アジリン(Azirine)は、窒素原子を含む不飽和の三員環複素環式化合物である。アジリジンの不飽和アナログである[1]。反応性が高いが、天然のものはジシダリジン等、少数だけが報告されている。二重結合の位置によって、1H-アジリンと2H-アジリンの2種類の異性体が存在する。2H-アジリンは、歪んだイミンと見なすこともでき、単離可能である。

合成

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2H-アジリンは、アジ化ビニル熱分解によって得られる[2]。この反応の中間体として、ニトレンが形成される。また、アジリジンの酸化によっても得ることができる。

 

反応

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アジリンの光分解(300 nm以下)は、ニトリルイリドを生成する非常に効率の良い方法である。このニトリルイリドは、1,3-双極子であり、様々な求双極子によって捉えられ、ピロリン等の複素環式化合物を生成する。

歪んだ環は、環開化反応も受け、求核剤または求電子剤として働く。

アジリンは、ネバー転位の中間体となる。

出典

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  1. ^ Teresa M. V. D. Pinho e Melo and Antonio M. d’A. Rocha Gonsalves (2004). “Exploiting 2-Halo-2H-Azirine Chemistry”. Current Organic Synthesis 1 (3): 275–292. doi:10.2174/1570179043366729. オリジナルの2006年9月28日時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20060928104209/http://bentham.org/cos/contabs/cos1-3.htm#5. 
  2. ^ F. Palacios, A. M. Ochoa de Retana, E. Martinez de Marigorta, J. M. de los Santos (2001). “2H-Azirines as synthetic tools in organic chemistry”. Eur. J. Org. Chem 2001 (13): 2401–2414. doi:10.1002/1099-0690(200107)2001:13<2401::AID-EJOC2401>3.0.CO;2-U.