アレグリア
このページ名「アレグリア」は暫定的なものです。(2018年3月) |
アレグリア(Alegría)はシルク・ドゥ・ソレイユの移動公演の演目のひとつ。フランコ・ドラゴーヌ監督、ジル・サンクロワ芸術監督で1994年4月21日に初演、2013年12月29日にベルギー・アントワープで一度最終公演を迎えた。20年間で5,000回以上上演され、世界65都市以上、1000万人以上を動員した[1]。その後2019年より初演25周年を記念してコンセプトやアクロバット、舞台演出や衣装などを刷新した『アレグリア-新たなる光-』の移動公演を開始した。
『アレグリア』は大テントでのツアー公演から始まった。しかし2009年から2010年の北米ツアーからアリーナ・ツアーへと変わり、大テントでの公演が不可能だった都市での公演も可能になった。1999年5月から2000年10月、MGMのボー・リヴァージュカジノで常設公演を行ったこともある。
『アレグリア』はスペイン語で、英語では『joy』、日本語では『喜び』『歓喜』といった意味になる。シルク・ドゥ・ソレイユのパンフレットによると『パワーへの努力と若さのエネルギーの爽快さをオペラで表現』している。レネ・デュペレの、フランス、スペイン、アフリカ、地中海などから影響され個性的にブレンドされたニューエイジな音楽が流れ、ドミニク・ルミューがデザインしたバーレスクのデカダンスな美学を表現する衣裳と装飾で表現される。舞台や小道具はゴシック建築や大胆で直線的なデザインが特徴とされる。
日本では1996年に下記の大テント公演(ビッグトップ)が行われ全260回公演され67万人動員、2004年から2005年に下記の大テント公演(新ビッグトップ)が行われ全466回公演され114万人動員された[2]。また、2023年2月から東京・お台場ビックトップにて「ダイハツ アレグリア -新たなる光-」が公演されている[3]。
舞台美術
編集『アレグリア』の舞台は立体的な柱と手すりのある大きなドームが上にある。このドームは教会や政府の建物を模し、印象的な感覚、パワフルな構造を表している。舞台には螺旋状のランプが両側にあり『未知』を表現している。舞台の床は4つの要素で生きているサンショウウオの頭を表現している。17世紀のボールルーム様式の照明デザインがノスタルジックな雰囲気を醸し出している。秋色の色彩がショーにぼんやりとした明るさを作り出している。
登場人物
編集オールド・オーダーとニュー・オーダー双方の登場人物を含む。[4]
- Fleur: 自分を王様だと思い込んでいる、予測不可能で危険で無鉄砲な人物。『アレグリア』の世界への案内人。
- Nostalgic Old Birds: 宮殿が建った時からそこに住んでいる。鏡のないフレームからの反射に喜び、空っぽの殻で覆われた鑑定人である。
- Tamir and Little Tamir: 必要とされた時に現れ、任務を終えると消える。
- Nymphs: 活力を与えてくれ、それぞれが生きがいとなっている。
- Bronx: 若くタフな次世代の人物。パワー・トラック、エアリアル・ハイ・バーを演じる。
- White angels: 未来の若者であるガーディアン。ロシアン・バーを演じる。
- White singer: 曲を反響するストーリーテラーの歌手の一人で彼女の視点で語られている。
- Black singer: 歌手の一人。彼女の心の中に多くの邪悪な秘密を隠している。
- Clowns: このショーの評論家的人物。
演目
編集演目は変更されることがあるが『エネルギー、優雅さ、若さの力へのバーレスクの頌歌』というテーマは変わらない。
- シンクロトラピス: 2人による2つの空中ブランコでのアクロバティックな演技。
- パワー・トラック: X型のトランポリンで跳躍や回転をするアクロバティックな集団演技。
- ハンドバランシング: 杖の上で逆立ちなどをする演技。
- ファイアナイフ・ダンス: 火の付いたナイフを使ってダンスをする演技。
- マニピュレーション: マリア・シラエヴァによる演技。元々はエレナ・レブによるフラフープの演技だったが、現在はリボンなど他の小道具も使われている。
- フライングマン: バンジー・コードを使った跳躍や飛躍の演技。
- ロシアンバー: ロシアン・バー(しなりのある細い板)を使用したアクロバティックな演技。
- コントーション: 2人による弾力性とバランスに富んだ優雅でしなやかな形や動きの演技。
- エアリアル・ハイ・バー: 舞台上部の高い装置を使った跳躍や回転のアクロバティックな集団演技。
ローテーションの演目
編集- シール・ホイール: シール・ホイールの中での回転などの演技。
- ジャグリング: ボールのジャグリングの演技。
終了した演目
編集- タイトワイヤー
- ショルダー・ポール・ワイヤー
- ストロングマン
- スラック・ワイヤー
- エアリアル・キューブ:
衣裳
編集『アレグリア』の衣裳は旧作と新作で違う。旧作の衣裳は羽毛やレースなどの装飾品で微細に渡り飾られ、ニューヨークの黄金時代をイメージしている。新作の衣裳は未来の若者など、薄く軟らかい素材を利用し多彩な同系色で若者の活力を表現している。靴、カツラ、帽子などを含む400以上の衣裳小物がある。衣裳完成時間の例としてはオールド・バードの衣裳では200時間を要した。
- Fleur: オールド・オーダーの登場人物Fleurは赤いベルベットのジャケットと宝石で彩られたベストが印象的である。
- Singer in White: オールド・オーダーの登場人物The Singer in Whiteはクロノリンを使用し、宝石で縁取られたフープスカートを着用している。
音楽
編集『アレグリア』の高評価な音楽は、これまでのシルク・ドゥ・ソレイユの『ヌーベル・エクスペリエンス』『サルティンバンコ』『ミスティア』などの作品に多くの作曲をしてきたレネ・デュペレの作曲である。
1994年9月27日、スタジオ・アルバムとして発売され、世界中で50万枚以上を売り上げてシルク・ドゥ・ソレイユの現在までのアルバムの最高売り上げを記録している。このアルバムは1995年のグラミー賞やフィリックス賞などにノミネートされ、ロビー・フィンケルとレネ・デュペレが年間プロデューサー賞を、ロブ・ヒーニーが年間サウンド・ミキサー賞を受賞した。また『アレグリア』はビルボード・ワールド・ミュージック・チャートに65週ランクインした。
このアルバムのリード・ボーカルはオペラを習得したフランス系カナダ人のフランチェスカ・ガニオンである。彼女は『アレグリア』のDVDでThe White Singer(メイン・ボーカリスト)として、同じくフランス系カナダ人のエバ・モンプチ演じるThe Black Singerと共演している。
サウンドトラックはいくつかのバージョンがある。2001年の『アレグリア』のシドニー公演のライブ録音の『Cerceaux』『Malioumba』(どちらもフランチェスカ・ガニオンのメイン・ボーカルによる)の2曲を含むサウンドトラックがシルク・ドゥ・ソレイユ・ミュージック社により2002年に再発売された。1995年、公演の出演者とスタッフ向けにフェアファックスでのライブ・アルバムが作られた。この特別版は公演での全ての曲が収録されており、コレクターズ・アイテムとなっている。
1994年発売のオリジナル盤と2曲の追加を含む2002年盤を共に記す。
- Alegría (フィナーレ)
- Vai Vedrai (シンクロトラピス)
- Kalandéro
- Shoulder pole wire (1994年~1995年)
- Tightrope (1996年、2001年)
- Juggling (2002年~2004年、2006年前半)
- Slackwire (2004年~2005年)
- Querer (ハイ・バーのセットアップ)
- Irna (パワー・トラック)
- Taruka (コントーション)
- Jeux d'enfants (幕間)
- Mirko (オープニング)
- Icare (ハイ・バー)
- Ibis
- Aerial Cube (1994年~1996年、1997年~1999年、2004年~2008年)
- Flying Man (1996年~1997年、2003年~2004年)
- Valsapena (パワー・トラック)
- Nocturne (スノーストーム)
- Cerceaux (マニピュレーション)
- Malioumba (フライングマン)
映像
編集『アレグリア ザ・ムービー』
編集1999年、ルディ・バリチェロ脚本、フランコ・ドラゴーヌ監督で製作された。ツアー公演のパフォーマーやミュージシャンと共にフランク・ランジェラ、マコ岩松、ジュリー・コックスが出演し、ウーピー・ゴールドバーグがゲスト出演した(多くが2001年盤のDVDにも登場する)。この映像はライブをただ抜粋したものではなく、物語風に語られる。(2000年11月3日、日本発売)
『アレグリア』
編集2001年6月にオーストラリアのシドニーで撮影されDVDとして発売された。ニック・モリス監督およびプロデュース。14台のカメラと特別な映像技術を駆使しパフォーマンスの中心からの視点などがある。
ツアー
編集『アレグリア』のツアーの歴史は1994年に始まった。大テント劇場に始まり、現在はスタジアム・アリーナの上演となっている。1999年から2000年の間はミシシッピ州ビロクシのボー・リヴァージュで常設公演を行った。 カラーボックスは以下のように示す : EU ヨーロッパ NA 北米 SA 中南米 AP アジア太平洋 OC オセアニア
アリーナ・ツアー編集2009年編集 NA ノバスコシア州ヘアファックス - 2009年5月27日~2009年6月7日 2010年編集 NA ケベック州ケベック - 2010年1月5日~2010年1月10日 2011年編集 NA ルイジアナ州バトンルージュ - 2011年1月5日~2011年1月9日 2012年編集 EU フランス トゥールーズ - Coming soon |
大テント公演編集1994年編集 NA ケベック州モントリオール - 1994年4月21日~1994年5月29日 (初回公演) 1995年編集 NA カリフォルニア州コスタメサ - 1995年1月24日~1995年3月12日 1996年編集 AP 東京 - 1996年3月22日~1996年9月15日 1997年編集 AP シンガポール - 1997年1月1日~ 1998年編集 EU イギリス ロンドン - 1998年1月7日~1998年2月8日 1999年~2000年編集 EU イギリス ロンドン - 1999年1月5日~1999年2月7日 2001年編集 OC ニュージーランド オークランド - 2001年1月10日~2001年2月18日 2002年編集 AP シンガポール - 2002年2月28日~2002年4月7日 2003年編集 NA テキサス州ダラス - 2003年1月23日~2003年2月23日 2004年編集 NA フロリダ州マイアミ - 2004年1月9日~2004年2月8日 2005年編集 AP 福岡 - 2005年2月9日~2005年4月3日 2006年編集 EU イギリス ロンドン - 2006年1月5日~2006年2月12日 2007年編集 EU イギリス ロンドン - 2007年1月5日~2007年2月11日 2008年編集 SA ブラジル サンパウロ - 2008年2月7日~2008年5月4日 2009年編集 AP 台湾 台北市 - 2009年1月14日~2009年2月22日
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脚注
編集- ^ “Cirque du Soleil - Press Room - Arena Shows - Alegría - About the show”. www.cirquedusoleil.com. 2009年10月29日閲覧。
- ^ DAIHATSU DRALiON CURQUE DU SOLEIL Japan Tour Official Program
- ^ 日本公演 <オフィシャルサイト>, ダイハツ アレグリア-新たなる光-. “ダイハツ アレグリア-新たなる光- 日本公演 <オフィシャルサイト>”. www.alegria-jp.com. 2022年8月16日閲覧。
- ^ “Alegría: Characters”. Cirque du Soleil (Press Kit). 2011年2月15日閲覧。