アゼルニジピン
アゼルニジピン(Azelnidipine)は、ジヒドロピリジン系のカルシウム拮抗剤の一つである。商品名カルブロック。日本の三共が開発した。L型カルシウムチャネルを阻害して血管平滑筋の弛緩効果を示す[1]。 ニカルジピンとは違い、服用後の効果発現が緩やかで降圧効果が長く続き、心拍数を上昇させない[2]。オルメサルタン メドキソミルとの合剤がある。
IUPAC命名法による物質名 | |
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臨床データ | |
販売名 | CalBlock |
Drugs.com |
国別販売名(英語) International Drug Names |
法的規制 |
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データベースID | |
CAS番号 | 123524-52-7 |
ATCコード | none |
PubChem | CID: 65948 |
ChemSpider | 59352 |
UNII | PV23P19YUG |
KEGG | D01145 |
ChEMBL | CHEMBL1275868 |
化学的データ | |
化学式 | C33H34N4O6 |
分子量 | 582.64 g/mol |
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効能・効果
編集高血圧症
禁忌
編集アゾール系抗真菌剤(イトラコナゾール、ミコナゾール等)、HIVプロテアーゼ阻害剤(リトナビル、サキナビル、インジナビル等)、コビシスタットを服用中の患者には禁忌である[3]。
副作用
編集添付文書に記載されている重大な副作用は、肝機能障害、黄疸、房室ブロック、洞停止、徐脈である。(全て頻度不明)
使用成績調査での副作用発現率は、3.5%であった。
薬理作用
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低濃度ではアゼルニジピンはL-型カルシウムチャネルを選択的に阻害し、N-型カルシウムチャネルおよびT-型カルシウムチャネルを阻害しない[1]。アゼルニジピンを単回経口投与すると、血圧は徐々に低下し、投与5〜6時間で最低値を示し、その後徐々に元に戻る。アゼルニジピンの脂溶性が高いので血管組織への親和性が高く、血中濃度のピークより遅れて血管組織内濃度がピークを迎え、血中濃度が低下した後も血管組織内に滞留する[1]。血漿レニン活性(PRA)にはほとんど影響を与えない。
血圧の低下にもかかわらず、主要臓器の組織血流量は維持され、腎臓では血流が増加する。アゼルニジピンは圧受容体反射を生じ難い上、心臓に直接働き掛けて若干の心拍数低下をもたらす。しかし、房室伝導(PQ間隔)遅延や心収縮力低下は生じ難い。
またアゼルニジピンは強力な抗酸化物質であり、動物実験では動脈硬化抑制効果を持つ[4]。
出典
編集- ^ a b c 佐田 登志夫, 齋藤 宏暢 (2003-11-20). “持続型カルシウム拮抗薬アゼルニジピン(カルブロック)の薬理特性と臨床効果”. 日本薬理学雑誌 122 (6): 539-547. doi:10.1254/fpj.122.539 2016年5月16日閲覧。.
- ^ Oizumi K, Nishino H, Koike H, Sada T, Miyamoto M, Kimura T (September 1989). “Antihypertensive effects of CS-905, a novel dihydropyridine Ca++ channel blocker”. Jpn. J. Pharmacol. 51 (1): 57–64. doi:10.1254/jjp.51.57. PMID 2810942 .
- ^ “カルブロック錠8mg/カルブロック錠16mg 添付文書” (2014年3月). 2016年10月20日時点のオリジナルよりアーカイブ。2016年5月16日閲覧。
- ^ 柳澤輝行,増宮晴子,渡邊春男『[https://web.archive.org/web/20130626081223/http://ir.library.tohoku.ac.jp/re/bitstream/10097/40208/1/YANAGISAWA-Teruyuki-01-09-0015.pdf 循環器病の 薬物療法]』メジカルビュー、2006年、188-199頁。ISBN 4-7583-0143-3。オリジナルの2013年6月26日時点におけるアーカイブ 。