エルシド(El Cid)[1]とは、フランス生産のアングロアラブ系種の競走馬種牡馬。フランスで競走生活を送り、引退後は日高軽種馬農業協同組合により輸入され日本で種牡馬として繋養されると、多数の活躍馬を送り出した。

エルシド
欧字表記 El Cid[1]
品種 アングロアラブ(アラブ血量39.20%)[1]
性別 [1]
毛色 鹿毛[1]
生誕 1962年2月5日[1]
死没 1985年10月25日
Nithard(アングロアラブ)[1]
Farida IV(アングロアラブ)[1]
母の父 Elseneur(サラブレッド)[1]
生国 フランスの旗 フランス[1]
生産者 不詳
競走成績
生涯成績 19戦11勝
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概要

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フランスで生産され、同国のアングロアラブ競馬で4歳までに19戦11勝、2着5回3着1回の戦績を収めた。重賞での勝ち鞍としてアングロアラブ・グランドナショナル、アラカド賞などがある。

引退後は日高軽種馬農業協同組合により日本に輸入されると、初年度産駒でアラブ王冠を制した快速馬ムツミマサルを、さらに2年目の産駒から南関東公営競馬タイムラインのライバルとして活躍したスカレーを出した。翌年以降もホクトライデンキンカイチフジなどを次々と送り出し、同時期に活躍した種牡馬であるセイユウセンジユタガミホマレに比べると出走頭数は少なかったが、それでも1976年には中央・地方アングロアラブリーディング5位、AEI1.85という数字を残した[2]

1985年、腎不全により24歳で死去。この年も種牡馬として20頭の繁殖牝馬に交配されており、その中からは紫桐杯兵庫大賞典など重賞通算9勝を挙げたビソウエルシドが出た。

軽種馬農協繋養の種牡馬としてセリ市場上場義務が課せられていたため、テスコボーイとともに同市場の発展に大いに貢献したとされ、その功績を讃え、同農協にはエルシドの銅像が建てられたという。また、その父系はスカレーとイナリトウザイの子キタノトウザイが種牡馬として大成功を収めたのを始め大いに繁栄した。

主な産駒

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主要父系図

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Teddy 1913 ---→テディ系
Asterus 1923
||Dadji 1933
|||Kesbeth 1943 ↓以下アングロアラブ
||||Nithard 1948
|||||エルシド El Cid 1962[25]
||||||スカレー 1969
|||||||カザンウンリユウ 1974
|||||||スイセイガバナー 1974
||||||||ローゼンガバナー 1980
|||||||||ヘイセイガバナー 1988
||||||||ローレルスポット 1980
|||||||||ボールドドール 1991
||||||||ドウカンガバナー 1981
||||||||マルセンガバナー 1988
|||||||アイランドキング 1976
|||||||キタノトウザイ 1976
||||||||アレツポダツシユ 1981
||||||||ホリマサル 1981
|||||||||ランドアポロ 1990
||||||||ビクトリートウザイ 1982
||||||||ミスターヨシゼン 1984
|||||||||ケイエスヨシゼン 1993
|||||||||ワンダーマーキュリ 1995
||||||||ダイリンザン 1985
||||||||オオヒエイ 1986
|||||||ダイニハクセキ 1977
|||||||ミヤシロオー 1979
||||||||ミヤシロキング 1986
|||||||タイガートウザイ 1980
||||||アーロン 1970
||||||ホクトライデン 1972
|||||||ホクトイツセイ 1980
|||||||バンガードライデン 1980
||||||エルエース 1973
||||||シズヒロオー 1973
|||||||イソナンブ 1982
|||||||ノムラダイオー 1982
||||||ニツソウエルシド 1973
||||||ガマエルシド 1979
||||||ケイワイホマレ 1979
||||||キンカイチフジ 1981
||||||イナリスター 1984
||||||ビソウエルシド 1985
|||||||ニホンカイユーノス 1994

血統表

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エルシド血統「アア」表記はアングロアラブ種 「アラ」表記はアラブ種 「*」が付された馬名はシャギア・濠サラ (血統表の出典)[§ 1]
父系 テディ系

アア Nithard
1948
父の父
アア Kesbeth
1943
Dadji 1933 Asterus 1923
Perle d'Orient 1927
アラ Kraina 1932  
 
父の母
アア Nitouche
1940
アアLotus VIII 1923 アラ Denouste 1921
アア Lea 1921
アア Nausicaa 1932  
 

アア Farida IV
1950
Elseneur
1943
Nino 1923 Clarissimus 1913
Azalee 1906
Ann's Twin 1939 Plassy 1932
Slide Along 1929
母の母
アア Lady Salmson
1937
アラ Alaric V 1929  
 
Lady of Mercia 1931  
 
母系(F-No.) (FN:21-a) [§ 2]
5代内の近親交配 アウトブリード [§ 3]
出典
  1. ^ [26]
  2. ^ [27]
  3. ^ [26][27]
  • 母Faridaは14勝。半兄弟のサルタモンテス、ゴアツエンも日本に種牡馬として輸入されている。

脚注

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  1. ^ a b c d e f g h i j エルシド(FR)”. JBISサーチ. 公益社団法人日本軽種馬協会. 2020年6月6日閲覧。
  2. ^ JBIS Serch、アングロアラブ年度別総合サイアーランキング(1976年) (2014年8月1日閲覧)。なお、同データベースには1973年以前のリーディング記録は残されていない。
  3. ^ ムツミマサル”. JBISサーチ. 公益社団法人日本軽種馬協会. 2020年6月6日閲覧。
  4. ^ スカレー”. JBISサーチ. 公益社団法人日本軽種馬協会. 2020年6月6日閲覧。
  5. ^ アーロン”. JBISサーチ. 公益社団法人日本軽種馬協会. 2020年6月6日閲覧。
  6. ^ エルフオード”. JBISサーチ. 公益社団法人日本軽種馬協会. 2020年6月6日閲覧。
  7. ^ ニツソウエルシド”. JBISサーチ. 公益社団法人日本軽種馬協会. 2020年6月6日閲覧。
  8. ^ ホクトライデン”. JBISサーチ. 公益社団法人日本軽種馬協会. 2020年6月6日閲覧。
  9. ^ リユーピラー”. JBISサーチ. 公益社団法人日本軽種馬協会. 2020年6月6日閲覧。
  10. ^ オトワヒメ”. JBISサーチ. 公益社団法人日本軽種馬協会. 2020年6月6日閲覧。
  11. ^ グレートライヒ”. JBISサーチ. 公益社団法人日本軽種馬協会. 2020年6月6日閲覧。
  12. ^ ウインエイト”. JBISサーチ. 公益社団法人日本軽種馬協会. 2020年6月6日閲覧。
  13. ^ テルヒサ”. JBISサーチ. 公益社団法人日本軽種馬協会. 2020年6月6日閲覧。
  14. ^ キタノエルシド”. JBISサーチ. 公益社団法人日本軽種馬協会. 2020年6月6日閲覧。
  15. ^ エールムソウ”. JBISサーチ. 公益社団法人日本軽種馬協会. 2020年6月6日閲覧。
  16. ^ ケイワイホマレ”. JBISサーチ. 公益社団法人日本軽種馬協会. 2020年6月6日閲覧。
  17. ^ ガマエルシド”. JBISサーチ. 公益社団法人日本軽種馬協会. 2020年6月6日閲覧。
  18. ^ マツノテンザン”. JBISサーチ. 公益社団法人日本軽種馬協会. 2020年6月6日閲覧。
  19. ^ テングリピーチ”. JBISサーチ. 公益社団法人日本軽種馬協会. 2020年6月6日閲覧。
  20. ^ キンカイチフジ”. JBISサーチ. 公益社団法人日本軽種馬協会. 2020年6月6日閲覧。
  21. ^ エルバード”. JBISサーチ. 公益社団法人日本軽種馬協会. 2020年6月6日閲覧。
  22. ^ グレイトタイヨー”. JBISサーチ. 公益社団法人日本軽種馬協会. 2020年6月6日閲覧。
  23. ^ ロータリーザハレー”. JBISサーチ. 公益社団法人日本軽種馬協会. 2020年6月6日閲覧。
  24. ^ ビソウエルシド”. JBISサーチ. 公益社団法人日本軽種馬協会. 2020年6月6日閲覧。
  25. ^ JBIS Search, 父馬検索:エルシド(2014年11月18日閲覧)より作成。
  26. ^ a b エルシド 血統情報:5代血統表”. JBISサーチ. 公益社団法人日本軽種馬協会. 2020年6月6日閲覧。
  27. ^ a b エルシドの5代血統表”. netkeiba. Net Dreamers Co., Ltd.. 2020年6月6日閲覧。

出典

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  • 後藤正俊「アングロアラブ種牡馬名鑑:エルシド」地方競馬全国協会『Furlong』1995年6月号、23頁。

外部リンク

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