イェシル川(イェシルがわ)またはイェシルウルマクイェシルルマク (トルコ語: Yeşilırmak, 直訳: 緑の川)は、トルコアナトリア半島北部の河川。古代ではイリス川 (イリスがわ、古代ギリシア語: Ἶρις)と呼ばれていた。スィヴァスの北東に源流があり、トカットアマスィヤを経由する。ポントス山脈チャルシャンバ平野を貫き、サムスンの東で黒海に至る。全長418 km (260 mi)。

イェシル川
アマスィヤ付近のイェシル川
所在
トルコ
特性
水源  
 • 所在地 スィヴァス付近
河口・合流先  
 • 所在地
黒海
 • 座標
北緯41度22分54秒 東経36度39分37秒 / 北緯41.3816度 東経36.6603度 / 41.3816; 36.6603座標: 北緯41度22分54秒 東経36度39分37秒 / 北緯41.3816度 東経36.6603度 / 41.3816; 36.6603
 • 標高
0 m (0 ft)
延長 418 km (260 mi)
流域

支流にチェケレク川英語版 (古代のスキュラクス川)やケルキト川英語版 (同リュクス川)がある。

歴史

編集

紀元前1世紀に、ペルガモンのメニッポスがイェシルルマク(イリス川)に言及している[1][2]

ストラボンの『地理誌』によれば、イリス川はダズィモンティス(カショヴァ)平野の町コマナ・ポンティキ英語版(北緯40度17分41秒 東経36度17分48秒 / 北緯40.2947808度 東経36.296736度 / 40.2947808; 36.296736)やガズィウラ英語版(おそらく現在のトゥルハル英語版)を通り[3]スキュラクス川英語版と合流 (北緯40度33分42秒 東経35度45分34秒 / 北緯40.5615797度 東経35.7595217度 / 40.5615797; 35.7595217)した後、アマセイア(現アマスィヤ)を通ってファナロイア英語版峡谷にいたるとされている[4]

アレクサンドリアのディオニュシオス英語版以降、イリス川はたびたび40キロメートル東方に河口を持つテルモドン川(テルメ川)と混同されることが多い。テルモドン川も同様にテミスキュラ平野(チャルシャンバ平野)を通る川であるが、イリス川よりはるかに小さく澄んだ川である[5]

脚注

編集
  1. ^ Serena Bianchetti, Michele Cataudella, Hans-Joachim Gehrke, [Brill's Companion to Ancient Geography: The Inhabited World in Greek and Roman Tradition (BRILL, 4 Dec 2015) p 263.
  2. ^ Georgia L. IrbyGeorgia L. Irby, A Companion to Science, Technology, and Medicine in Ancient Greece and Rome, 2 Volume Set (John Wiley & Sons, 2016) p 865.
  3. ^ Phytoplankton and seasonal variations of the River Yeşilırmak, Amasya, Turkey (9 May 2003)
  4. ^ Strabo 12:3:15 at Perseus
  5. ^ Tønnes Bekker-Nielsen, Marit Jensen, "Two Pontic Rivers", Cedrus: The Journal of MCRI 3:231-2142 (2015), doi:10.13113/CEDRUS.2015011411