アリュティーク語
言語
アリュティーク語(アリュティークご、英: Alutiiq language)は、アラスカ西部と南西部で話されているユピック語の一つ。中央アラスカ・ユピック語とは別の言語と見なされている。
Alutiiq Pacific Gulf Yupik | |
---|---|
Sugt’stun, Alutiit’stun | |
話される国 | アメリカ合衆国 |
地域 | アラスカ州沿岸地域 (アラスカ半島からプリンス・ウィリアム湾) |
民族 | アリュティーク人 |
話者数 | 200人(2010年)[1] |
言語系統 |
エスキモー・アレウト語族
|
表記体系 | ラテン文字 |
公的地位 | |
公用語 | アラスカ州[2] |
統制機関 | 統制なし |
言語コード | |
ISO 639-3 |
ems |
Glottolog |
paci1278 [3] |
以下の2つの主要な方言がある;
4,000人以上[4]いるアリュティーク人のうちアリュティーク語を話すのは200人しかいない。しかし現在、アリュティーク人のコミュニティではアリュティーク語を再び使用する運動がある。2010年、コディアックの高校では、生徒からの要請に応え、アリュティーク語を教えることとなった。コディアック方言の話者は約50人しかおらず、全員が高齢者であり、方言が完全に失われる危険があった[5]。
音韻
編集子音
編集唇音 | 歯茎音 | 硬口蓋音 | 軟口蓋音 | 口蓋垂音 | ||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
常音 | 唇音化 | 常音 | 唇音化 | |||||
鼻音 | 無声 | m̥ | n̥ | ŋ̊ | ||||
有声 | m | n | ŋ | |||||
閉鎖音/破擦音 | p | t | t͡ʃ | k | [kʷ] | q | ||
摩擦音 | 無声 | f | s | x | [xʷ] | χ | [χʷ][注釈 1] | |
有声 | ɣ | [ɣʷ] | ʁ | [ʁʷ] | ||||
側面音 | ɬ | |||||||
接近音 | l | j | w[注釈 2] |
子音は二重音になる場合があり、重複子音になるこもある( 例:kk[kː])。その他/ɾ~r, lʲ, rʲ/ などの子音は借用語にのみ見られる。
母音
編集前舌 | 中舌 | 後舌 | |
---|---|---|---|
狭母音 | i | u | |
中央母音 | ə | ||
広母音 | a |
/ə/を除くすべての母音は、母音の長さで区別される完全母音である。/ə/は長音化や母音連結することはないが、他の子音の隣では//ə̥/として無声化される傾向にある[6]。
脚注
編集- ^ Alutiiq at Ethnologue (19th ed., 2016)
- ^ “Alaska OKs Bill Making Native Languages Official”. NPR.org. 2021年5月閲覧。
- ^ Hammarström, Harald; Forkel, Robert; Haspelmath, Martin et al., eds (2016). “Pacific Gulf Yupik”. Glottolog 2.7. Jena: Max Planck Institute for the Science of Human History
- ^ "Alutiiq / Suqpiaq Nation", Alutiiq Museum
- ^ Kodiak High School Adding Alutiiq Language Class Jacob Resnick KMXT/Alaska Public Radio Network 12-17-2010
- ^ Leer, Jeff (1985). Prosody in Alutiiq. Yupik Eskimo Prosodic Systems: Descriptive and Comparative Studies: Alaska Native Language Center