ウィーン市電E形電車
E形は、かつてオーストリアの首都・ウィーンの路面電車であるウィーン市電で使用されていた電車。1959年から2000年代まで営業運転に用いられ、一部車両は他国の路面電車へ譲渡された[1][3][4][5]。
ウィーン市電E形電車 | |
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E形(4443)(1974年撮影) | |
基本情報 | |
製造所 | ローナー、シメリンク・グラーツ・パウカー |
製造年 | 1959年 - 1966年 |
製造数 | 89両(4401 - 4459、4601 - 4630) |
運用開始 | 1959年 |
運用終了 | 2007年(ウィーン市電) |
投入先 |
ウィーン市電 ロッテルダム市電、サラエヴォ市電(譲渡先) |
主要諸元 | |
編成 | 2車体連接車、片運転台 |
軌間 | 1,435 mm |
車両定員 | 112人(着席38人) |
車両重量 | 22.5 t |
全長 | 20,300 mm |
固定軸距 | 1,800 mm |
台車中心間距離 | 4,200 mm |
主電動機出力 | 110 kw |
出力 | 220 kw |
備考 | 主要数値は[1][2][3][4][5]に基づく。 |
概要
編集ドイツの鉄道車両メーカーであったデュワグ(現:シーメンス)が展開していた路面電車車両(デュワグカー)をオーストリアの各企業がライセンス生産した形式。連接部分に付随台車を有する構造の2車体連接車で、右側通行に適した片運転台・片方向型車両として設計が行われた[1][2][3]。
1959年に試作車2両(4401、4402)がローナーによって製造され、各種試験に使用された。そのうち4401はエリン(ELIN)/キーペ(Kiepe)製の、4402はシーメンス製の電気機器が搭載され、試験の結果4401の構造を基に量産が行われる事となった。また、これらの車両は製造に携わったローナーの社員から「エミル(Emil)」(4401)、「エディ(Edi)」(4402)と言う愛称が付けられており、量産車や以降生産された2車体連接車も「エミル」と呼ばれる事があった[1][3]。
量産車は1959年から1966年にかけて製造され、ローナー製の車両は57両(4403 - 4459)、シメリンク・グラーツ・パウカー(SGP)製の車両は30両(4601 - 4630)が導入された[注釈 1]。電気機器については前者がエリン製、後者がシーメンス製のものを用いた。だが、営業開始後に出力の低さが問題視された事から、以降の増備は改良型車両のE1形によって行われた[1][3]。
1970年代からは信用乗車方式への対応や半自動段数制御システム(GEAMATIC)の搭載などの工事を受け、長期に渡って使用されたが、SGP製の車両は2002年、ローナー製の車両は2007年までに営業運転を終了した。以降は試作車の4401がウィーン市電で動態保存されている他、量産車の一部は以下の都市への譲渡が実施されている[1][3][4]。
脚注
編集注釈
編集出典
編集- ^ a b c d e f Wolfgang Kaiser (2016-5-18). Straßenbahn in Österreich: Alle aktuellen und ehemaligen Betriebe Kindle Ausgabe. GeraMond Verlag. ISBN 978-3956130168 2023年2月19日閲覧。
- ^ a b “Die Museumsfahrzeuge der Sammlung „Wiener Tramwaymuseum“”. Wiener Tramwaymuseum. 2023年2月19日閲覧。
- ^ a b c d e f Harald Marincig (2007). Wiener Gelenkwagen Type E. Bahn im Film. ISBN 978-3-9502250-4-4
- ^ a b c “227. VEF-Sonderfahrt Straßenbahnsonderzug Abschiedsfahrt der Type E in Wien mit E 4422”. Verband der Eisenbahnfreunde (2007年4月15日). 2023年2月19日閲覧。
- ^ a b Georg Rigele 2000, p. 101.
参考資料
編集- Georg Rigele (2000-2). “Womit die Wienerinnen und Wiener fahren”. ÖZG (11): 93-124 2023年2月19日閲覧。.