イン・ア・サイレント・ウェイ
『イン・ア・サイレント・ウェイ』(In A Silent Way)は、トランペット奏者のマイルス・デイヴィスが1969年に制作・発表したアルバム。ジャズにエレクトリック楽器を持ち込み、フュージョンという新しい音楽ジャンルの先駆けとなった作品。
『イン・ア・サイレント・ウェイ』 | ||||
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マイルス・デイヴィス の スタジオ・アルバム | ||||
リリース | ||||
録音 | 1969年2月18日 ニューヨーク コロムビア・スタジオB[2] | |||
ジャンル | ジャズ、フュージョン | |||
時間 | ||||
レーベル | コロムビア・レコード | |||
プロデュース | テオ・マセロ | |||
専門評論家によるレビュー | ||||
チャート最高順位 | ||||
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マイルス・デイヴィス アルバム 年表 | ||||
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解説
編集『ネフェルティティ』(1967年)を最後に、旧来のアコースティック・ジャズからの脱皮を考えたマイルスは、『マイルス・イン・ザ・スカイ』(1968年)で、実験的にエレクトリック楽器を導入。そして、前作『キリマンジャロの娘』(1969年)から加入したチック・コリアとデイヴ・ホランド、本作でマイルスと初共演となるジョン・マクラフリンとジョー・ザヴィヌルといった新顔を迎え、より本格的にエレクトリック・ジャズ路線を押し進めた。後にウェザー・リポートを結成するウェイン・ショーターとジョー・ザヴィヌル、リターン・トゥ・フォーエヴァーを結成するチック・コリア、マハヴィシュヌ・オーケストラを結成するジョン・マクラフリンと、1970年代のフュージョン・シーンを担うプレイヤー達が一堂に会した作品と言える。
レコードのA面を占めていた「シュー/ピースフル」は、ハイ・ハットによる16ビートの繰り返しと、Dのコードだけで演奏されるベースに乗って、各メンバーが即興演奏を繰り広げていく曲。B面は、ジョー・ザヴィヌルが書いた静かな曲「イン・ア・サイレント・ウェイ」と、マイルス作の「イッツ・アバウト・ザット・タイム」のメドレー。本作の音源は、生の即興演奏をプロデューサーのテオ・マセロが編集したものであり、2001年に発売されたボックス・セット『ザ・コンプリート・イン・ア・サイレント・ウェイ・セッションズ』で、編集される前のヴァージョンが初めて公表された。
同時期にコロンビアのスタジオで録音されていたのがローラ・ニーロの『ニューヨーク・テンダベリー』であり、後に2人は同じフィルモア・イーストのステージに立った。
なお、本作は、トニー・ウィリアムス在籍時としては最後のアルバムでもある。
収録曲
編集- 「シュー/ピースフル - Shhh/Peaceful」(18:16)
- A) Shhh (マイルス・デイヴィス)(6:14)
- B) Peaceful (マイルス・デイヴィス)(5:42)
- C) Shhh (マイルス・デイヴィス)(6:20)
- 「イン・ア・サイレント・ウェイ/イッツ・アバウト・ザット・タイム - In A Silent Way/It's About That Time」(19:51)
- A) In A Silent Way (ジョー・ザヴィヌル)(4:10)
- B) It's About That Time (マイルス・デイヴィス)(11:27)
- C) In A Silent Way (ジョー・ザヴィヌル)(4:15)
演奏メンバー
編集- マイルス・デイヴィス - トランペット
- ウェイン・ショーター - ソプラノ・サックス
- ハービー・ハンコック - エレクトリックピアノ
- チック・コリア - エレクトリックピアノ
- ジョー・ザヴィヌル - オルガン
- ジョン・マクラフリン - エレクトリックギター
- デイヴ・ホランド - ベース
- トニー・ウィリアムス - ドラム
脚注
編集- ^ In A Silent Way | Miles Davis Official Site
- ^ “MIles Davis Discography”. Jazz Discography Project. 2024年5月28日閲覧。
- ^ “Miles Davis - Chart History - Billboard 200”. 2024年5月28日閲覧。
外部リンク
編集- In A Silent Way - Discogs (発売一覧)