アメリー・ローティ
アメリー・オクセンバーグ・ローティ(Amélie Oksenberg Rorty, 1932年 - 2020年9月18日[1])は、アメリカ合衆国の哲学者。心の哲学(特に感情について[2])、哲学史(特にアリストテレス[3]、スピノザ[4]、デカルト[5])、道徳哲学[6][7]の研究で知られる。
時代 | 現代哲学 |
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地域 | 西洋哲学 |
研究機関 | ウィートン大学、ラトガース大学、ブランダイス大学、ボストン大学、ハーバード大学医学部、タフツ大学 |
研究分野 | 心の哲学、感情、道徳哲学、哲学史、アリストテレス、スピノザ、デカルト、文学批評、美術批評 |
略歴
編集ローティは1951年にシカゴ大学から学士号を、1954年と1961年にイェール大学から修士号と博士号をそれぞれ取得した。またプリンストン大学から人類学の修士号を取得した(同大学で二つ目の博士号を取ろうと計画していた[8][9])。最初に着任したのはウィートン大学(マサチューセッツ州)(1957-1961年)だった。1962年にラトガース大学(ダグラス・カレッジ)に移籍し、同大学で1988年まで教鞭をとり、退職時に名誉教授になった[8]。また1995年から2003年にかけてブランダイス大学教授として観念史を担当し、2008年から2013年までボストン大学客員教授、2013年から2015年まで、タフツ大学の客員教授を務めた[7]。また、ハーバード大学医学部世界健康・社会医学科の社会医学担当名誉講師でもある[8][10][11]。ローティはいくつもの賞・フェローシップを受けており、1956年から1957年までアメリカ女性大学人協会のフェロー、1968年から1969年までアメリカ諸学会評議員会のフェローを務めた[8]。
業績
編集ローティは100本以上の学術論文の著者で、著書・編著書の数は12冊を超える。著書『Mind in Action: Essays in Philosophy of Mind』は1988年(ペーパーバック版は1991年)にビーコン出版から上梓された。編著書には『Explaining Emotions』(カリフォルニア大学出版局、1980年)、『Essays on Aristotle's Ethics』(カリフォルニア大学出版局、1980年)、共編著にはマーサ・ヌスバウムと編んだ『Essays on Aristotle's De Anima』(オックスフォード大学出版局、1992年)がある。『Modern Studies in Philosophy』叢書(ダブルデイ・アンカー)、『Major Thinkers』叢書(カリフォルニア大学出版局)の創刊・監修者も務めた。その他の代表的編著書には、『The Many Faces of Evil 』(ラウトレッジ、2001年)、『The Identities of Persons』(カリフォルニア大学出版局、1976年)がある。
私生活
編集オクセンバーグ・ローティはポーランド系ユダヤ人のクララとイスラエル・オクセンバーグのもと、1932年にベルギーで生まれた。その後両親とともにヴァージニア州に移住し、農場で育てられた[12][13]。若くしてシカゴ大学に入学し、当時大学院生だったリチャード・ローティと出会い、交際を開始した。二人ともイェール大学の博士課程に進学し、両親の反対を押し切って1954年に結婚した[14]。1961年に息子ジェームズ(ジェイ)をもうけたが、1972年に離婚した[15]。自らの生い立ちについては、論文「Dependency, Individuality and Work」に記されている[16]。
その他の受賞歴・フェローシップ
編集脚注
編集- ^ Weinberg, Justin (2020年9月21日). “Amélie Oksenberg Rorty (1932-2020)” (英語). Daily Nous. 2020年12月4日閲覧。
- ^ Boler, Megan (June 1997). “Disciplined Emotions: Philosophies of Educated Feelings”. Educational Theory 47 (2): 208. doi:10.1111/j.1741-5446.1997.00203.x 28 July 2013閲覧。.
- ^ Weller, Cass (17 June 2003). “Review of Martha C. Nussbaum and Amélie Oksenberg Rorty (eds.), Essays on Aristotle's De Anima”. Bryn Mawr Classical Review 28 July 2013閲覧。.
- ^ Sharp, Hasana (2010). “Oppositional Ideas, Not Dichotomous Thinking: Reply to Rorty”. Political Theory 38 (1): 142. doi:10.1177/0090591709348876 .
- ^ Rorty, Amélie (1986). Essays on Descartes'" Meditations". University of California Press. ISBN 0520055098
- ^ McCloskey, Deirdre (2003). “Why Economists Should Not Be Ashamed of Being the Philosophers of Prudence”. Eastern Economic Journal. 4 28 28 July 2013閲覧。.
- ^ a b Leiter, Brian. “Amelie Rorty to be Visiting Professor at Tufts for 2013-15”. Leiter Reports: A Philosophy Blog. 28 July 2013閲覧。
- ^ a b c d “Personal Homepage”. 28 July 2013閲覧。
- ^ “Curriculum Vitae”. 28 July 2013閲覧。
- ^ “Faculty Page”. Boston University. 28 July 2013閲覧。
- ^ “Rorty publishes on ambivalence, education, and other topics”. Department of Global Health and Public Medicine. (31 March 2010) 28 July 2013閲覧。
- ^ “My Life”. 28 July 2013閲覧。
- ^ “American Philosophy excluding Pragmatism”. John Gach Books. 28 July 2013閲覧。
- ^ “Guide to the Richard Rorty Papers MS.C.017”. UC Irvine, Critical Theory Archive, Online Archive of California MS.C.017 .
- ^ Sanford, John (June 11, 2007). “Richard M. Rorty, distinguished public intellectual, dead at 75”. Stanford Report 28 July 2013閲覧。
- ^ Ruddick, Sara (ed.) (1977). Working It Out: 23 Women Writers, Artists, Scientists, and Scholars Talk About Their Lives and Work. New York: Pantheon Books. pp. 38–54. ISBN 0394409361
外部リンク
編集- A 2010 interview of Rorty on self-deception on Why? Radio (Institute for Philosophy in Public Life)
- 相馬伸一「アメリー・ローティ編,『哲学者の教育観』」『広島修大論集. 人文編』第40巻第1号、広島修道大学人文学会、1999年9月、363-409頁、CRID 1050282812718138624、ISSN 03875873。「序文 教育史を支配するもの」