ウインラディウス

日本の競走馬

ウインラディウスWin Radius1998年3月7日 - 不明)[1]とは日本競走馬種牡馬京王杯スプリングカップ富士ステークスなど中央競馬の短距離重賞を3勝した。

ウインラディウス
欧字表記 Win Radius[1]
香港表記 永勝駒
品種 サラブレッド[1]
性別 [1]
毛色 黒鹿毛[1]
生誕 1998年3月7日[1]
死没 不明(2013年8月1日用途変更)
登録日 2000年6月22日
抹消日 2006年2月8日
サンデーサイレンス[1]
ジョウノマチエール[1]
母の父 マルゼンスキー[1]
生国 日本の旗 日本北海道沙流郡[1]
生産者 三城牧場[1]
馬主 ウイン[1]
調教師 藤沢和雄美浦[1]
厩務員 川越靖幸
競走成績
生涯成績 32戦9勝[1]
獲得賞金 3億2358万5000円[1]
勝ち鞍
GII 京王杯スプリングC 2004年
GIII 東京新聞杯 2005年
GIII 富士S 2005年
テンプレートを表示

クラブ募集価格は35万×200口の7000万円。馬名の由来は冠名「ウイン」にラテン語で「光線」の意味を持つ「Radius」。

経歴

編集

競走馬時代

編集

2000年8月新馬戦にてテイエムオーシャンに後塵を喫した2週間後、同日に新馬戦(出走頭数9)がありながら敢えてクローバー賞に参戦、未勝利馬ながら1番人気に推されレコードタイムにて初勝利を記録する。この快挙に当時のメディアは同馬を「来年のクラシック級の大物」と評したが、朝日杯3歳ステークス8着後に持病の喉鳴りが悪化し戦線を離脱。陣営は同馬の手術に踏み切り、結果として休養期間は1年9ヶ月に及ぶものとなった。

復帰を果たした2002年9月には500万クラスにまで降級、幾度も1番人気に支持されながら気性難から取りこぼすレースが続いたが1年以上をかけ2003年11月オープンクラスに返り咲く。

2004年遅咲きの才能を開花させ東京新聞杯にて初の重賞タイトルを獲得、さらに京王杯スプリングカップをレコードタイムで制覇し安田記念の優勝候補にもあげられたがGIタイトルには縁がなく安田記念を含め4戦し最高成績は4着に終わった。

2006年8歳まで現役を続け、最後は同年の東京新聞杯にてレース中に鼻出血を発症しそのまま現役引退となる[2]。手術の影響でわずかな輸送でも体調を崩すことが多く、関西圏への遠征は殆ど行われることは無かった。

引退後

編集

引退後は当初は優駿スタリオンステーション種牡馬として繋養されていた。毎年2ケタの種付けを確保していたが、特筆すべき産駒は出せなかった。2013年時点では赤石久夫牧場で供用されていた[3]。同年8月1日付で用途変更となり、種牡馬を引退。その後、現役時代の厩務員であった川越靖幸がウインラディウスの行方を追ったものの、この世にはいない可能性が高いという事が判明している[4]

競走成績

編集

以下の内容は、netkeiba.com[5]およびJBISサーチ[6]に基づく。

年月日 競馬場 競走名 頭数 枠番 馬番 オッズ
(人気)
着順 騎手 斤量
[kg]
距離(馬場) タイム
(上り3F)
タイム
勝ち馬/(2着馬)
2000.08.05 札幌 3歳新馬 8 4 4 01.9 0(1人) 02着 岡部幸雄 53 芝1200m(良) 1:11.0(34.3) -0.4 テイエムオーシャン
0000.08.19 札幌 クローバー賞 OP 9 1 1 02.1 0(1人) 01着 岡部幸雄 53 芝1500m(良) R1:29.6(35.7) -0.6 (スペランツァ)
0000.11.18 東京 東京スポーツ杯3歳S GIII 13 5 7 02.0 0(1人) 03着 岡部幸雄 54 芝1800m(稍) 1:48.9(35.0) -0.4 タガノテイオー
0000.12.10 中山 朝日杯3歳S GI 16 2 4 04.9 0(3人) 08着 岡部幸雄 54 芝1600m(良) 1:35.6(36.4) -1.1 メジロベイリー
2002.09.01 札幌 3歳上500万下 14 5 8 02.4 0(1人) 04着 岡部幸雄 57 芝1200m(良) 1:11.1(35.7) -0.5 フジサクラオー
0000.09.08 札幌 3歳上500万下 14 8 14 01.7 0(1人) 08着 北村宏司 57 芝1800m(良) 1:51.1(35.8) -1.0 ダイワオーランド
0000.12.22 中京 尾張特別 500 16 6 12 02.8 0(1人) 05着 北村宏司 57 芝1800m(良) 1:50.1(35.9) -0.6 トランクイリティー
2003.03.09 中京 鞍ケ池特別 500 16 3 5 03.7 0(1人) 01着 鹿戸雄一 57 芝1800m(良) 1:48.7(36.4) -0.4 (ベストタイクーン)
0000.03.29 中山 千葉日報杯 1000 16 8 16 03.5 0(1人) 09着 横山典弘 57 芝1600m(良) 1:34.7(33.9) -0.5 ダイタクソニック
0000.04.26 東京 高尾特別 1000 18 1 1 08.4 0(5人) 03着 横山典弘 57 芝1600m(良) 1:33.0(34.4) -0.1 マチカネメニモミヨ
0000.05.25 東京 富嶽賞 1000 15 4 6 02.8 0(1人) 07着 横山典弘 57 芝1800m(良) 1:34.5(34.9) -0.4 モノポール
0000.06.22 福島 雄国沼特別 1000 12 5 6 03.5 0(2人) 02着 柴田善臣 57 芝1800m(良) 1:47.1(35.2) -0.1 マイティスピード
0000.07.12 函館 HTB杯 1000 15 7 12 02.9 0(1人) 01着 デザーモ 57 芝1800m(良) 1:49.2(36.8) -0.1 (アサクサデンエン)
0000.08.24 札幌 摩周湖特別 1000 12 1 1 02.2 0(2人) 01着 田中勝春 57 芝1500m(良) 1:28.9(34.7) -0.6 (イシノミューズ)
0000.09.14 中山 京成杯AH GIII 16 2 3 06.2 0(2人) 07着 田中勝春 54 芝1600m(良) 1:34.3(34.6) -0.4 ブレイクタイム
0000.11.02 東京 白秋S 1600 13 6 8 04.0 0(2人) 01着 田中勝春 57 芝1400m(良) 1:22.2(33.4) -0.1 (ホワットアリーズン)
2004.02.01 東京 東京新聞杯 GIII 15 8 15 13.7 0(7人) 01着 田中勝春 54 芝1600m(良) 1:33.0(33.7) -0.3 (クラフトワーク)
0000.04.04 中山 ダービー卿CT GIII 15 2 3 01.9 0(1人) 03着 柴田善臣 56.5 芝1600m(良) 1:33.5(36.2) -0.1 マイネルモルゲン
0000.05.16 東京 京王杯SC GII 18 4 7 05.1 0(2人) 01着 田中勝春 57 芝1400m(良) R1:20.4(33.8) -0.0 (テレグノシス)
0000.06.06 東京 安田記念 GI 18 3 5 05.5 0(2人) 14着 D.オリヴァー 58 芝1600m(稍) 1:34.1(36.0) -1.5 ツルマルボーイ
0000.07.04 函館 函館スプリントS GIII 15 3 5 04.8 0(3人) 05着 田中勝春 56 芝1200m(良) 1:09.8(35.8) -0.4 シーイズトウショウ
0000.10.03 中山 スプリンターズS GI 16 8 16 16.5 0(7人) 04着 田中勝春 57 芝1200m(不) 1:10.8(36.4) -0.9 カルストンライトオ
2005.01.30 東京 東京新聞杯 GIII 13 5 7 11.1 0(3人) 08着 岡部幸雄 57 芝1600m(良) 1:34.6(34.7) -0.9 ハットトリック
0000.05.01 新潟 谷川岳S OP 16 8 15 03.8 0(1人) 03着 北村宏司 58 芝1400m(良) 1:21.2(34.8) -0.1 フジサイレンス
0000.05.15 東京 京王杯SC GII 18 8 17 18.3 0(7人) 15着 田中勝春 58 芝1400m(良) 1:21.8(34.9) -1.5 アサクサデンエン
0000.07.17 新潟 NSTオープン OP 18 7 14 04.5 0(2人) 01着 田中勝春 58 芝1400m(良) 1:20.0(34.6) -0.2 (ロイヤルキャンサー)
0000.07.31 新潟 関屋記念 GIII 18 7 13 07.5 0(4人) 11着 田中勝春 57 芝1600m(良) 1:33.5(34.0) -1.2 サイドワインダー
0000.09.11 中山 京成杯AH GIII 13 7 10 23.5 (10人) 03着 田中勝春 58 芝1600m(稍) 1:33.4(35.1) -0.1 マイネルモルゲン
0000.10.22 東京 富士S GIII 16 6 12 06.1 0(3人) 01着 田中勝春 57 芝1600m(良) 1:32.9(34.0) -0.1 (タニノマティーニ)
0000.11.20 京都 マイルCS GI 17 2 3 60.7 (10人) 10着 田中勝春 57 芝1600m(良) 1:32.7(34.5) -0.6 ハットトリック
0000.12.24 中京 CBC賞 GII 14 2 4 12.5 0(5人) 04着 鹿戸雄一 57 芝1200m(良) 1:08.9(34.8) -0.2 シンボリグラン
2006.01.28 東京 東京新聞杯 GIII 16 6 12 16.3 (10人) 11着 田中勝春 59 芝1600m(良) 1:34.8(34.6) -1.1 フジサイレンス

エピソード

編集

元厩務員の川越は、ウインラディウスを救えなかったことや、同じくかつての担当馬であったキリシマノホシを肥育場から助け出したことから引退馬の養老牧場を開くことを決意し、ノーザンレイクファームを開業した[7]。現在同牧場には、キリシマノホシと共にメイショウドトウらが功労馬として繋養されている[8][9]

血統表

編集
ウインラディウス血統 (血統表の出典)[§ 1]
父系 ヘイロー系ヘイルトゥリーズン系 / サンデーサイレンス系
[§ 2]

*サンデーサイレンス
Sunday Silence 1986
青鹿毛 アメリカ
父の父
Halo 1969
Hail to Reason Turn-to
Nothirdchance
Cosmah Cosmic Bomb
Almahmoud
父の母
Wishing Well 1975
Understanding Promised Land
Pretty Ways
Mountain Flower Montparnasse
Edelweiss

ジョウノマチエール 1990
鹿毛
マルゼンスキー 1974 Nijinsky II Northern Dancer
Flaming Page
*シル Buckpasser
Quill
母の母
ウメノシルバー 1979
*シルバーシャーク Buisson Ardent
Palsaka
ストロングベビー *セダン
マリアンナ F-No.1-b
母系(F-No.) 1号族(FN:1-b) [§ 3]
5代内の近親交配 5代内アウトブリード [§ 4]
出典
  1. ^ [10]
  2. ^ [11]
  3. ^ [10]
  4. ^ [10][11]

脚注

編集
  1. ^ a b c d e f g h i j k l m n o ウインラディウス”. JBISサーチ. 公益社団法人日本軽種馬協会. 2019年9月8日閲覧。
  2. ^ ウインラディウス引退、種牡馬入り”. ラジオNIKKEI. 2022年3月12日閲覧。
  3. ^ 2013年度サラ系供用種牡馬一覧 - jbis.or.jp、2022年2月5日閲覧。
  4. ^ 応援メッセージvol.6:川越靖幸様/元JRA厩務員 / #引退馬の余生を創る:馬と人とが共存共栄できる牧場が描く未来 - クラウドファンディング READYFOR”. readyfor.jp. 2022年2月3日閲覧。
  5. ^ ウインラディウスの競走成績”. netkeiba. Net Dreamers Co., Ltd.. 2019年9月8日閲覧。
  6. ^ ウインラディウス 競走成績”. JBISサーチ. 公益社団法人日本軽種馬協会. 2019年9月8日閲覧。
  7. ^ 【引退馬を引き取る(2)】命を繋げるために力を貸してくれた人々 その恩に必ず報いる/動画 | 競馬コラム - netkeiba.com”. news.netkeiba.com. 2022年5月13日閲覧。
  8. ^ ノーザンレイク | 馬・牧場・施設検索 | 競走馬のふるさと案内所”. uma-furusato.com. 2023年2月7日閲覧。
  9. ^ @NLstaff (2023年2月4日). "夜飼い時にドットさん宛に届いた生牧草を女子チームにもお裾分け!プレゼントしてくださった方、ありがとうございます✨
    登場順に
    #キリシマノホシ
    #タッチデュール
    #タッチノネガイ
    #芦毛ちゃん
    #メイショウドトウ
    #引退馬協会"
    . X(旧Twitter)より2023年2月7日閲覧
  10. ^ a b c ウインラディウス 血統情報:5代血統表”. JBISサーチ. 公益社団法人日本軽種馬協会. 2019年9月8日閲覧。
  11. ^ a b c ウインラディウスの5代血統表”. netkeiba. Net Dreamers Co., Ltd.. 2019年9月8日閲覧。

外部リンク

編集