あゆみトラスト・グループ
あゆみトラスト・グループは、日本の企業グループで、金融商品取引業・メディア事業・投資事業を行う。持ち株会社はあゆみトラスト・ホールディングス株式会社[2]で、三井物産出身の高岡壮一郎[3][4][注釈 1]がアブラハム・グループとして2004年に創業。本店は東京都千代田区大手町。
種類 | 株式会社 |
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市場情報 | 未上場 |
本社所在地 |
日本 東京都千代田区大手町1-5-1大手町ファーストスクエア ウエストタワー 18F |
設立 | 2004年8月 |
業種 | 金融・メディア |
代表者 | 高岡壮一郎 |
資本金 | 5億4760万円(グループ連結、準備金含む)[1] |
主要子会社 |
ヘッジファンドダイレクト株式会社 ゆかしウェルスメディア株式会社 |
外部リンク | https://ayumitrust-holdings.co.jp/ |
社名
編集旧グループ名に掲げる「アブラハム」は自己実現理論を唱えたアブラハム・マズローが由来[5][6]。新グループ名の「あゆみ」は、顧客と「共に歩み続けたい」という経営方針に由来[7]。
沿革
編集2004年8月、アブラハム・グループ・ホールディングス有限会社(準備会社)設立[8][9][注釈 2]。
2005年8月営業開始し、東大同窓会学士会と提携し東大OB限定SNS「東大OBネット」を共同で運営[11]。
2006年6月、東京海上日動火災、ジャフコ、みずほキャピタル等から5億円を調達[12]
2006年11月、純金融資産が1億円以上の会員限定SNSの「YUCASEE」(ゆかし)を開設[13][14][15]。
2009年、情報サイト「ゆかしメディア」を開設[17]
2008年、アブラハム・インベストメントが、海外ファンドを専門とする投資助言会社として変更登録を受け[6]、商号を「アブラハム・プライベートバンク」へ変更し、運営開始[6][18]。
2010年、香港に証券会社「アブラハムウェルスマネジメント証券」を設立[19][20][20]。
2011年11月、アブラハム・プライベートバンクが海外積立投資「いつかはゆかし」を開始[6]。12月、「いつかはゆかし」テレビCMを開始[21]
2013年10月、アブラハム・プライベートバンクが行政処分(6ヶ月の業務停止処分)を受けた[22]
2014年4月、アブラハム・プライベートバンクが業務再開[23]。
2014年6月、アブラハム・グループ・ホールディングスがアサツーディーケー等から増資[24]。
2015年1月、「アブラハム・ウェルスマネジメント」を新規設立し、仲介業登録[5][25]。適格機関投資家等特例業務届出[17]
2016年1月、アブラハム・プライベートバンクが「ヘッジファンドダイレクト」に商号を変更[26]。
グループも「アブラハム グループ」から「あゆみトラスト グループ」に商号を変更した[2]
2017年10月、グループ本店を東京都千代田区大手町に移転した[27]。
2017年12月、ヘッジファンドダイレクトの投資助言契約額が累計900億円[17]。
2018年7月、「あゆみトラスト・ファンド」を設立、ブロックチェーン分野のスタートアップへの投資を開始した[28]。
シンガポール拠点設立[17]。
2019年6月、(甲)ゆかしウェルスメディア株式会社、(乙)あゆみトラスト・インベストメント株式会社、(丙)自分年金サポート株式会社、(丁)マネースクールNo.1株式会社に関して、(甲)を存続させ(乙)(丙)(丁)を消滅させる合併を行う旨を官報で発表した。[29]
子会社
編集アブラハム・ウェルスマネジメント株式会社以外は、2016年1月に現社名への変更が告知された[2]。
- あゆみトラスト・ホールディングス株式会社
- 持ち株会社、グループ経営管理。本社は東京都千代田区大手町。資本金及び準備金5億4760万円(グループ連結)[19]。旧社名はアブラハム・グループ・ホールディングス株式会社[2]。
- アブラハムウェルスマネジメント証券会社 (AYJ854)
- 2010年投資専門の証券会社(在香港)[30]、2016年にMBO。
- ヘッジファンドダイレクト株式会社
- 投資助言会社、関東財務局長(金商)第532号[2][4]。個人を対象にしたヘッジファンドに関する投資助言[31]、「いつかはゆかし」[6]を運営。
- 設立時の名称はアブラハム・インベストメント株式会社[32][33][2]。2008年7月15日にアブラハム・プライベートバンク株式会社へ社名変更、2016年1月に現社名へ変更。
- ゆかしウェルスメディア株式会社
- 「YUCASEE」、「ゆかしファミリーオフィス」、「ゆかしメディア」、「海外投資新聞」を運営[34]。SNSにおける成果報酬広告料で利益を得る[13]。
- 2013年7月にアブラハム・マーケティング株式会社設立、同年9月にアブラハム・グループ・ホールディングス株式会社より事業譲渡。2015年7月にアブラハム・ウェルスメディア株式会社に商号変更、2016年1月に現社名へ変更[2][35]。
- アブラハム・ウェルスマネジメント株式会社
- 金融サービス業、関東財務局長(金仲)第714号[2]。2019年、ゆかしウェルスメディア株式会社と合併し消滅。
言及
編集2012年5月、週刊文春が「月10万円から始める資産1億円への道」としてアブラハムプライベートバンクの投資助言サービスを紹介した[36][37]。
2012年、日本銀行副総裁であった岩田規久男が同社の急成長に関与している懸念について週刊誌のフライデーが報じたが[38]、岩田は否定した[38]。
後年(2016年)、代表の高岡は、このような記事が出たことを、大規模なテレビCMの弊害であり「珍事だ」と自著で述懐している[39]。
2013年10月、「いつかはゆかし」は、金融商品取引法における「紹介」なのか「勧誘」なのかが問題となり[40][41]、「勧誘」と認定された結果、投資助言登録しか有しない同社は無登録営業と見做され、2013年10月に6か月間の業務停止を受けた[42][5][41][注釈 3]。弁護士の桑原義浩は、業務停止の中では最大級と述べている[43]。日本経済新聞は「金商法で「紹介」と「勧誘」の違いが曖昧になっていることにも原因がある」と報じた[44]。
関連人物
編集脚注
編集注釈
編集出典
編集- ^ http://ayumitrust-holdings.co.jp/
- ^ a b c d e f g h (プレスリリース) “グループ商号並びにグループ各社の一部商号変更について”. あゆみトラスト・ホールディングス株式会社. (2016年1月18日) 2016年11月6日閲覧。
- ^ 佐々木俊尚「「平成ニューリッチ」の金銭道 ―年収一億円はざら。新しい金持ちが目指す先は―」、『文藝春秋』2006年4月号、148-156頁。NAID 40007158722
- ^ a b “フィンテックで個人向け資産運用業界の"破壊"に挑戦”. 経済界 (2016年1月18日). 2016年11月6日閲覧。
- ^ a b c d e 四分一武 (2015年3月)“アブラハム・ウェルスマネジメント株式会社 代表取締役社長 高岡 壮一郎さん”. ToBeマガジン. 2016年10月25日閲覧。
- ^ a b c d e f g 「気になるトップ アブラハムHD 高岡壮一郎とは何者か?」、『THE21』2013年6月10日号、2013年。
- ^ http://ayumitrust-holdings.co.jp/top_message/
- ^ 「起業家2.0」小学館(佐々木俊尚著)頁56
- ^ a b “アブラハム・グループ・ホールディングス”. ビズキャン. パートナーオブスターズ. 2016年11月7日閲覧。
- ^ “アブラハム・グループ・ホールディングス株式会社”. 企業情報. あゆみトラスト・ホールディングス株式会社. 2016年11月7日閲覧。
- ^ 「起業家2.0」小学館(佐々木俊尚著)
- ^ “アブラハムが東京海上他から5億円を調達、Web2.0時代の富裕層マーケティング事業を加速”. valuepress. 2019年7月24日閲覧。
- ^ a b 日本経済新聞2006年11月14日朝刊
- ^ 大林優香、天羽枝里子 (2007年10月10日) “新富裕層取り込み金融機関の営業手法改善必要”. ロイター日本語ニュース. 2016年11月5日閲覧。
- ^ 根本佳子「新・富裕層ビジネス最前線」、『日経トレンディ』2009年3月号、67-69頁。
- ^ 「富裕層の購買・資産運用支援」『日本経済新聞』、2008年6月25日、12版、15面(新興・中小企業)(『日本経済新聞 縮刷版 2008年6月号』1437頁。)
- ^ a b c d “あゆみトラスト・ホールディングス株式会社 - 社会を変革するNo.1事業を創出”. ayumitrust-holdings.co.jp. 2024年1月4日時点のオリジナルよりアーカイブ。2024年3月10日閲覧。
- ^ 「富裕層のNo.1投資戦略」(総合法令出版)
- ^ a b http://ayumitrust-holdings.co.jp/company/index.html
- ^ a b 「富裕層のNo.1投資戦略」(総合法令出版)頁262
- ^ “「アブラハム積立」のテレビCM・広告が30代・40代のビジネスマン世帯に好評。アブラハム・プライベートバンク、投資助言契約額合計746億円を突破!”. プレスリリース・ニュースリリース配信シェアNo.1|PR TIMES. 2019年7月24日閲覧。
- ^ “行政処分(2013年)に係る業務改善完了について(金融庁公式HP)”. hedgefund-direct.co.jp. 2019年7月24日閲覧。
- ^ 「富裕層のNo.1投資戦略」(総合法令出版)頁291
- ^ http://ayumitrust-holdings.co.jp/topics/2014/3270
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- ^ 「富裕層のNo.1投資戦略」(総合法令出版)頁342
- ^ “ニュース&トピックス | あゆみトラスト・ホールディングス株式会社”. ayumitrust-holdings.co.jp. 2019年7月19日閲覧。
- ^ “ニュース&トピックス | あゆみトラスト・ホールディングス株式会社”. ayumitrust-holdings.co.jp. 2019年7月19日閲覧。
- ^ 2019年6月25日官報
- ^ http://ayumitrust-holdings.co.jp/topics/2015/3329
- ^ https://hedgefund-direct.co.jp/intro/index.html
- ^ (プレスリリース)“人気の株式投資情報サイト『「M&A投資」の株式投資』で大好評の「MA投資の投資戦略レポート12月号」を12月10日に販売”. (2004年12月10日) 2004年12月29日時点のアーカイブ. 2016年11月7日閲覧。
- ^ “アブラハムプライベートバンク:富裕層向け 投資案件発掘サービス(IES)”. (2008年) 2008年7月26日時点のアーカイブ. 2016年11月7日閲覧。
- ^ “富裕層向けメディア事業 ゆかしウェルスメディア株式会社”. ゆかしウェルスメディア株式会社. 2016年11月7日閲覧。
- ^ 会社概要、ゆかしウェルスメディア株式会社、2016年12月8日閲覧。
- ^ “新しいビジネスモデルで日本に変革を(2008年~) | 高岡壮一郎著『富裕層のNo.1投資戦略』特設サイト”. 富裕層のNo.1投資戦略 (2017年4月13日). 2019年7月24日閲覧。
- ^ “メディア掲載 | あゆみトラスト・ホールディングス株式会社”. ayumitrust-holdings.co.jp. 2019年7月24日閲覧。
- ^ a b “日銀副総裁、謝礼受領を否定=アブラハムサイトに記事掲載”. 時事ドットコム. (2013年10月4日) 2013年12月23日時点のアーカイブ. 2016年11月6日閲覧。
- ^ “挫折と再起動(2013年~) | 高岡壮一郎著『富裕層のNo.1投資戦略』特設サイト”. 富裕層のNo.1投資戦略 (2017年4月14日). 2019年7月24日閲覧。
- ^ a b 鈴木正人、柏木健佑、大浦貴史「アブラハム・プライベートバンク事件などを踏まえた投資助言業務の分析」、『旬刊商事法務』第2019号、2013年12月、16-26頁。
- ^ a b c “「紹介」と「勧誘」の線引きは”. 日本経済新聞. 2013年10月7日. 2016年11月6日閲覧。(『日本経済新聞』2013年10月7日、5面(金融面)。『日本経済新聞 縮刷版 2013年10月号』327頁。)
- ^ “アブラハムに業務停止命令6カ月、無登録で金融商品販売=金融庁”. ロイター日本語ニュース. (2013年10月11日) 2016年10月23日閲覧。
- ^ “「いつかはゆかし」のアブラハムが受けた「業務停止命令」はどれだけ重い処分か?”. 弁護士ドットコムニュース. 2017年3月25日閲覧。
- ^ “「紹介」と「勧誘」の線引きは”. 日本経済新聞 電子版. 2019年7月24日閲覧。
- ^ “行政処分(2013年)に係る業務改善完了について(金融庁公式HP)”. hedgefund-direct.co.jp. 2019年7月19日閲覧。
- ^ “行政処分事例集:金融庁”. www.fsa.go.jp. 2019年7月19日閲覧。
- ^ https://archive.fo/MJnMs
- ^ 「起業家2.0」(佐々木俊尚著)頁52
- ^ 塚本高史さん出演「アブラハム積立」の新TVCMが放映開始、ヘッジファンドダイレクト、2016年12月12日閲覧。
- ^ 「富裕層のNo.1投資戦略」(総合法令出版)コラム「三井物産入社1年目の頃」
参考文献
編集- 佐々木俊尚「アブラハム・グループ・ホールディングス」『起業家2.0 ―次世代ベンチャー9組の物語―』小学館、2007年。ISBN 978-4093877541。
- 高岡壮一郎著「富裕層のNo.1投資戦略」(総合法令出版)[1]