アフラ・ベーンAphra Behnアフラ・ベン)、1640年 - 1689年4月16日)は、英国初の女性職業劇作家。日本では夏目漱石の『三四郎』に名前が出てくることで知られる。

アフラ・ベーン(ピーター・レリーによる肖像画)
『オルノーコ』表紙(1688年)
アフラ・ベーン(George Scharfによるスケッチ)
アフラ・ベーン(メアリー・ビールによる肖像画)

略歴

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その生涯は、本人がいくつかの理由から隠していたと思われ、謎に包まれている。理容師の娘に生まれ、若いころ南米のスリナムに移り住み、そのころの経験から後に『オルノーコ』を書いたと思われるが、実際には行っていないと考える研究者もいる。オランダ商人と結婚して[1]、アフラ・ベーン(旧姓ジョンソン)になり、その後離婚して、イングランドに戻ったとされているが、実際に結婚していたのかすら良く分からない。単に既婚者になりたかっただけと考える研究者もいる(当時の女性は離婚した既婚者・未亡人が最も自由であった)。南アメリカやアフリカを広く旅した[1]

その後、ネーデルラントアントウェルペンに移り、第二次英蘭戦争1665年 - 1667年)時にはイングランド王チャールズ2世の政略スパイを勤めていたといわれる[1]1670年ごろにロンドンに戻る。帰国後、自らの負債を理由に投獄される[1]。釈放後に演劇、小説を書き始め、英国内初の女性職業作家として評判となる[1]

代表作『オルノーコ』は『三四郎』の中で、「オルノーコという黒ん坊の王族が英国の船長にだまされて、奴隷に売られて、非常に難儀する話」と紹介されている。

著作

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小説

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  • The Fair Jilt(美しい浮気女)
  • Agnes de Castro, or, the Force of Generous Love (1688)
  • Love-Letters Between a Nobleman and His Sister, in three parts (1682–1687)
  • オルノーコOroonoko (1688)[1] - アフラ・ベイン『オルノーコ 美しい浮気女』土井治訳、岩波書店〈岩波文庫〉、1988年。ISBN 4-00-322711-5 

短編/中編小説

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  • The Fair Jilt (1688)
  • The History of the Nun: or, the Fair Vow-Breaker (1689)
  • The History of The Servant (disputed)

詩集

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  • Poems upon Several Occasions, with A Voyage to the Island of Love (1684)
  • Lycidus; or, The Lover in Fashion (1688)

戯曲

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翻訳

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脚注

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  1. ^ a b c d e f g h i ヌルミネン 2016, p. 445.

参考文献

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  • マルヨ・T・ヌルミネン 著、日暮雅通 訳『才女の歴史 古代から啓蒙時代までの諸学のミューズたち』東洋書林、2016年。ISBN 9784887218239 

外部リンク

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  • Hutchinson, John (1892). “Afra Behn”. Men of Kent and Kentishmen (Subscription ed.). Canterbury: Cross & Jackman. p. 15-163