アンシェヌマン (バレエ)
バレエ用語で複数のパを組み合わせた一連の動き
アンシェヌマン(仏:enchaînement)は、バレエにおいて2種類以上のパを組み合わせた一連の動きを指す用語である[1][2][3][4]。1つの舞踊は多くのアンシェヌマンから成り立ち、アンシェヌマンの構成には振付家や指導者のセンスが反映される[4][5]。
定義
編集アンシェヌマンはフランス語のアンシェネ(enchaîner、鎖でつなぐ、脈絡をつける)という動詞の名詞形で、連鎖、つながり、関係などを意味する単語である[1][2][4][6]。バレエにおいては動きの最小単位であるパを組み合わせて一連の動きにまとめたもので、文章で言えば単語にあたるパを組み合わせて1つのセンテンスに仕上げたものである[4][5]。
個々のパのみでは単調な運動に過ぎないものが、数種類を組み合わせてアンシェヌマンになると多彩な動きのめりはり、音楽性などが伴ってきて舞踊に近づく[4][7]。とりわけクラシック・バレエの場合にはパの役割に厳格な規則性(跳ぶパなど主役になるパと脇役になるつなぎのパ)があってでたらめに組み合わせることができない[4]。一定のパの後には特定の種に属するパが続くなど、パとパの間には関連が成り立っていて、1つのパの後に無理なく次のパに入れるように考慮された上で構成される[4]。
1つの舞踊は、多くのアンシェヌマンの連続から成り立つ[5]。アンシェヌマンを構成するパの連結の仕方には振付家や指導者のセンスが反映され、舞踊作品の多様な表現が生み出される[4]。
脚注
編集参考文献
編集- 川路明編著 『バレエ用語辞典』 東京堂出版、1980年。
- 川路明 『バレエ入門 バレリーナの手紙』 土屋書店、1994年。ISBN 4-8069-0168-7
- Croisé編、小山久美監修 『バレエ用語集』 新書館、2009年。ISBN 978-4-403-33026-1
外部リンク
編集- “バレエ用語”. Yoshida Keiko Ballet School. 2015年5月24日閲覧。
- 森久香, 野池賢二, 乾伸雄, 野瀬隆, 小谷善行, 西村恕彦. “クラシックバレエにおけるアンシェヌマンの自動生成モデル”. 東京農工大学 工学部 電子情報工学科. 2015年5月24日閲覧。
- “五感を使う!!”. Asami Maki Ballet Hot Line (2014年1月23日). 2015年5月25日閲覧。