インジョコギ
北朝鮮の肉の代用食材
インジョコギ(英:Injo-gogi/朝:인조고기)とは、朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)で1990年代より食されている大豆粕を加工して作られた代替肉の一種。人造肉とも呼ばれる。
概要
編集本来豚の飼料とされる大豆油の搾りかすを平たく伸ばし、帯状に成型したものである[1]。ソビエト連邦の崩壊後、北朝鮮では苦難の行軍と呼ばれる非常に厳しい食糧事情が続いた。その時期に肉の代用品として作られたのがインジョコギである[1][2]。食糧事情が改善した近年では搾りかすではなく大豆を用いて作られることが多く、こちらの方が味が良いと言われている[3]。巻かれた状態で店に並んでおり、ケーブルのように切り売りされている[4]。乾物の一種であるため水やお湯で戻してから料理に使う[5]。インジョコギは市場で簡単に手に入ることから肉を手に入れることの難しい庶民の貴重なタンパク源として食卓によく並ぶ定番食材である[1][5]。油で炒める調理法なども存在するが一番メジャーな料理は中に米を詰めたインジョコギバップと呼ばれる料理である[5][6]。平壌に駐在経験のある英国大使は北朝鮮で懐かしく感じるものとしてインジョコギと緑豆チヂミを挙げている[7]。
脚注
編集出典
編集- ^ a b c “北朝鮮で食べられている「人造肉」とは何物か”. 東洋経済オンライン (2017年11月9日). 2025年1月29日閲覧。
- ^ “飢える北朝鮮の市場に並ぶ「人造肉飯」(高英起) - エキスパート”. Yahoo!ニュース. 2025年1月29日閲覧。
- ^ “북한 '눈물의 인조고기밥'을 아십니까” (朝鮮語). 오마이뉴스 (2019年2月1日). 2025年1月29日閲覧。
- ^ 石丸次郎 (2017年6月5日). “<写真報告>意外と多様な北朝鮮庶民の食事 (2) 人造肉ってなんだ? 一番人気の大衆食の正体とは(写真4枚)”. アジアプレス・ネットワーク. 2025年1月29日閲覧。
- ^ a b c 日本放送協会. “北朝鮮の「人造肉」? 脱北者たち懐かしの「庶民の味」とは | NHK”. NHK NEWS WEB. 2025年1月29日閲覧。
- ^ “북한의 인기 식품 ‘인조고기’” (朝鮮語). ラジオ・フリー・アジア. 2025年1月30日閲覧。
- ^ “「平壌人造肉」懐かしむ駐韓英国大使「チャールズ3世、韓国に関心多い」(2)”. 中央日報 - 韓国の最新ニュースを日本語でサービスします. 2025年1月29日閲覧。