ウィル・ウィトン

アメリカの俳優、作家

ウィル・ウィトン(本名 Richard William "Wil" Wheaton, 1972年7月29日 - )は、アメリカ合衆国出身の俳優声優作家。テレビシリーズ『新スタートレック』のウェスリー・クラッシャー役、映画『スタンド・バイ・ミー』のゴーディー・ラチャンス役、『トイ・ソルジャー』のジョーイ・トロッタ役などで有名。声優としても活躍しており、『ティーン・タイタンズ』のアクアラッド役や『ベン10』のマイク・モーニングスター役などを務めている。

Wil Wheaton
ウィル・ウィトン
ウィル・ウィトン
2020年 リッチモンドのコミコンにて
本名 Richard William Wheaton III
生年月日 (1972-07-29) 1972年7月29日(51歳)
出生地 アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
カリフォルニア州バーバンク
職業 俳優声優作家
活動期間 1980年 -
配偶者 アン・プリンス (1999- )
主な作品
スタンド・バイ・ミー
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シットコムビッグバン★セオリー/ギークなボクらの恋愛法則』では本人役として出演、YouTubeのボードゲーム・ショー『テーブルトップ』では司会と共同クリエイターを務めている。ナレーターとしても様々なオーディオブックでナレーションをしている。

来歴

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バーバンク出身。女優のデブラ・ノーディーンと認定専門医のリチャード・ウィリアム・ウィトン・ジュニアの間に生まれる[1][2][3]、兄ジェレミーと姉エイミーがおり[4]、『新スタートレック』にもゲスト出演している[5]

大人になってから、ウィルは父親から虐待を受けていたと明かしており、母もそれに加わっていたと話した。両親はウィルに役者になるように強制していたとも話している。ウィルは現在両親とは疎遠になっている[6][7]

子役としての成功

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1981年にテレビ映画『ア・ロング・ウェイ・ホーム』に出演してデビュー[8]。1982年のアニメ映画『ザ・シークレット・オブ・NIMH』ではマーティンの声を当てている[9]

その名を一躍世に知らしめたのはスティーヴン・キング同名小説を基にした映画『スタンド・バイ・ミー』への出演だった[10][11][12]、映画の中でウィルは兄を失った12歳のストーリーテラー、主役のゴーディーを演じている[12]

新スタートレック

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ウィルは最初の4シーズンに渡って「天才少年であり宇宙軍の希望」と設定されたキャラクター、ウェスリー・クラッシャーを『新スタートレック』の中で演じた[13][14]。それ以後のシーズンでも4本のエピソードに出演している。ウェスリー・クラッシャーというキャラクターは評価が極端に分かれたキャラであり、彼を愛するスタートレック・ファンもいれば、憎む者も存在した[15][14] ウィルはこの評価について2004年のインタビューでこう話している

後年になってから、狂った人々 - ネットでしか威張れないような小心者 - は全体の中で本当に少ししかいないんだと強く思った。そして長年に渡って僕のウェブサイトにEメールをくれる人々や、ここ5年間で『スタートレック』についていろんな人と話したりしたことによって、僕の演技やキャラクターを含めて、否定派よりももっと多くの人々が楽しんでいてくれることに気づいたんだ。[16]

ウィルはスケジュールを組む上で1989年の映画『恋の掟』への出演の希望が叶わなかったことから制作チームへの懸念を示し、番組を離れた[17][18]

ウィルは2002年の『ネメシス/S.T.X』へのカメオ出演や2022年の『スタートレック:ピカード』第2シーズン最終話への再出演などでウェスリー役を再演している[19]

スタートレック以後

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2001年

1991年に『トイ・ソルジャー』に出演した後、トピカに移り、NewTek英語版のビデオトースターの開発を手伝う[20][21]

その後、ロサンゼルスに戻り、5年間演劇学校に通う。そして再び俳優業に復帰した[22][23]

 
2013年

それからは俳優としてテレビドラマや映画への出演、声優、司会など幅広く活躍。2015年にはニンテンドー・オブ・アメリカからゲーム『Code Name: S.T.E.A.M. リンカーンVSエイリアン』でリンカーン役の声を務めることが発表された[24]。更にParamount+で放送されている『スタートレック』を語る番組The Ready Roomでは2020年の第2シーズンから司会を務めている[25]

私生活 

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1999年にアン・プリンスと結婚し、二人の継子と一緒にカリフォルニア州パサデナ市で暮らしている[26]

ダンジョンズ&ドラゴンズのプレイヤーであり[27]、大会にも出場している。

主な出演作品

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映画

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公開年
放映年
邦題
原題
役名 備考
1981 ロングウェイ・ホーム
A Long Way Home
ドナルド・ブランチ テレビ映画
1984 バディ・システム
The Buddy System
ティム
1986 新・手錠のままの脱獄
The Defiant Ones
クライド テレビ映画
スタンド・バイ・ミー
Stand by Me
ゴーディ・ラチャンス
1987 デッドウォーター
The Curse
ザック
1991 トイ・ソルジャー
Toy Soldiers
ジョーイ・トロッタ
あの夏、君を忘れない
The Last Prostitute
ダニー テレビ映画
1996 MR.STITCH 悪魔の種子
Mr Stitch
ラザルス テレビ映画
1997 トレッキーズ スター・トレック万歳!
Trekkies
ドキュメンタリー
フラバー
Flubber
ベネット
1998 リンカーン暗殺の日
The Day Lincoln Was Shot
ロバート・トッド・リンカーン テレビ映画
2000 パイソン
Python
トミー テレビ映画
2002 ネメシス/S.T.X
Star Trek Nemesis
ウェスリー・クラッシャー
2003 ブック・オブ・デイズ/死を告げる書
Book of Days
ダニー テレビ映画
2003 Neverland ジョン・ダーリング
2007 Americanizing Shelley アラン・スミス 
2012 シャークネード2 カテゴリー2 Sharknado 2: The Second One 客室乗務員 カメオ出演
2014 ビデオゲーム THE MOVIE Video Games:The Movie 本人 ドキュメンタリー
2020 Rent-A-Pal アンディ

テレビシリーズ

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放映年 邦題
原題
役名 備考
1987 ファミリータイズ
Family Ties
ティモシー・ヒギンズ 1エピソード
1987-1994 新スタートレック
Star Trek: The Next Generation
ウェスリー・クラッシャー
1997 クロニクル 倒錯科学研究所
Perversions of Science
ブライアン 1エピソード
1998 Dr.マーク・スローン
Diagnosis Murder
グレイ・バートン 1エピソード
2005 CSI:科学捜査班
CSI: Crime Scene Investigation
ウォルター 1エピソード
2007 NUMBERS 天才数学者の事件ファイル
Numb3rs
マイルズ 1エピソード
2008 クリミナル・マインド FBI行動分析課
Criminal Minds
フロイド・ハンセン 1エピソード
2009-2011 The Guild Fawkes 16エピソード
2009-2019 ビッグバン★セオリー/ギークなボクらの恋愛法則
The Big Bang Theory
ウィル・ウィトン(本人役) 17エピソード
2009-2012 レバレッジ 〜詐欺師たちの流儀
Leverage
コリン・メイソン 3エピソード
2010-2012 ユーリカ
Eureka
アイザック・パリッシュ 準レギュラー
2015–2016 Dark Matter Alexander Rook 2エピソード
2016 Powers Conrad Moody 3エピソード
2017 Mystery Science Theater 3000 Drake 1エピソード
2017 Bill Nye Saves the World 本人役 1エピソード
2017 Whose Line Is It Anyway? 本人役 1エピソード
2019 Supergirl End of the World Protestor 1エピソード
2022 スタートレック:ピカード
Star Trek: Picard
ウェスリー・クラッシャー 1エピソード
2022 S.W.A.T. Evan Whitlock 1エピソード

テレビアニメ

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テレビゲーム

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脚注

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  1. ^ Genealogy”. Roots Web. Ancestry. 2009年7月15日時点のオリジナルよりアーカイブ。2010年10月14日閲覧。
  2. ^ Wil Wheaton Biography (1972–)”. Film reference. 2010年10月14日閲覧。
  3. ^ Wil Wheaton Pedigree Chart - Richard William Wheaton III - Ahnentafel No: 1 (53708)”. famouskin.com. 2017年2月14日閲覧。
  4. ^ Grace Catalano (1988). Teen Star Yearbook. PaperJacks. ISBN 978-0-7701-0937-0. https://books.google.com/books?id=bAKMkI6aXcoC 
  5. ^ Paula M. Block; Terry J. Erdmann (November 16, 2012). Star Trek: The Next Generation 365. Abrams. pp. 152–. ISBN 978-1-61312-400-0. https://books.google.com/books?id=JCbTA9wMmEAC&pg=PT152 
  6. ^ Why Big Bang Theory And Star Trek Vet Wil Wheaton Thinks Acting Is 'A Little Traumatic'”. Cinemablend (2020年11月17日). 2023年4月19日時点のオリジナルよりアーカイブ。 Template:Cite webの呼び出しエラー:引数 accessdate は必須です。
  7. ^ 'Stand by Me' Star Wil Wheaton Says Parents' Emotional Abuse Powered His Breakout Performance”. IndieWire (2021年5月22日). 2023年4月19日時点のオリジナルよりアーカイブ。 Template:Cite webの呼び出しエラー:引数 accessdate は必須です。
  8. ^ Kirk Honeycutt (1986年8月21日). “Teen actor Wheaton wants no part of trash”. Chicago Tribune. オリジナルの2022年6月29日時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20220629203544/https://www.chicagotribune.com/news/ct-xpm-1986-08-21-8603020609-story.html 
  9. ^ Donahoo, Daniel (Jul 29, 2009). “A New Secret of NIMH”. Wired. オリジナルのApr 25, 2023時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20230425080727/https://www.wired.com/2009/07/a-new-secret-of-nihm/. 
  10. ^ Book vs. Movie: Stand By Me (The Body by Stephen King)”. The Readventurer (2012年5月1日). 2018年3月9日閲覧。
  11. ^ Cormier, Roger (2015年8月6日). “16 Nostalgic Facts About Stand by Me”. Mental Floss. 2018年3月9日閲覧。
  12. ^ a b 'Stand By Me': A Love Letter To Childhood Innocence”. NPR (2011年8月6日). 2018年3月9日閲覧。
  13. ^ Star Trek: Why The Next Generation's Wesley Crusher Was So Hated”. CBR (2021年3月18日). Template:Cite webの呼び出しエラー:引数 accessdate は必須です。
  14. ^ a b Happy Birthday! Wil Wheaton Turns 44 Years Old”. Comicbook.com. Template:Cite webの呼び出しエラー:引数 accessdate は必須です。
  15. ^ Zabiegalski, Robin (2021年5月31日). “Why 'Star Trek's' Creator Loved Wesley Crusher”. Template:Cite webの呼び出しエラー:引数 accessdate は必須です。
  16. ^ Greenlee, Dana (2004年9月18日). “From Star Trek: Next Generation to Geek Blogger”. Web talk guys. 2008年12月24日時点のオリジナルよりアーカイブ。 Template:Cite webの呼び出しエラー:引数 accessdate は必須です。
  17. ^ Elvy, Craig (2021年4月29日). “Star Trek: Why Wil Wheaton (Wesley Crusher) Quit TNG”. Screenrant.com. 2022年2月14日閲覧。
  18. ^ Noah Shachtman. “Wheaton's Trek to Respectability”. WIRED. https://www.wired.com/2001/12/wheatons-trek-to-respectability/ 2022年2月14日閲覧。. 
  19. ^ Wheaton, Wil (2022年5月5日). “Welcome home, Wesley”. Template:Cite webの呼び出しエラー:引数 accessdate は必須です。
  20. ^ Rabin, Nathan (November 20, 2002), “Wil Wheaton”, The A.V. Club (interview), https://www.avclub.com/wil-wheaton-1798208240 
  21. ^ “Wil Wheaton”, Conversations with GoD, Geeks of Doom, (May 29, 2008), http://geeksofdoom.com/2008/05/29/conversations-with-god-wil-wheaton/ 2009年5月2日閲覧。 
  22. ^ Wil Wheaton (podcast), Nerdist, (Nov 2011), 8 min, オリジナルのJanuary 27, 2013時点におけるアーカイブ。, https://web.archive.org/web/20130127085852/http://www.nerdist.com/2011/02/nerdist-podcast-63-wil-wheaton/ 2012年12月18日閲覧。 
  23. ^ Wheaton, Wil (2004). Just a geek: unflinchingly honest tales of the search for life, love, and fulfillment beyond the Starship Enterprise. Sebastopol, CA: O'Reilly. p. 9. ISBN 0-596-00768-X. https://archive.org/details/justgeek0000whea/page/9 
  24. ^ Nintendo of America [@NintendoAmerica] (2015年3月5日). ".@wilw spotting! Wil Wheaton lends his talents to #CodeNameSTEAM for #3DS as the voice of the great Abe Lincoln". X(旧Twitter)より。 {{cite web}}: Cite webテンプレートでは|access-date=引数が必須です。 (説明)
  25. ^ Bullard, Benjamin (2020年1月12日). “Wil Wheaton to Host Star Trek: Picard Aftershow The Ready Room at CBS All Access”. SyFy Wire. 2020年1月13日時点のオリジナルよりアーカイブ。2020年3月14日閲覧。
  26. ^ Wil Wheaton. "Seeking Sanctuary" WilWheatonDotNet in Exile, May 15, 2006. Retrieved September 23, 2007.
  27. ^ Pascale, Anthony (2009年1月21日). “Wil Wheaton Talks Geeking Out at Phoenix Comic Con w/TNG Co-stars + more”. Trek Movie. 2009年11月25日閲覧。

外部リンク

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