エルヴ
ベルギーのチーズ
エルヴ(フランス語: Fromage de Herveまたは単にHerve)は、ベルギーのワロン地域のエルヴ高原で生産されるウォッシュチーズ。2015年時点で、ベルギーで唯一EUの原産地名称保護制度における保護原産地呼称(PDO)認証を受けているチーズである[3]。ベルギーで最も有名なチーズとも評される[5]。ウォッシュチーズではあるが、洗う際に塩水だけでなく、ビールやジンを使うケースもある[3]。本項ではエルヴと同じタイプのチーズであるルムドゥーについても記述する。
エルヴ Herve | |
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分類 | ウォッシュタイプ[1][2] |
原料 | 牛乳 |
原産国 | ベルギー |
原産地 | ワロン地域のエルヴ高原(リエージュ州) |
生産場所 | 酪農工場、酪農場 |
生産期間 | 一年中 |
形状 |
直方体(立方体)または角盤状。 立方体の形状からマルセル石鹸(マルセイユの石鹸)の異名をもつ[3] |
重量 | 100g、200g、400g(400gがオリジナル[3]) |
脂肪分 | 45% |
表皮 | ウォッシュによるピンクに近い薄いオレンジ色。湿り気あり |
熟成 | 2箇月以上 |
呼称統制 | PDO(1996年)[4] |
開封したときの匂いは強烈[6]。未熟成のうちは甘いが熟成が進むと辛みを帯び、こうなると味が濃くなるので、ライ麦パンとビールのセットとともに食すのが一般的[5]。他に定番とされるのは、パンにのせてのリンゴや洋梨のシロップ(リエージュシロップというこの地方特産のジャムのようなもの[7])をかけるという組み合わせもある[6]。伝統的にはコーヒー、ポートワイン、リキュールと合わせる[2]。
ルムドゥー
編集エルヴと同じタイプのチーズに、ルムドゥーがある。『世界のチーズ図鑑』によれば、エルヴの400グラムタイプのうち、8週間熟成したものを特にそう呼ぶとしている[3]。一方、『チーズの選び方 楽しみ方』によればこれは単純に古称であり、400グラムの立方体形状のものを指すとしている[6]。
脚注
編集- ^ 以下「基本情報」欄は、特記の無い限り本文および下記文献 (本間, 増井 & 山田 2009, p. 197) による。サイズの cm はセンチメートル。重量の g はグラム。
- ^ a b c 本間るみ子; 増井和子; 山田友子 著、文藝春秋 編『チーズ図鑑』 182巻、株式会社文藝春秋〈文春新書〉、2009年、197頁。ISBN 4-16-660182-2。
- ^ a b c d e チーズプロフェッショナル協会『世界のチーズ図鑑』マイナビ、2015年、142-143頁。ISBN 9784839954802 。
- ^ “DOOR”. EU. 2018年4月21日閲覧。 “Fromage de Herve”
- ^ a b “Herve”. cheese.com. Worldnews, Inc. 2018年4月21日閲覧。
- ^ a b c d 本間るみ子 著、主婦の友社 編『チーズの選び方 楽しみ方』株式会社主婦の友社、2012年、60頁。ISBN 978-4-07-285215-6。
- ^ “ベルギーを知ろう 州シリーズ1”. PETITS-POIS a.s.b.l.. 2018年4月21日閲覧。