アリス・フェーバー・トライオン
アリス・フェーバー・トライオン(Alice Faber Tryon、1920年 – 2009年)は、アメリカ合衆国の植物学者である。シダ植物を専門とし[1]、胞子の表面パターンを用いたシダの分類と多様性の研究や、イノモトソウ科(Pteridaceae)の研究などを行った。
略歴
編集ウィスコンシン州のミルウォーキーにおいてアリス・エリザベス・フェーバー(Alice Elizabeth Faber)として生まれた[2]。ミルウォーキー州立師範学校(Milwaukee State Teacher’s College、現在はウィスコンシン大学)で学んだ[2]。1945年にシダの研究でウィスコンシン大学で修士号を得た後、1952年にワシントン大学で博士号を得た。夫となるローラ・ミルトン・トライオン(Rolla Milton Tryon, Jr. 1916 – 2001)との共同研究は1945年から始められた。夫妻でペルーなどの熱帯アメリカの調査旅行を行った後、1946年に夫がハーバード大学のグレイ標本館の学芸員になるとハーバードに移った[3]。夫妻は、毎年春にシダの研究会を開催し、シダの研究者を育成した[4]。1987年までグレイ標本館で働いた後、1987年に夫が南フロリダ大学の准教授になると、分類学研究所の設立を助けた。
生涯を通じて、夫妻は共同研究し、多くの共著論文を発表した。走査型電子顕微鏡を使ったシダ表面性状の研究で知られ、透過型電子顕微鏡を用いる胞子内部構造の研究のオーソリティのルガードン(Bernard Lugardon)と共著で、シダの胞子の多様性を研究した、"Spores of the Pteridophyta: Surface, Wall Structure, and Diversity Based on Electron Microscope Studies"(1990)を出版した[5]。
参考文献
編集- ^ Gastony, G. J.; Barrington, D.S.; Conant, D.S. (2009). “Obituary: Alice Faber Tryon (1920–2009)”. American Fern Journal 99 (4): 231–235.
- ^ a b Gastony, Gerald J.; Barrington, David S.; Conant, David S. (2009-10-01). “Obituary: Alice Faber Tryon (1920–2009)”. American Fern Journal 99 (4): 231–235. doi:10.1640/0002-8444-99.4.231. ISSN 0002-8444 .
- ^ Gastony, Gerald J.; Barrington, David S.; Conant, David S. (2002). “Obituary: Rolla Milton Tryon, Jr. (1916–2001)”. American Fern Journal 92 (1): 1–9.
- ^ Fernández, Helena; Kumar, Ashwani; Revilla, Angeles (2010-11-11). Working with Ferns: Issues and Applications. Springer Science & Business Media. ISBN 9781441971623
- ^ Tryon, A.F.; Lugardon, B. (1991). Spores of the Pteridophyta. New York: Springer-Verlag