アオベンケイ

ベンケイソウ科ムラサキベンケイソウ属に分類される多年生の1種

アオベンケイ(青弁慶、学名Hylotelephium viride (Makino) H.Ohba[1])は、ベンケイソウ科ムラサキベンケイソウ属分類される多年生の1[3]シノニムが、Sedum viride Makino[2]。別名がアオベンケイソウ[4]

アオベンケイ
アオベンケイ、福井県嶺南地方にて、2022年10月12日撮影
アオベンケイ
2022年10月、福井県嶺南地方にて
分類APG IV
: 植物界 Plantae
階級なし : 被子植物 Angiosperms
階級なし : 真正双子葉類 Eudicots
階級なし : バラ上類 Superrosids
: ユキノシタ目 Saxifragales
: ベンケイソウ科 Crassulaceae
: ムラサキベンケイソウ属 Hylotelephium
: アオベンケイ H. viride
学名
Hylotelephium viride (Makino) H.Ohba[1]
シノニム

Sedum viride Makino[2]

和名
アオベンケイ

特徴

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根茎があり発達する[5]花茎は長さ20-50 cmで斜上し[3]、冬には基部まで枯れ、毎春根茎の不定芽から出る[5]。花茎やの一部が紅色を帯びる個体はまれで、ふつう地上部は全体に草緑色で、赤みがまったくない[3]。葉は緑色、ふつう対生[5]、卵形で、長さ3-6(-10) cm、円頭-鋭頭、縁は滑らかかゆるい波状鋸歯があり、長さ1-2 cmの葉柄がある[3]

花序は散房状で多数の小花をつけ、球形、萼片は3角形、長さ約1.5 mm[3]花弁は淡黄緑色、楕円状倒披針形、長さ4.5 mm、鋭頭[3]。裂開直前のは淡褐色[3]蜜腺は線形、長さ0.8 mm[3]雌蕊は長さ約4.5 mm[3]子房の基部はやや急に細まり柄状となる[3]花柱は長さ1.5 mm[3]。花期は9-10月[3]

胎座は辺縁性で、胚珠がある。種子は1 mm前後、長楕円形、種皮は褐色で細かい縦の隆条がある[5]染色体数はn=12[3]

分布と生育環境

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山地の岩上に生育するアオベンケイ、福井県嶺南地方にて

日本固有種で、本州中部地方以西)、四国九州に分布する[3]

山地上やむした上に生育する[3]

種の保全状況評価

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日本では環境省による国レベルのレッドリスト受けていないが[6]、以下の多数の都道府県のレッドリストで指定を受けている。

脚注

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  1. ^ a b 米倉浩司・梶田忠 (2012年5月12日). “アオベンケイ”. BG Plants 和名−学名インデックス(YList). 2024年10月29日閲覧。
  2. ^ a b 米倉浩司・梶田忠 (2012年5月12日). “アオベンケイ”. BG Plants 和名−学名インデックス(YList). 2024年10月29日閲覧。
  3. ^ a b c d e f g h i j k l m n o 佐竹 (1982)、151頁
  4. ^ a b アオベンケイ(アオベンケイソウ)”. 東京都. 2024年10月29日閲覧。
  5. ^ a b c d 佐竹 (1982)、150頁
  6. ^ 環境省レッドリスト2020の公表について”. 環境省 (2020年3月27日). 2024年10月29日閲覧。
  7. ^ 神奈川県レッドデータブック2022 植物編” (PDF). 神奈川県. pp. 212. 2024年10月29日閲覧。
  8. ^ 和歌山県レッドリスト2022、維管束植物のリスト” (PDF). 和歌山県. pp. 3. 2024年10月29日閲覧。
  9. ^ 富山県の絶滅のおそれのある野生生物-レッドデータブックとやま2012-”. 富山県. 2024年10月29日閲覧。
  10. ^ 改訂版 福井県の絶滅のおそれのある野生動植物 2016” (PDF). 福井県. pp. 328. 2024年10月29日閲覧。
  11. ^ レッドデータブックとっとり第3版(2022年改訂)” (PDF). 鳥取県. pp. 315. 2024年10月29日閲覧。
  12. ^ 京都府レッドデータブック2015、アオベンケイ(アオベンケイソウ)”. 京都府. 2024年10月29日閲覧。
  13. ^ 大阪府レッドリスト2014、維管束植物のリスト” (PDF). 大阪府. pp. 4. 2024年10月29日閲覧。
  14. ^ いしかわレッドデータブック2020、植物編” (PDF). 石川県. pp. 160. 2024年10月29日閲覧。
  15. ^ 長野県版レッドリスト(植物編)2014、維管束植物のリスト” (PDF). 長野県. pp. 8. 2024年10月29日閲覧。
  16. ^ レッドデータブックあいち2020” (PDF). 愛知県. pp. 290. 2024年10月29日閲覧。
  17. ^ レッドデータブックやまぐち2019、アオベンケイ”. 山口県. 2024年10月29日閲覧。
  18. ^ 愛媛県レッドデータブック2014、アオベンケイ”. 愛媛県. 2024年10月29日閲覧。
  19. ^ 長崎県レッドリスト2022、維管束植物のリスト” (PDF). 長崎県. pp. 6. 2024年10月29日閲覧。
  20. ^ アオベンケイ” (PDF). 岐阜県. 2024年10月29日閲覧。
  21. ^ 三重県レッドデータブック2015” (PDF). 三重県. pp. 494. 2024年10月29日閲覧。
  22. ^ 改訂しまねレッドデータブック2013植物編” (PDF). 島根県. pp. 113. 2024年10月29日閲覧。
  23. ^ 絶滅のおそれのある野生生物(「レッドデータブックひろしま2021」)について” (PDF). 広島県. pp. 495. 2024年10月29日閲覧。
  24. ^ 改訂・宮崎県版レッドデータブック2010年度版” (PDF). 宮崎県. pp. 9. 2024年10月29日閲覧。
  25. ^ レッドデータブック2016改訂版 選定種目録(奈良県レッドリスト)、維管束植物のリスト” (PDF). 奈良県. pp. 16. 2024年10月29日閲覧。
  26. ^ 佐賀県レッドリスト2020(植物編)” (PDF). 佐賀県. pp. 5. 2024年10月29日閲覧。
  27. ^ レッドデータブックくまもと2019” (PDF). 熊本県. pp. 199. 2024年10月29日閲覧。
  28. ^ レッドデータブックおおいた2022、アオベンケイ”. 大分県. 2024年10月29日閲覧。
  29. ^ 維管束植物-兵庫県版レッドデータブック2020-、アオベンケイ” (PDF). 兵庫県. 2024年10月29日閲覧。

参考文献

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  • 佐竹義輔大井次三郎北村四郎、亘理俊次、冨成忠夫 編『日本の野生植物 草本II離弁花類』平凡社、1982年3月17日。ISBN 458253502X 

外部リンク

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