アオノイワレンゲ
アオノイワレンゲ(青の岩蓮華、学名:Orostachys malacophylla var. aggregeata)は、ベンケイソウ科イワレンゲ属の多年草。開花すれば枯死する一稔性植物で、花後に葉腋から腋芽や走出枝をだして繁殖する。ゲンカイイワレンゲ - O. malacophylla var. malacophylla を分類上の基本種とする変種[5][6]。
アオノイワレンゲ | |||||||||||||||||||||||||||
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青森県下北半島 2018年10月
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分類(APG IV) | |||||||||||||||||||||||||||
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学名 | |||||||||||||||||||||||||||
Orostachys malacophylla (Pall.) Fisch. var. aggregeata (Makino) H.Ohba[1] | |||||||||||||||||||||||||||
シノニム | |||||||||||||||||||||||||||
和名 | |||||||||||||||||||||||||||
アオノイワレンゲ(青の岩蓮華) |
特徴
編集一稔性植物で、地下に根茎はない。根出葉はロゼット状に開き、ロゼットの径は1.5-3cmになる。ロゼットの葉は緑色で、粉白色をおびない。葉身は多肉で扁平、倒卵状披針形から楕円形で、長さ1-2cm、幅1-1.5cm、先端は鈍頭から円頭で、同属のツメレンゲ O. japonica にある短針状突起はない[5][6]。
花期は9-10月。ロゼットの中央の軸部分が高さ約10cmの円錐状の花茎になり、多数の花を密につける。花序には葉状の苞がつき、花柄の基部に小苞がある。萼裂片は5個で基部で合生し、長さ3-4mmで狭卵形になる。花弁は白色をし、5個で斜めに開き、長さ5-7mmで広線形から倒披針形で先は鋭頭。雄蕊は2輪で10個あり、花糸は花弁よりやや長く、裂開直前の葯は赤紫色になる。雌蕊は5個でほぼ離生して直立し、花柱は長さ1-2mmになり、基部は柄状になる。雌蕊の背面に蜜腺があり、狭長楕円形で長さ0.7mm、淡黄色になる。果実は5個の袋果。種子は楕円形で長さ約1mmになる[5][6]。
分布と生育環境
編集日本では、南千島、北海道、本州の東北地方に分布し、海岸の岩上に生育するが、内陸部の山地の岩場にも生育する[5]。国外では、ロシア沿海地方、サハリンに分布する[6]。
名前の由来
編集和名アオノイワレンゲは、緑色の岩蓮華の意味で、葉が粉白色をおびず緑色をしていることによる。「岩蓮華」とは岩場に生えており、かつ、葉が重なっている様子をハスの花、蓮華にたとえたもの[6]。
属名 Orostachys は、ギリシャ語で Oros「山」と Stachys「穂」による合成語で、「山に生え、穂状花序であること」から。種形容語 (種小名)malacophylla は、「やわらかな葉の」の、変種名 aggregeata は、「群生の、密集した」の意味[6]。
ギャラリー
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初夏の花茎が立つ前のロゼット。
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花序の下方から咲きだし、この株は下部が果実になりつつある。
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ロゼットの中央の軸部分が円錐状の花茎になる。
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裂開直前の葯は赤紫色になる。
分類上の基本種
編集下位分類
編集脚注
編集- ^ アオノイワレンゲ 米倉浩司・梶田忠 (2003-)「BG Plants 和名−学名インデックス」(YList)
- ^ 29807 アオノイワレンゲ(シノニム) 米倉浩司・梶田忠 (2003-)「BG Plants 和名−学名インデックス」(YList)
- ^ アオノイワレンゲ(シノニム) 米倉浩司・梶田忠 (2003-)「BG Plants 和名−学名インデックス」(YList)
- ^ アオノイワレンゲ(シノニム) 米倉浩司・梶田忠 (2003-)「BG Plants 和名−学名インデックス」(YList)
- ^ a b c d e f 『改訂新版 日本の野生植物2』pp.220-221
- ^ a b c d e f 『新分類 牧野日本植物図鑑』p.529, p.1470, p.1482, p.1501
- ^ ゲンカイイワレンゲ 米倉浩司・梶田忠 (2003-)「BG Plants 和名−学名インデックス」(YList)
- ^ ウスベニレンゲ 米倉浩司・梶田忠 (2003-)「BG Plants 和名−学名インデックス」(YList)
参考文献
編集- 大橋広好・門田裕一・木原浩他編『改訂新版 日本の野生植物 2』、2016年、平凡社
- 牧野富太郎原著、邑田仁・米倉浩司編集『新分類 牧野日本植物図鑑』、2017年、北隆館
- 米倉浩司・梶田忠 (2003-)「BG Plants 和名-学名インデックス」(YList)