エダウチタヌキマメ
エダウチタヌキマメ(別名ダエンタヌキマメ、学名:C. uncinella subsp. elliptica )はマメ科タヌキマメ属の多年生草本または亜低木。環境省絶滅危惧IA類(CR)、沖縄県絶滅危惧IA類(CR)[1]。
エダウチタヌキマメ | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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![]() 風衝地のエダウチタヌキマメ
(2025年2月 沖縄県伊是名村) | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
保全状況評価 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
絶滅危惧IA類(環境省レッドリスト)![]() | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
分類(APG IV) | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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学名 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
Crotalaria uncinella subsp. elliptica (Roxb.) Polhill | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
和名 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
エダウチタヌキマメ |
特徴
編集高さ20–60 cm。日本国内に産するタヌキマメ属4種のうち、本種のみが3出小葉をもつ[2]。葉柄は1–1.5 cmで小葉は狭楕円形~倒卵形、頂小葉は長さ1.5–2.5 cm。花は枝先や葉腋にできる総状花序に数~10個ほどつき、長さ5–7 mmの黄色の蝶形花で、花弁は萼より長い。豆果は楕円形で長さ5–6 mm、幅約4 mm、表面は短い毛で覆われ、中に2個の種子をもつ[1]。
分布と生育環境
編集日本国内では伊是名島に唯一自生し、本種の分布域の北限にあたる。海外では台湾南部、中国南部(広東省、海南省、広西省)、ベトナム、タイ、マレーシア、インドに分布[1][2][3]。伊是名島では海崖上や斜面上部の風衝地に生育。島内のごく限られた地域に自生し、個体数は極めて少ない[1]。過去には外来種とする見解もあった[4][5]が、伊是名島における生育地は集落から離れた稜線の岩場で、台湾南部においても同様に人為的な影響がほぼ無い海崖上の風衝草原や岩礁海岸に生育する点からも、日本へ帰化したと考えるのは無理があり、自然分布と判断される[6]。
脚注
編集参考文献
編集- 島袋敬一『琉球列島維管束植物集覧』ひるぎ社、那覇市、1990年。
- 立石庸一・松村俊一・山城考・新城和治「琉球列島植物分布資料17」『沖縄生物学会誌』第42巻、61–67頁、2004年。
- 立石庸一・松村俊一・横田昌嗣(追補)・阿部篤志(追補)「エダウチタヌキマメ」『改訂・沖縄県の絶滅のおそれのある野生生物 第3版(菌類編・植物編)―レッドデータおきなわ―』沖縄県、2018年3月、181頁 。
- 大橋広好 著「エダウチタヌキマメ」、大橋広好・門田裕一・木原浩・邑田仁・米倉浩司 編『フィールド版改訂新版 日本の野生植物』 1巻、平凡社、2021年、454頁。ISBN 9784582535389。
外部リンク
編集- エダウチタヌキマメ うちなー通信
- エダウチタヌキマメ(枝打狸豆) こまつなの部屋
- エダウチタヌキマメ(枝打狸豆) 野の花賛花