ウスユキガモ(薄雪鴨、Marmaronetta angustirostris) は、カモ目カモ科ウスユキガモ属に分類される鳥類。本種のみでウスユキガモ属を構成する。

ウスユキガモ
ウスユキガモ
ウスユキガモ Marmaronetta angustirostris
保全状況評価[a 1]
NEAR THREATENED
(IUCN Red List Ver.3.1 (2001))
分類
ドメイン : 真核生物 Eukaryota
: 動物界 Animalia
: 脊索動物門 Chordata
亜門 : 脊椎動物亜門 Vertebrata
: 鳥綱 Aves
: カモ目 Anseriformes
: カモ科 Anatidae
: ウスユキガモ属 Marmaronetta
: ウスユキガモ M. angustirostris
学名
Marmaronetta angustirostris
(Menetries, 1832)
和名
ウスユキガモ
英名
Marbled teal
Marmaronetta angustirostris

分布

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ヨーロッパ南部やアフリカ大陸北部の地中海沿岸部、中央アジアなどで繁殖し、冬季になるとインド北部、チャド、マリ共和国へ渡り越冬する[1][2]

形態

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全長42センチメートル[1]。翼長オス20.5-21.5センチメートル、メス19.8-20.5センチメートル[2]。全身の羽衣は褐色や灰褐色で、淡褐色や淡黄色の斑紋が入る[1][2]。嘴から眼を通り側頭部にかけて黒く太い筋模様(過眼線)が入る[1][2]。尾羽基部の下面を被う羽毛(下尾筒)は白い[1]

嘴は黒い[1][2]。後肢は黄褐色[1]

生態

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アシなどが岸辺に繁茂した湖沼に生息する[1][2]。小規模な群れを形成して生活する[2]

食性は植物食傾向の強い雑食で[2]、植物の茎、根、種子などを食べる[1]。種子は水面で採食するが、水生植物の茎や根、泥中にいる獲物は逆立ちしたり潜水しながら採食を行う[1]

繁殖形態は卵生。藪や枯れ草の中(洞窟に巣をつくることもある)の地表に巣を作り、7-14個の卵を産む[1][2]。メスのみが抱卵し[1]、抱卵期間は25日[2]

人間との関係

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干拓による生息地の破壊、水質汚染、狩猟などにより生息数は減少している[1]。スペインでの19世紀における生息数は数千ペア、1960年代における生息数は100ペアと推定されている[1]

参考文献

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  1. ^ a b c d e f g h i j k l m n 小原秀雄・浦本昌紀・太田英利・松井正文編著 『動物世界遺産 レッド・データ・アニマルズ1 ユーラシア、北アメリカ』、講談社2000年、77、184頁。
  2. ^ a b c d e f g h i j 黒田長久、森岡弘之監修 『世界の動物 分類と飼育 (ガンカモ目)』、財団法人東京動物園協会、1980年、68頁。

関連項目

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外部リンク

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  1. ^ The IUCN Red List of Threatened Species