アラブサット-1A
サウジアラビアの最初の人工衛星
アラブサット-1A(アラビア語: عربسات-A1、英語: Arabsat-1A)は、サウジアラビアのアラブ衛星通信機構が運用する通信衛星。サウジアラビアの初の通信衛星であり、アラブ諸国の通信サービスの提供のために利用されている。エアロスペシアルがスペースバス100衛星バスを基に製造し、2機のNATO E/Fバンド(IEEE Sバンド)通信機と25機のNATO G/Hバンド(IEEE Cバンド)通信機を搭載している。打ち上げ時で重量は1170kg、運用寿命は7年間とされた[1]。
アラブサット-1A Arabsat-1A | |
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主製造業者 | エアロスパシアル |
国 | サウジアラビア |
運用者 | アラブ衛星通信機構 |
国際標識番号 | 1985-015A |
カタログ番号 | 15560 |
目的 | 通信衛星 |
計画の期間 | 7年間 |
打上げ場所 | ギアナ宇宙基地 ELA-1 |
打上げ機 | アリアン3 |
打上げ日時 | 1985年2月8日、23時22分00秒 (UTC) |
物理的特長 | |
衛星バス | スペースバス100 |
質量 |
1,170kg (燃料込み) 532kg (燃料なし) |
軌道要素 | |
周回対象 | 地球周回軌道 |
軌道 | 静止軌道 |
静止経度 | 東経19度 |
近点高度 (hp) | 33,911km |
遠点高度 (ha) | 35,849km |
離心率 (e) | 0.02348 |
軌道傾斜角 (i) | 0.2度 |
軌道周期 (P) | 1390.1分 |
トランスポンダー |
E/F帯(NATO)×2 G/H帯(NATO)×25 |
アラブサット-1Aはアリアンスペース社によって1985年2月8日23時22分00秒(GMT)にギアナ宇宙センターのELA-1からアリアン3で打ち上げられた[2]。スペースバス利用の衛星の最初の1機であり、東経19°の対地同期軌道に投入された[3]。打ち上げ直後、太陽光パネルの展開に失敗し、結果として稼働能力が減っている。
その後、一連のジャイロスコープの作動不良によって稼動状態を終了し、バックアップ機としての運用に移った[1][4]。1991年9月、衛星の高度制御システムにも障害が発生し、東に向けて漂流し始めた。1992年3月に最終的に運用が放棄された[5]。
関連項目
編集注釈
編集- ^ a b Krebs, Gunter. “Arabsat 1A, 1B, 1C / Insat 2DT”. Gunter's Space Page. 2009年7月5日閲覧。
- ^ McDowell, Jonathan. “Launch Log”. Jonathan's Space Page. 2009年7月5日閲覧。
- ^ Wade, Mark. “Arabsat”. Encyclopedia Astronautica. 2009年7月5日閲覧。
- ^ Harland, David M; Lorenz, Ralph D. (2005). Space Systems Failures (2006 ed.). Chichester: Springer-Praxis. p. 221. ISBN 0-387-21519-0
- ^ “Arabsat 1A”. TSE. 2 June 2009時点のオリジナルよりアーカイブ。2009年7月5日閲覧。