イギリス鉄道803形電車
803形(Class 803)は日立製作所が製造するイギリスの高速列車用電車である。2021年に新たに運行を開始したイースト・コースト本線のオープンアクセス事業者ルモによって5両編成5本が運行されている[1]。A-trainファミリーのうちAT-300シリーズに属する。
イギリス鉄道803形電車 | |
---|---|
基本情報 | |
製造所 |
日立製作所笠戸事業所 日立製作所ニュートン・エイクリフ工場 |
製造数 | 5本 |
運用開始 | 2021年 |
投入先 | イースト・コースト本線(ルモ) |
主要諸元 | |
編成 | 5両 |
軌間 | 1435mm(標準軌) |
電気方式 | 交流25000V 50Hz 架線集電 |
沿革
編集ロンドンとスコットランドを結ぶイースト・コースト本線においてオープンアクセス事業者に運行枠を与えるとした鉄道道路庁(英語版)の発表を受け、ファーストグループは2015年にオープンアクセス列車の運行計画を提出した。既存の交通手段に対抗するためにすべての車両を普通車とし、ロンドン~エディンバラ間を運賃約25ポンドで結ぶとした。この計画は2016年5月に承認され、2021年5月に運行を開始することとなった[2]。
2019年3月にファーストグループは日立製作所にA-trainファミリーの新型車両5両編成5本を発注したと発表した。これらはイースト・コースト本線のフランチャイズ事業者であるロンドン・ノース・イースタン・レールウェイによって運行されている801形に似たAT-300シリーズの電車であるが、電車でありながら非常用に発電機を編成あたり1台搭載した801形[3]と異なりディーゼルエンジンは搭載しない。このため、停電時に走行することはできないが、車内設備が維持できるよう蓄電池を搭載している[4]。2019年11月にはこの新型車両の形式が803形となることが発表された[5]。
2021年10月25日、ルモの営業開始と同時に803形が営業運転を開始した。
編成
編集編成中の全車両が普通車である。
形式 | 運行事業者 | 編成両数 | 製造本数 | 登場 | 編成番号 |
---|---|---|---|---|---|
803形 | イースト・コースト・トレインズ | 5両 | 5本 | 2021年 | 803001~005 |
関連項目
編集- その他イギリス向けA-train
- 385形電車(AT200)
- 395形電車(AT300)
- 800形バイモード車(AT300)
- 801形電車(AT300)
- 802形バイモード車(AT300)
- 810形バイモード車(AT300)
脚注
編集- ^ “First orders AT300s for ECML open access operation” (英語). www.railmagazine.com. 2019年12月27日閲覧。
- ^ “Budget East Coast Train Service Is Approved”. Sky News (12 May 2016). 3 December 2019閲覧。
- ^ “Development of Class 800/801 High-speed Rolling Stock for UK Intercity Express Programme”. 2020年7月15日閲覧。
- ^ Clinnick (22 March 2019). “First orders AT300s for ECML open access operation”. Rail. 3 December 2019閲覧。
- ^ “Enter Classes 803 and 804”. Today's Railways UK (Platform 5): 65. (December 2019).