エベロリムス
免疫抑制剤・抗がん剤の一つ
エベロリムス(英: Everolimus、開発コード:RAD-001)は 、分子標的治療薬であり、免疫抑制剤・抗癌剤の一つである。
IUPAC命名法による物質名 | |
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臨床データ | |
ライセンス | US FDA:リンク |
胎児危険度分類 |
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法的規制 |
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薬物動態データ | |
半減期 | ~30 時間[1] |
データベースID | |
CAS番号 | 159351-69-6 |
ATCコード | L01XE10 (WHO) L04AA18 (WHO) |
PubChem | CID: 6442177 |
DrugBank | DB01590 |
KEGG | D02714 |
別名 | 42-O-(2-hydroxyethyl)rapamycin |
化学的データ | |
化学式 | C53H83NO14 |
分子量 | 958.224 g/mol |
免疫抑制剤としては「サーティカン」、悪性腫瘍治療薬としては「アフィニトール」として製造・販売されている。また経皮的冠動脈形成術での薬剤溶出性ステント(DES)に用いられている。
シロリムス(別名ラパマイシン)の誘導体であり、mTOR(mammalian target of rapamycin)阻害剤として作用する。
作用機序
編集他のmTOR阻害剤同様に、細胞内での信号伝達を阻害する。ただしエベロリムスはmTORC1にのみ作用し、mTORC2には影響しない。mTORC1のネガティブフィードバックはAKTキナーゼを活性化し、かつmTORC2を阻害しないためポジティブフィードバックがおこりAKTを活性化する。このAKTの活性化はある種の細胞をアポトーシスへ導く。
適応症
編集併用禁忌
編集生ワクチン(乾燥弱毒生麻疹ワクチン、乾燥弱毒生風疹ワクチン、経口生ポリオワクチン、乾燥BCG等)は病原体が増殖して発症する虞れが有るので併用禁忌である。
副作用
編集重大な副作用として知られているものは、
- 悪性腫瘍(2.5%、0.1%二次発癌)、感染症(44.6%、19.6%)、口内炎(-、59.6%)、アナフィラキシー(-、※)、
- 腎不全(-、1.1%)、腎障害(12.9%、-)、移植腎血栓症、(※、-)、BKウイルス腎症(0.1%、※)、進行性多巣性白質脳症(PML)(※、※)、
- 間質性肺疾患(0.3%、15.0%)、肺胞蛋白症(0.1%、※)、心嚢液貯留(9.9%心移植、0.2%)、急性呼吸窮迫症候群(※、0.2%)、
- 血栓性微小血管障害(0.8%、※)、肺塞栓症(0.1%未満、0.5%)、深部静脈血栓症(0.2%、0.1%)、
- 高血糖(0.9%、10.0%)、糖尿病の発症・増悪((1.4%・不明、纏めて2.5%)、
- 貧血(-、16.8%)、ヘモグロビン減少(-、2.6%)、白血球減少(-、6.3%)、リンパ球減少(-、5.3%)、好中球減少(-、6.0%)、血小板減少(-、11.6%)
である(サーティカン、アフィニトール の順)(-は記載無し、※は頻度不明)。
臨床試験
編集脚注
編集- ^ R.N Formica Jra, K.M Lorberb, A.L Friedmanb, M.J Biaa, F Lakkisa, J.D Smitha, M.I Lorber (March 2004). “The evolving experience using everolimus in clinical transplantation”. Elsevier 36 (2): S495–S499 .
- ^ ノバルティス、結節性硬化症の治療薬として、mTOR阻害剤 「アフィニトール」の適応拡大承認を取得 NOVARTIS 2019年8月22日適応拡大
- ^ Zhu AX, Kudo M, Assenat E, Cattan S, Kang YK, Lim HY et al. (2014). “Effect of everolimus on survival in advanced hepatocellular carcinoma after failure of sorafenib: the EVOLVE-1 randomized clinical trial.”. JAMA 312 (1): 57-67. doi:10.1001/jama.2014.7189. PMID 25058218 .