アルファバス
アルファバス(Alphabus)は、大型の静止軌道通信衛星用の衛星バスである。
アルファバス Alphabus | |
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2013年にル・ブルジェの航空ショーで展示された実物大のモックアップ | |
所属 | タレス・アレーニア・スペース 及びアストリウム・サテライト |
任務 | 静止軌道上通信衛星のプラットフォーム |
打上げ機 | 全ての型の商用打上げ機 |
任務期間 | 最大15年 |
質量 | 6550 kg |
消費電力 | 最大22 kW |
アルファバスは、フランスのタレス・アレーニア・スペース[1]とアストリウム・サテライトが、フランス国立宇宙研究センターと欧州宇宙機関の支援を得て共同開発した。
アルファバスのプラットフォームは、ペイロードへ供給する電力が12-18 kWとなる通信衛星を対象に設計されている。アルファバスを利用した衛星は、打上げ時の質量が6から8トンであり、タレス・アレーニア・スペース社の最も強力な衛星バスであるスペースバス4000 (Spacebus 4000)の5.9トンより35%大きくなり[2]、同様にアストリウム社(現在にAirbus Defence and Space社)のEUROSTAR 3000バスよりも大きくなる。
様々なミッションを最適に実行するため、このプラットフォームに基づく衛星には、電気推進装置や供給電力の強化(太陽電池アレイ、ラジエータの増強)等、いくつかのオプションを付けることができる。またこのプラットフォームには、最大190個の高出力トランスポンダと、大きなアンテナを取り付けることができ、またより規模を拡大する余地を持つ(最大で出力22kW、打上げ時質量9トン(ペイロードへの割り当て質量を仕様値の1,200kgから最大1,400kgまで増強)への対応が可能)[3]。
人工衛星
編集欧州の2つの大きな人工衛星業者による新しい人工衛星の開発は、既存の衛星バスであるスペースバスとユーロスターからの教訓を考慮に入れて行われた。
アルファサット(インマルサット4A F4)
編集インマルサットは、アストリウム・サテライトとの間で、このプラットフォームを最初に使う契約を結んだ[4]。この衛星は、アルファサット(インマルサット4A F4)と名付けられ、ヨーロッパ、アジア、アフリカ、中東で、新しい世代のモバイル通信を支えるBroadband Global Area Network (BGAN)を提供した。アルファサットは、一部、欧州宇宙機関とイギリスの地域開発公社からの資金を受けていた[5]。
アルファバスの初めての移動
編集新しいアルファバスの最初のサービスモジュールは、2010年1月末にフランスのカンヌからトゥールーズまで初めての移動を行った。3日間の移動は、衛星を運ぶ長さ20mの大型トラックと何台かの護衛車と、都市部の道路を封鎖するための警察車からなる車列で行われた[6]。
打上げ
編集アルファサット(インマルサット4A F4)は、2013年7月25日にフランス領ギアナから打ち上げられ[7]、8月初旬までには静止軌道に達し、太陽電池アレイと主反射鏡の展開に成功した[8]。
出典
編集- ^ “Alphabus development well under way”. Thales Alenia Space (2007年11月23日). 2014年4月8日閲覧。
- ^ [1]
- ^ “AlphaBus: An Extended European Capability”. ESA (03 Jul 2009). 2013年8月12日閲覧。
- ^ Alphasat I-XL satellite contract, on Astrium web site
- ^ “Cutting edge telecoms sat launches”. BBC. 2013年7月29日閲覧。
- ^ “First journey for Alphabus”. ESA. (2010年2月3日)
- ^ Ariane-5 delivers successfully Alphasat I-4A F4 and INSAT 3D satellites
- ^ “Alphasat deploys its giant reflector in orvit”. ESA (2013年8月5日). 2013年8月7日閲覧。