エキゾチカ(Exotica)は、1950年代から60年代に流行した、東洋やアフリカ、ラテン・アメリカなどの風土を連想させる音楽ジャンルの名称である。90年代以降にリバイバル現象が見られた。

内容

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エキゾチカという名前はマーティン・デニーの同名アルバムに由来するとされている。マーティン・デニーは、南太平洋や東洋を人々がどのように想像していたかにふれて、それはファンタジーとし、ラウンジ音楽ではオセアニアの島々や ハワイなどを南国の楽園とする傾向もあった[1]。広義では非西洋的な音楽要素を取り入れたオーケストラ音楽、またはジャズを指している。基本的にはインストゥルメンタル(演奏曲)が多い。

エキゾチカの場合、演奏者または作曲者が主に欧米人で、その音楽は西洋音楽の楽器編成(オーケストラ)、音楽理論などに概ね基づいている事に留意したい。(欧米人にとって)エキゾチックな要素としてオセアニア、東南アジア、アフリカ、あるいは日本を含めた東洋などの民族・民俗音楽の旋法やリズム、楽器(特に打楽器)が採用された。鳥などの動物の鳴き声や自然音が音楽に挿入される場合もある。しかしそれらはあくまでも彩りまたは装飾としてのものである。エキゾチカは欧米人が誤解を含めて思い描いた熱帯地域の島々(非西洋)の印象を反映しているため、同地をイメージした音楽を現地の人が聞くと違和感を覚えることがある(オリエンタリズム)。 エキゾチカは基本的にはイージーリスニングとして聞かれる音楽である。エキゾチカには通常分類されないものの、非西洋を題材にしているイージーリスニングは存在する。映画のサウンドトラックのアルバムの中にも、エキゾチカに近いアルバムおよび曲が存在している。また、過去に日本で制作されたムード音楽[注釈 1]の中にもエキゾチカの傾向を持ったものがある。

エキゾチカのLPは、未知の楽園を家庭で手軽に疑似体験、および夢想できるものとしてアメリカでは需要があった。ステレオ録音の進歩が音楽に反映し、エキゾチカはオーディオマニアからも関心を向けられる事もあった。ロックがポピュラーミュージックの主流になるに従いエキゾチカの人気は衰退していった。しかし、1990年代前半にラウンジ・ミュージックやクラブ・ミュージックなどの文脈で注目され、エキゾチカそのものの再評価につながった。

日本では久保田麻琴ヤン富田らが、エキゾチカを愛好するミュージシャンとされている。細野晴臣はエキゾチカに大きく影響を受け、Yellow Magic Orchestraでマーティン・デニーの「ファイアー・クラッカー」をカバーしている。

主要アーティスト

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関連項目

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脚注

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注釈

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  1. ^ 松浦やすたかや、まぶちゆうじろうらのムード音楽が知られている

出典

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  1. ^ Hayward, Philip (1999-09-01). Widening the horizon: exoticism in post-war popular music. Southern Cross University. p. 76. ISBN 978-1-86462-047-4.