アンドレ・ノートン賞
アンドレ・ノートン賞(アンドレ・ノートンしょう、Andre Norton Nebula Award for Middle Grade and Young Adult Fiction〈旧称: Andre Norton Award for Young Adult Science Fiction and Fantasy〉)は、アメリカSFファンタジー作家協会 (SFWA) が主催し、前暦年に刊行されたヤングアダルトおよびミドルグレード向けのSF(スペキュレイティブ・フィクション)・ファンタジー作品を対象にする文学賞。
アンドレ・ノートン賞 Andre Norton Nebula Award for Middle Grade and Young Adult Fiction | |
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受賞対象 | 前暦年でもっとも優れたヤングアダルトSF・ファンタジー作品 |
国 | アメリカ合衆国 |
主催 | アメリカSFファンタジー作家協会 |
初回 | 2006年 |
公式サイト | www |
賞名は著名なヤングアダルト向けSF・ファンタジー作家であるアンドレ・ノートン(1912年 - 2005年)を記念しており、彼女が死去した2005年に創設が発表された[1][2]。
前暦年に刊行されたあらゆるヤングアダルト・ミドルグレード向けのSFやファンタジー作品を対象としており、グラフィックノベルも含まれる。ワード数の規定はない。
ネビュラ賞と同じ規定に基づいてSFWA会員の投票によって候補作・受賞作が決定し、授賞式もネビュラ賞セレモニーの一環として行われる(同じ作品がアンドレ・ノートン賞とネビュラ賞の両方に同時ノミネートされることもありうる)[3][4]。当初はネビュラ賞の一部ではなかったが、2019年にネビュラ賞の一カテゴリーとなった[5][6][7]。
2009年度以降の規定では、アンドレ・ノートン賞の候補作・受賞作はSFWAの会員による投票で選ばれるが、SFWA会員以外の著作も対象となる。毎年11月15日から翌2月15日までに行われる予備投票で、得票数の多い順に6作が最終候補作となる(6位同票数の作品はすべて候補となる)。本投票は3月に行われ、5月に開催されるネビュラ賞セレモニーで受賞作が発表・授与される。会員は自作に投票することを禁じられている。候補を辞退することはできる。本投票の結果が同数となった場合、予備投票での得票数の多かった方が受賞作となる[4]。
受賞作
編集本賞の年度表記は授賞年度を基準とする。すなわち、2009年度以降は前暦年の刊行作品、2008年度以前は前暦年および前々暦年の刊行作品が対象となっている。
受賞年度 | 邦題 | 原題 | 作者 |
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2006年 | Valiant | ホリー・ブラック | |
2007年 | あたしと魔女の扉[※ 1] | Magic or Madness | ジャスティーン・ラーバレスティア |
2008年 | ハリー・ポッターと死の秘宝 | Harry Potter and the Deathly Hallows | J・K・ローリング |
2009年 | ほんとうのフローラ[※ 2] | Flora's Dare | イザボー・S・ウィルス |
2010年 | 宝石の筏で妖精国を旅した少女[※ 3] | The Girl Who Circumnavigated Fairyland in a Ship of Her Own Making | キャサリン・M・ヴァレンテ |
2011年 | I Shall Wear Midnight | テリー・プラチェット | |
2012年 | The Freedom Maze | デリア・シャーマン | |
2013年 | Fair Coin | E・C・マイアーズ | |
2014年 | Sister Mine | ナロ・ホプキンスン | |
2015年 | Love Is the Drug | アラヤ・ドーン・ジョンソン | |
2016年 | Updraft | フラン・ワイルド | |
2017年 | Arabella of Mars | デイヴィッド・D・レヴァイン | |
2018年 | The Art of Starving | サム・J・ミラー | |
2019年 | オリシャ戦記 血と骨の子[※ 4] | Children of Blood and Bone | トミ・アデイェミ |
2020年 | Riverland | フラン・ワイルド | |
2021年[8] | パン焼き魔法のモーナ、街を救う | A Wizard’s Guide to Defensive Baking | T・キングフィッシャー |
2022年 | A Snake Falls to Earth | ダーシー・リトル・バジャー | |
2023年[9] | Ruby Finley vs. the Interstellar Invasion | K・テンペスト・ブラッドフォード |
注釈
編集脚注
編集- ^ “New Andre Norton Award for young adult fiction”. SF/F & Publishing News. Science Fiction and Fantasy Writers of America (2005年2月20日). 2015年2月20日時点のオリジナルよりアーカイブ。2014年5月8日閲覧。
- ^ Sherman, Josepha (2007-03-06). Resnick, Mike. ed. Nebula Awards Showcase 2007. Roc Trade. p. 7. ISBN 978-0451461346. "However, the idea of an award did take hold, especially one that would honor both the best science fiction or fantasy young adult novel and the memory of Andre Norton."
- ^ “The Andre Norton Award”. Science Fiction and Fantasy Writers of America. 2015年9月16日閲覧。
- ^ a b “Nebula Rules”. Science Fiction and Fantasy Writers of America (October 2011). 2011年7月1日時点のオリジナルよりアーカイブ。2011年12月12日閲覧。
- ^ Fictions, © 2021 Science. “Nebula Awards® Nominees and Winners: Andre Norton Nebula Award for Middle Grade and Young Adult Fiction Nebula Awards®” (英語). The Nebula Awards®. 2023年3月13日閲覧。
- ^ Fictions, © 2021 Science. “Nebula Rules” (英語). The Nebula Awards®. 2023年3月13日閲覧。
- ^ Levine, David D. (2019年4月10日). “I am now officially a Nebula Award winner!” (英語). David D. Levine. 2023年3月13日閲覧。
- ^ locusmag (2021年6月6日). “2020 Nebula Awards Winners” (英語). Locus Online. 2021年6月10日閲覧。
- ^ “2022 Nebula Awards Winners” (英語). Locus Online (2023年5月15日). 2023年5月15日閲覧。
外部リンク
編集- “The Science Fiction Awards Database: Andre Norton Award”. Mark R. Kelly and the Locus Science Fiction Foundation (2015年6月15日). 2016年2月13日閲覧。