エクストリーム・メイクオーヴァー (吹奏楽曲)

エクストリーム・メイクオーヴァー 〜チャイコフスキーの主題による変容〜』(Extreme Make-over - Metamorphoses on a Theme by Tchaikovsky)は、ヨハン・デ・メイが作曲した吹奏楽曲。演奏時間は16 - 17分。

概要

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ヨーロッパ・ブラスバンド連盟(European Brass Band Association)から2005年のヨーロッパ・ブラスバンド選手権大会(European Brass Band Championships)の選手権部門(Championship section)の課題曲の委嘱を受け、2004年秋にブラスバンド曲として作曲された。2006年には吹奏楽版が、2009年にはファンファーレバンド版が、それぞれ作曲者自身により作られている。

楽譜はいずれの編成ともオランダのアムステル・ミュージック(Amstel Music BV)から出版され、オランダのデ・ハスケ(De Haske Publications BV)およびアメリカのハル・レナード(Hal Leonard Corporation/アメリカ、カナダニュージーランドオーストラリアのみ)を通じて販売されている。

初演

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ブラスバンド版

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世界初演は、2005年4月29日オランダフローニンゲンのマルティーニ・プラザ(Martiniplaza)で開催されたヨーロッパ・ブラスバンド選手権大会の選手権部門において、出場した9つのバンドの課題曲としての演奏による[1][2]

吹奏楽版

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世界初演は、2006年6月11日ドイツフライブルクのコンツェルトハウス(Konzerthaus Freiburg)で行われたガラコンサートにおいて、作曲者の指揮、フライブルク吹奏楽団(Freiburger Blasorchester)の演奏による。

日本初演は、2007年6月8日大阪市北区ザ・シンフォニーホールにおいて、作曲者 デ・メイ自身の指揮、大阪市音楽団(当時の呼称)の演奏による[3]

ファンファーレバンド版

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世界初演は、2009年9月10日12日の3日間にそれぞれオランダのロセル(Losser)のブリルマンスデネン野外劇場(Openluchttheater Brilmansdennen)、アメロンゲン(Amerongen)のプルーフ体育館(Sporthal de Ploeg)、ステーンベルヘン(Steenbergen)のクロムヴィール会合センター(Ontmoetingscentrum 't Cromwiel)の3会場で行われた、テイメン・ボトマ(Tijmen Botma)の指揮、オランダ王立陸軍騎兵ファンファーレ隊(Fanfarekorps Koninklijke Landmacht Bereden Wapens)の演奏による。

編成

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ブラスバンド版

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英国式ブラスバンドの使用楽器・編成に基づく25名の金管楽器(コルネット奏者はDEG♯ABに調律されたも吹く)および3名の打楽器Vib., Mar., Tub.Bells, Xylo., Timp., Anvil, B.D., Tam-t., S.D., Cymb. (susp./crash), Roto-toms, Floor Tom-t.)による。

吹奏楽版

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編成表
木管 金管
Fl. 2, Picc. Tp. 4 Cb.
Ob. 2, C.A. Hr. 4 Timp.
Fg. 2 Tbn. 2, Bass ブラスバンド版と同じ(ただし、レギュレーションによる人数制限がないため演奏箇所はブラスバンド版より多くなっている)
Cl. 3, E♭, Bass Eup.
Sax. Alt. 2 Ten. 1 Bar. 1Tub.
その他Piano, 10 tuned bottles(フルート、クラリネット奏者による)

ファンファーレバンド版

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構成

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「アンダンテ・カンタービレ」のタイトルで知られるチャイコフスキーの「弦楽四重奏曲第1番 ニ長調」の第2楽章冒頭の旋律を主題とし、交響曲第4番交響曲第6番、幻想序曲「ロメオとジュリエット」、さらにエンディングでは序曲「1812年」からの断片を引用しながら、さまざまな形に変容する。また、スティーヴ・ライヒイーゴリ・ストラヴィンスキーフランク・ザッパの音楽のエッセンスも加えられている。Andante cantabile ♩=60-63で、2本のコルネットテナーホーンユーフォニアムの金管四重奏(吹奏楽版、ファンファーレバンド版では2本のアルト、テナー、バリトンのサクソフォーン四重奏)による「アンダンテ・カンタービレ」の旋律で始まり、中間部では2オクターブのDEG♯AB音に調律した10本のを吹くホケトゥス英語版や、ガムラン風のマリンバ独奏が聞かれる。

脚注

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注釈・出典

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  1. ^ 同選手権大会開催より前に各バンドが演奏会などで公開で演奏しているが、作曲者はこれらをすべて試演(try-out)とみなし、公式な世界初演は同選手権大会としている(参考文献の演奏記録を参照)。
  2. ^ コンテストでは翌日の自由選択曲(ピーター・グレーアム作曲「地底旅行」)の演奏とあわせてイングランド代表のブラック・ダイク・バンド(指揮:ニコラス・チャイルズ)が優勝した。
  3. ^ これに先立つ5月20日埼玉県の川口市民会館において、福本信太郎の指揮、川口市・アンサンブルリベルテ吹奏楽団によって公開での演奏が行われている。作曲者はその事実を認識しているが、公式な日本初演は6月8日の自演としている(参考文献の演奏記録を参照)。

参考文献

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