アルコ センチュリー855形ディーゼル機関車
アルコ センチュリー855(C855)は、1964年6月にアルコ(Alco)が製造した8動軸の電気式ディーゼル機関車である。ディーゼルエンジンと発電機のセットを2組搭載し、出力は5,500馬力(4,100kW)に達した。車軸配置は、2軸台車を前後に2組ずつ配置したB+B-B+Bである。
アルコ センチュリー855 | |
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基本情報 | |
製造所 | アルコ |
製造年 | 1964年6月 |
製造数 | Aユニット2両・Bユニット1両 |
主要諸元 | |
軸配置 | B+B-B+B |
軌間 | 1,435 mm |
長さ | 26.213 m |
幅 | 250.11トン |
燃料搭載量 | 5,000リットル |
動力伝達方式 | 電気式 |
機関 | Alco 251C型 |
機関出力 | 2,750馬力 (2,050 kW) × 2基 |
出力 | 5,500馬力 (4,100 kW) |
引張力 | 62,142 kg |
解説
編集本形式は、ユニオン・パシフィック鉄道(UP)がガスタービン機関車を置き換えるために各社に製造させた、エンジンを2基搭載した大馬力機関車のひとつである。設計のコンセプトは、センチュリー・シリーズであり、アルコの251C型エンジンと交流発電機と整流器との組み合わせを2組搭載した。同時期に製造されたゼネラル・エレクトリックのU50、GM-EMDのDD35に比べ、出力において500馬力優位にあった。
車体前後に2つずつある2軸台車は、それぞれ2つを1組として台車中心部がスパン・ボルスターと呼ばれる梁で連結されており、そのスパン・ボルスターの中心部が車体と接続することで、擬似的なボギー構造となっていた。
台枠は魚腹型であり、魚腹部分が燃料タンクとなっている。ランボード外側に、台車に向かって垂れ下がって装架されている箱は、砂箱である。通常はフード内に置かれるが、本形式ではフード内にスペースがなかったために押し出された格好になっている。
製造されたのは、運転台のあるAユニットが2両、運転台のないBユニットが1両の計3両のみで、他社の機関車のように量産されることはなかった。1972年2月に解体された。
参考文献
編集- Marre, Louis A. (1995). Diesel Locomotives: The First 50 Years. Kalmbach. ISBN 0890242585