エベレスト南峰(エベレストなんぽう)は、地球上で二番目に高い峰であり、エベレストの峰の一つである。海抜8,749メートル (28,704 ft)と、実際には地球上で二番目に高い山であるK2の山頂(海抜8,611メートル (28,251 ft))より高いにもかかわらず、そのプロミネンスが11メートルしかないため、峰の一つとされるのみで独立した山とはみなされていない。

エベレスト南峰
エベレスト山頂のすぐ右に突き出た少し低い峰が南峰
標高 8,749 m
所在地 ネパールの旗 ネパールサガルマタ県ソルクンブ郡英語版
中華人民共和国の旗 中華人民共和国チベット自治区シガツェ市ティンリ県
位置 北緯27度59分6秒 東経86度55分33秒 / 北緯27.98500度 東経86.92583度 / 27.98500; 86.92583座標: 北緯27度59分6秒 東経86度55分33秒 / 北緯27.98500度 東経86.92583度 / 27.98500; 86.92583
山系 ヒマラヤ山脈マハランガー・ヒマール英語版
初登頂 1953年5月26日
チャールズ・エヴァンストム・ボーディロン英語版[1][2]
エベレスト南峰の位置(ネパール内)
エベレスト南峰
エベレスト南峰 (ネパール)
プロジェクト 山
テンプレートを表示

頂上は雪と氷でドーム型となっており、エベレスト山頂とはコーニス・トラバース(Cornice Traverse)とヒラリー・ステップで繋がっている。1953年5月26日、1953年英国エベレスト登山隊英語版チャールズ・エヴァンストム・ボーディロン英語版が初登頂に成功した[1][2]。この隊はエベレスト山頂へのアタックを続けることができず、第2隊のエドモンド・ヒラリーテンジン・ノルゲイが南峰を通って山頂へ到達した。エベレスト山頂と南峰との距離は約130メートル (430 ft)である。

1965年インドエベレスト登山隊の地質学者が、南峰の先、約100フィートの場所で貝の化石の堆積を発見。この登山隊は9人がエベレストに登頂している[3]

1978年にエベレストの無酸素登頂に初成功したラインホルト・メスナーは、南峰を「自分にとって特別な一里塚」と表現している[4]

1996年のエベレスト大量遭難では、山岳ガイドのロブ・ホールがエベレスト山頂からの下山中に激しいブリザードに逢い南峰付近で死亡している。ホールは一晩生き延び、翌1996年5月11日に無線連絡を行ったが、その日に凍死した。彼の遺体はその場所に残された[5][6]

脚注

編集
  1. ^ a b Isserman, Maurice; Weaver, Stewart (2010). Fallen Giants: A History of Himalayan Mountaineering from the Age of Empire to the Age of Extremes. Yale University Press. pp. 286–287. ISBN 9780300164206. https://books.google.com/books?id=JgEKGGYEpZIC&pg=PA286 
  2. ^ a b Kerr, Jim (2008). Hillary and Norgay's Mount Everest Adventure: Great journeys across earth. Heinemann-Raintree Library. p. 45. ISBN 9781403497550. https://books.google.com/books?id=rK_due8ny7wC&pg=PA45 
  3. ^ Kohli, Mohan Singh (2000). Nine Atop Everest: Spectacular Indian Ascent. ニューデリー: Indus Publishing. pp. 168–169. ISBN 9788173871115. https://books.google.com/books?id=KHkwqaXLmooC&pg=PA168&dq=Everest+South+Summit&hl=en&sa=X&ved=0CEAQ6AEwBWoVChMI4JmN-7fkyAIVCctjCh3I_gqZ#v=onepage&q=Everest%20South%20Summit&f=false 
  4. ^ Messner, Reinhold (1979). Everest: Expedition to the Ultimate. ケイ&ワード英語版. ISBN 9780195201352. https://books.google.com/books?id=wxuCAAAAMAAJ&dq=editions:ISBN1910240214 
  5. ^ Boukreev, Anatoli; DeWalt, G. Weston (2015). The Climb: Tragic Ambitions on Everest. セント・マーティンズ・グリフィン英語版. pp. 199. ISBN 9781250099822. https://books.google.com/books?id=rNdfCgAAQBAJ&printsec=frontcover&dq=Rob+Hall+South+Summit&hl=en&sa=X&ved=0CCgQ6AEwAmoVChMIvt6MpqfkyAIVgk2ICh11bgSl#v=onepage&q=Rob%20Hall%20South%20Summit&f=false 
  6. ^ Simpson, Joe (1999). Dark Shadows Falling. ザ・マウンテニャーズ・ブックス英語版. pp. 33–40. ISBN 9780898865905. https://books.google.com/books?id=_0Lxarn5Xc0C&pg=PA34&dq=Rob+Hall+South+Summit&hl=en&sa=X&ved=0CC8Q6AEwA2oVChMIqe-x6KjkyAIV0jeICh1jgw0W#v=onepage&q=Rob%20Hall%20South%20Summit&f=false 

関連項目

編集
  • ローツェ – エベレストの南方約3kmの地点にある山。チベット語で「(エベレストの)南峰」。