アクションゲームツクール
『アクションゲームツクール』は、エンターブレインから発売されている2Dアクションゲーム製作用ソフトウェア。製作会社はスマイルブーム。『アクツク』が主な略称。
ジャンル | アクションゲーム製作ツール |
---|---|
対応機種 | PC |
開発元 | スマイルブーム |
発売元 | エンターブレイン |
メディア | DVD-ROM |
発売日 | 2009年3月5日 |
必要環境 | Windows XP/Vista |
特徴
編集ツクールシリーズとしては新基軸となる、2Dアクションゲーム制作専用ツクールである。すでにコンテストパークが休止していた2008年9月、何の前触れも無く発売が発表された。
名称こそ「アクション」と冠してはいるが、純粋なアクションゲーム以外にも、多様なシステムに対応している。具体的に言えば、同梱された「ジャンプアクション」「アクションRPG」「シューティング」「デモ」の全4種類が用意されているプラグインによって、成長要素のあるアクションRPGや面によって進行方向の違うシューティングゲーム、あるいはそれらを自由に組合せたゲームを制作することが可能である。
解像度の選択の幅は大きく広がり、従来のツクールで主流だった縦横比[1]が4:3である320×240、640×480の他、ワイドサイズ(縦横比16:9)のモニターやテレビに対応した1280×720など、全部で10種類の中から選択できる。さらに、これらは縦横比を入れ替えることができるので、アーケード版縦スクロールシューティングによく見られる縦長画面(筐体のモニターを縦長方向に置いた状態での画面)の再現も容易である。
制作した作品は、これまでのツクールシリーズと同じWindows上で動作する実行ファイルの他、Microsoft XNA テンプレート形式(Xbox 360で起動できるような形式)として書き出すことができる。また、事前に専用の開発環境(Java SE Development KitとAdobe Flex SDK)を用意しておくことで、SWF形式(Flashムービーファイル)として出力することも可能である。しかしこうした出力を行った際、仕様上ゲームパッドが使えなくなるなど一部のゲームシステムが変更される[2]ので、制作時にこの点を留意しておかないとゲーム性が大きく変わってしまう恐れがある。
ネットワーク認証を採用している。これは著作権保護のためにRPGツクールXP、VXにも使われているもので、現行の版ではインストール時、およびそれ以降も定期的にインターネットに接続しての認証作業が必要となる(常時接続の必要はない)。本作では体験版に到るまでネットワーク認証が必要であり、プロジェクトの保存回数が50回までという制限がある。公式サポートを終了し、更新の最終版となったアップデートにてインターネット回線経由によるネットワーク認証は公式サポート終了の理由により廃止された模様。
仕様詳細
編集画面
編集選択可能な解像度
4:3 | 320×240 | 640×480 | 800×600 | 1024×768 |
16:9 | 1280×720 | 1920×1080 | ||
その他 | 240×240 | 256×192 | 256×384 | 480×272 |
さらに、縦と横のサイズの交換も可能。
素材
編集特記事項
編集発売当初の特別企画として、『秘密結社 鷹の爪』(蛙男商会)とのコラボレーション企画が実施された。その内容は、『鷹の爪』の登場キャラクターによるゲーム制作の紹介という形でのPV、およびその結果完成したという設定の『山陰国獲り物語』(蛙男商会)をモチーフとした短編アクションゲーム『山陰国獲りゲーム』の期間限定公開というものであった。
発売当初、従来のツクールとはエディターの仕様など編集方法が大幅に変更されていることが、以前からの方式に慣れたツクラー(ゲーム制作者)に不便さを感じさせ不評を生む事態となり、アマゾンのカスタマーレビューには数件の批判的なコメントと低評価が寄せられた[3]。
発売後約5ヶ月が経過した8月19日からは、ファミ通.comの無料ゲームコーナーにほぼ毎週、一般のツクラーが手掛けた新作フリーゲームがアップロードされている。その中には、『フェナックむら ものがたり』(神無月サスケ、氷石彩亜)や『じぇてぃるじぇな』(木下英一)のように、かつてのコンテストパークで上位入賞したツクラーの手による作品もある。
主な使用作品
編集- 山陰国獲りゲーム
脚注
編集- ^ 横方向と縦方向の解像度、つまりドット(表示される画像の最小単位)数の比。
- ^ なお、最初期のバージョンでは、制作した作品をMicrosoft XNA テンプレート形式ないしSWF形式として出力したとき、作品がまともに動かないことが多かった。しかし、2009年7月24日付けのアップデート(Ver.1.02)によって、元々の仕様以外の不都合な挙動はほぼ全てが改善された。
- ^ ASIN B001H14YUI, アクションゲームツクールのカスタマーレビュー
関連項目
編集外部リンク
編集- アクションゲームツクール 製品紹介(エンターブレインのサイト、ツクールweb内。動作環境などの記載がある。)
- スマイルブーム.com(ソフトの製作会社、スマイルブームのサイト。)