アクシバ(灰汁柴[4]学名: Vaccinium japonicum)はツツジ科スノキ属落葉低木。山地の林縁などに生える。中国名は、日本扁枝越橘[1]

アクシバ
福島県磐梯山 2010年8月
分類
: 植物界 Plantae
: 被子植物 angiosperms
階級なし : 真正双子葉類 eudicots
階級なし : コア真正双子葉類 core eudicots
キク類 asterids
: ツツジ目 Ericales
: ツツジ科 Ericaceae
亜科 : スノキ亜科 Vaccinoideae
: スノキ属 Vaccinium
: アクシバ V. japonicum
学名
Vaccinium japonicum Miq. (1863)[1]
シノニム
和名
アクシバ(灰汁柴)

特徴

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落葉広葉樹の低木で、樹高は30 - 50センチメートル (cm) になる[4]。若いには鈍い稜があり、緑色で無毛。樹皮は灰褐色で、不規則に縦に裂けて剥がれる[4]。一年枝はジグザグ状になり、緑色で平たくて稜があり、無毛である[4]

は紙質で、長さ1ミリメートル (mm) になる葉柄をもって互生する。葉身は楕円形または卵状楕円形で、長さ1.5 - 6 cm、幅0.7 - 2.5 cmになり、先端はとがり、基部は円形、鈍形または浅心形になる。葉の表面は濃緑色で脈上に短毛が生え、裏面はやや粉白色を帯び、無毛。葉の縁に先が腺毛になる細鋸歯がある。

花期は6 - 7月[4]。葉腋から長い花柄を伸ばし、1個のを下向きにつける。花柄は長さ10 - 15 mmになり、細く無毛、花柄の基部には1 - 2枚の小包葉があるが、早く落ちる。萼筒は長さ1.5 mmの鐘形で、先端は開いて4裂し、裂片は3角形となり、先はとがる。花冠は淡紅紫色で、つぼみ状態で長さ1 cmの披針形になり、開花時に花冠裂片が基部近くまで深く4裂し、先が外側にくるくると巻き込む。雄蕊は8本ある。果実は径5 mmの球状の液果で、赤色に熟す[4]。果実は食用になる。

冬芽は長卵形で紅紫色や緑白色をしており、2枚の芽鱗に包まれている[4]。枝の先には仮頂芽がつき、枝上部の側芽とほぼ同じ大きさである[4]。側芽は枝に互生する[4]。葉痕は三日月形で、維管束痕が1個つく[4]

分布と生育環境

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日本では、北海道本州東北地方中部地方北東部および関東地方北部から九州に分布し、山地帯の林縁に生育する[4]アジアでは、樺太にも分布する。

東日本には無毛のアクシバが、西日本には毛が生える変種のケアクシバが分布する。

品種、変種

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  • ハゴロモアクシバ(キレハアクシバ) Vaccinium japonicum Miq. f. incisum (F.Maek.) T.Yamaz.
  • ケアクシバ(毛灰汁柴) Vaccinium japonicum Miq. var. ciliare Matsum. ex Komatsu -若い枝の溝に条をなして短毛が生え、しばしば長い腺毛を伴う。日本では、本州中部地方南西部以西、四国九州に分布し、山地帯の林縁に生育する。アジアでは、朝鮮の済州島に分布する。

脚注

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参考文献

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  • 鈴木庸夫・高橋冬・安延尚文『樹皮と冬芽:四季を通じて樹木を観察する 431種』誠文堂新光社〈ネイチャーウォチングガイドブック〉、2014年10月10日、72頁。ISBN 978-4-416-61438-9