ウクライナ共和国
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ウクライナ共和国とは、本来はウクライナ・ソビエト社会主義共和国 (URSR)の略称として用いられる呼称である。場合によって、以下のような国家の略称としても用いられるが、一般に、ウクライナ・ソビエト社会主義共和国およびその前身であるウクライナ社会主義ソビエト共和国以外の国家を「ウクライナ共和国」と表記することは混乱を招くため好ましくない。なお、「ウクライナ共和国」という正式名称の国家は、歴史上いまだかつて存在したことがない。
「ウクライナ共和国」と略称される国家
編集- ウクライナ (Ukrayina) - 現代の独立ウクライナに対し、「ウクライナ共和国」という呼称が用いられることがある。しかしながら、現代のウクライナの正式名称は「ウクライナ」であり、「ウクライナ共和国」というのはソ連時代のウクライナ・ソビエト社会主義共和国と現代のウクライナを混同した誤った用法である。
- また、ウクライナ国とも異なるので、ウクライナを「ウクライナ国」と表記すると、誤解が生じることになる。
- ウクライナ人民共和国 (UNR) - 1917年から1920年までの間に存在したウクライナの独立国家。中央政治機関はウクライナ中央ラーダとディレクトーリヤで、中部ウクライナのキエフに首都を置いたが、ロシア内戦・ウクライナ内戦で疲弊し、滅亡した。
- ウクライナ人民共和国 (UNR) - 1917年にロシアのボリシェヴィキがウクライナ人民共和国に対抗して建てた国家。東ウクライナのハリコフに首都を置いた。国民のほとんどがロシア人やユダヤ人であり、ウクライナ人によって建設された国家であるウクライナ人民共和国との戦闘に従事した。
- ウクライナ・ソビエト共和国 (USR) - 1918年3月に、ウクライナにおけるボリシェヴィキ勢力の劣勢を立て直すためそれまでの各ソビエト共和国を統合して作られた国家。
- ウクライナ・ソビエト社会主義共和国 (URSR) - 1919年1月に、ロシアがウクライナ人への懐柔策の一環として建設した共和国。1937年までの名称は「ウクライナ社会主義ソビエト共和国」。
- ウクライナ共和国 (1991年-1996年) (Ukrayins’ka Respublika) - 1991年8月に、ウクライナ・ソビエト社会主義共和国がソビエト連邦からの独立を宣言した後、1996年に憲法が制定されるまで存在した国家。
この他、西ウクライナに建設された西ウクライナ人民共和国 (ZUNR)の略称として「西ウクライナ共和国」という名称が用いられることもある。