アクチニウム系列(あくちにうむけいれつ、: Actinium series)は、ウラン235から207までの崩壊過程のことである[1]。アクチニウム系列に属する核種質量数はnを整数とすると4n+3で表すことができるので4n+3系列ともいう[1]。起点となる元素はウラン235ではあるが、ウラン238が起点となっている4n+2系列にもウラン系列という名称が使われているため、通過点となるアクチニウムが名称として使われている[1]

崩壊系列表

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下表ではプルトニウム239のアルファ崩壊によってウラン235が生成されるため、プルトニウム239も含まれている(通常、系列からプルトニウム239が除外されることが多い)。

 
アクチニウム系列
核種 崩壊モード 半減期 DE/MeV 娘核種 歴史的名称
プルトニウム239 239Pu α 24110 年 5.245 235U
1 ウラン235 235U α 7.038×108 4.679 231Th アクチノウラン (AcU)
2 トリウム231 231Th β-
α 0.000001 %
25.52 時間 0.389
0.389
231Pa
227Ra
ウランY (UY)
3 プロトアクチニウム231 231Pa α 32760 年 5.149 227Ac
3-1 ラジウム227 227Ra α 42.2 分 1.325 223Rn
4 アクチニウム227 227Ac β- 98.62 %
α 1.38 %
21.773 年 0.045
5.042
227Th
223Fr
(特に)アクチニウム
4-1 ラドン223 223Rn β- 23.2 分 1.000 223Fr
5 トリウム227 227Th α 18.72 日 6.146 223Ra ラジオアクチニウム (RdAc)
5-1 フランシウム223 223Fr β- 99.994 %
α 0.006 %
22.0 分 1.149
5.430
223Ra
219At
アクチニウムK (AcK)
6 ラジウム223 223Ra α 11.435 日 5.979 219Rn アクチニウムX (AcX)
6-1 アスタチン219 219At α 99.99 %
β- 0.01 %
56 秒 6.390
1.700
215Bi
219Rn
7 ラドン219 219Rn α 3.96 秒 6.946 215Po アクチノン (An)
7-1 ビスマス215 215Bi β- 7.6 分 2.250 215Po
8 ポロニウム215 215Po α
β- 0.000023 %
1.781 ミリ秒 7.526
0.721
211Pb
215At
アクチニウムA (AcA)
8-1 アスタチン215 215At α 0.10 ミリ秒 8.178 211Bi
9 211 211Pb β- 36.1 分 1.373 211Bi アクチニウムB (AcB)
10 ビスマス211 211Bi α 99.72 %
β- 0.28 %
2.14 分 6.751
0.579
207Tl
211Po
アクチニウムC (AcC)
11 タリウム207 207Tl β- 4.77 分 14.23 207Pb アクチニウムC" (AcC")
11-2 ポロニウム211 211Po α 0.516 秒 7.595 207Pb アクチニウムC' (AcC')
12 鉛207 207Pb 安定 アクチニウムD (AcD)

出典

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  1. ^ a b c 馬淵久夫 著、化学大辞典編集委員会(編) 編『化学大辞典』 1巻(縮刷版第26版)、共立、1981年10月、32頁頁。 

関連項目

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