エホニジピン
エホニジピン(Efonidipine)とはジヒドロピリジン系のカルシウムチャネル遮断薬である。T型とL型の2種類のカルシウムチャネルを遮断する[1]。商品名ランデル。1994年1月に高血圧治療への使用が承認され、1998年9月に腎実質性高血圧症と狭心症について追加承認された[2]:1。日産化学工業とゼリア新薬工業が共同開発した。
IUPAC命名法による物質名 | |
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臨床データ | |
販売名 | Landel (ランデル) |
Drugs.com |
国別販売名(英語) International Drug Names |
法的規制 |
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データベースID | |
CAS番号 | 111011-63-3 |
ATCコード | none |
PubChem | CID: 119171 |
ChemSpider | 106463 |
UNII | 40ZTP2T37Q |
ChEMBL | CHEMBL2074922 |
化学的データ | |
化学式 | C34H38N3O7P |
分子量 | 631.65 g/mol |
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アテローム性動脈硬化症[3]や急性腎不全[4]に対する効果が研究されている。
副作用
編集重大な副作用とされているものは、洞不全症候群、房室接合部調律、房室ブロック、ショックである(いずれも頻度不明)[5]。
副作用の発生率は7.74%であり、主なものは動悸、顔面潮紅、頭痛、顔の火照り、血清総コレステロール上昇、ALT(GPT)上昇、AST(GOT)上昇、BUN上昇等である[5]。
禁忌・慎重投与等
編集下記の様な患者では慎重な副作用評価が必要である[5]。
- 妊婦または妊娠している可能性のある婦人には禁忌である。母体・児の双方で体重増加抑制が見られている。
- 小児には使用経験がなく、安全性は確立されていない。
- 高齢者では血圧が過度に低下し易いので、低用量から開始すべきである。
- 重篤な肝機能障害のある患者では、血中濃度が上昇するので慎重な投与が必要である。
- 洞機能不全のある患者では徐脈・洞停止が発生する危険性があるので慎重に投与すべきである。
薬物動態
編集消化管からの推定吸収率は62%である[2]:34。
服用後、血中濃度が最高になるまでの時間は1.4〜2.2時間前後、その後血中濃度が半分になるまでの時間は1.4〜2.9時間前後である[2]:30-32。グレープフルーツジュースと共に服用すると、最高血中濃度は2倍に増加する[2]:33。
服用後24時間で1.6%が尿中に排泄される[2]:37。残りは胆汁中に排泄されると思われる。
出典
編集- ^ Tanaka H, Shigenobu K (2002). “Efonidipine hydrochloride: a dual blocker of L- and T-type Ca2+ channels”. Cardiovasc. Drug Rev. 20 (1): 81-92. PMID 12070536.
- ^ a b c d e “ランデル錠10/ランデル錠20/ランデル錠40 インタビューフォーム” (PDF) (2011年12月). 2016年5月27日閲覧。
- ^ Toyoda K, Kitahara M, Yamashita T, et al (May 1994). “[Effect of efonidipine hydrochloride (NZ-105), a new dihydropyridine calcium antagonist, on the experimental atherosclerosis in cholesterol-fed rabbits]” (Japanese). Nippon Yakurigaku Zasshi 103 (5): 231–9. PMID 8188119.
- ^ Shudo C, Masuda Y, Sugita H, Tanaka S, Tomita K (November 1994). “Effects of efonidipine hydrochloride (NZ-105), a new calcium antagonist, against acute renal failure in rats”. Gen. Pharmacol. 25 (7): 1451–8. PMID 7896060.
- ^ a b c “ランデル錠10/ランデル錠20/ランデル錠40 添付文書” (2011年12月). 2016年7月18日閲覧。