアヤメ科 Costaceae”. 岡山理科大学 生物地球学部 生物地球学科 旧植物生態研究室(波田研)のホームページ. 2024年9月15日閲覧。
- ^ “オオホザキアヤメ 大穂咲き菖蒲”. 世界の植物 -植物名の由来- 高橋俊一. 2024年9月15日閲覧。
- ^ a b c (池原 1979, p. 247)
- ^ a b c (Brickell 1996, p. 306)
- ^ a b “Hellenia speciosa (J.Koenig) S.R.Dutta”. POWO. 2024年9月15日閲覧。
- ^ “オオホザキアヤメ 標準”. YList. 2024年9月15日閲覧。
- ^ (Dutta 2013, p. 228–229)
- ^ a b (屋比久 2006, p. 149)
- ^ a b (沖田原 2021, p. 154)
参考文献
編集- 池原直樹『沖縄植物野外活用図鑑 第2巻 栽培植物』新星図書出版、1979年。 ※ 学名をCostus speciosusとしている
- Brickell, Christopher, ed. (1996), “Costus”, RHS A-Z encyclopedia of garden plants, United Kingdom: Dorling Kindersley, p. 306, ISBN 0751303038
- 堀田満 著「オオホザキアヤメ」、岩槻邦男ら監修 編『朝日百科 植物の世界』 10巻、朝日新聞社、東京、1997年、170–171頁。ISBN 9784023800106。 ※ 学名をCostus speciosusとしている
- 屋比久壮実『花ごよみ 亜熱帯沖縄の花』アクアコーラル企画、2006年。ISBN 4990191730。 ※ 学名をCostus speciosusとしている
- Dutta, Suchandra (2013), “Comment on the identity of Hellenia speciosa (J. Koenig ex Smith) S. Dutta & Hellenia speciosa (J. Koenig ex Smith) S. Dutta var dilnavazii (M.R. Almeida & S.M. Almeida) S. Dutta”, Pleione 7 (1): 228–229, ISSN 0973-9467
- 沖田原耕作「オオホザキアヤメ」『おきなわの園芸図鑑 園芸植物とその名前』新星出版、那覇市、2021年。ISBN 9784909366832。 ※ 学名をCheilocostus speciosusとしている
- 林将之; 名嘉初美「オオホザキアヤメ」『沖縄の身近な植物図鑑』ボーダーインク、2022年。ISBN 9784899824350。
外部リンク
編集- オオホザキアヤメ GKZ植物事典
- フイリオオホザキアヤメ GKZ植物事典
- オオホザキアヤメ フラワーパークかごしま
- オオホザキアヤメ 世界の植物-植物名の由来- 高橋俊一
- オオホザキアヤメ科 陸上植物の進化 KBY no PAGE 基礎生物学研究所 生物進化部門
- ショウガ科に似た白い花「オオホザキアヤメ」 タイでどこにでも咲く花-85 MasayukiSaito(ブログ) note