まる子だった
『まる子だった』は、漫画家・さくらももこが小学生時代のエピソードを中心に綴ったエッセイ『あのころ』三部作[1][2]の第二作。1997年9月に集英社から刊行され、のちに2005年3月25日に集英社文庫により文庫化。文庫版には「巻末お楽しみ対談」と題した、さくらももこと糸井重里による対談が収録されている。なお、企画段階では『ゆめばかり』のタイトルで検討されていた[3]。
まる子だった | ||
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著者 | さくらももこ | |
発行日 | 1997年9月 | |
発行元 | 集英社 | |
ジャンル | エッセイ | |
国 | 日本 | |
言語 | 日本語 | |
形態 | 新書判 | |
ページ数 | 206 | |
前作 | あのころ | |
次作 | ももこの話 | |
コード |
ISBN 978-4-08-775228-1 ISBN 978-4-08-747796-2(文庫判) | |
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収録内容
編集- 「うわの空」の詳細
- 授業中いつもうわの空で過ごしていたさくらが、授業参観に来た母親の見ている前で恥をかいた話。
- 自分の部屋が欲しい
- 子供時代に同じ部屋で寝起きしていたさくらと姉が、ある日お互いに自分の部屋が欲しくなった時の話。
- 大地震の噂
- さくらの幼い頃から地元で噂されてきた、遠州灘沖と東海沖の2つの大きな地震の噂について。
- 文通をする
- 小学生時代のある年に文通に興味を持ったさくらが、数人の女の子とやり取りした手紙の話[注 1]。
- 犬を拾う
- 小学3年生の頃のクラスメイトに拾われた仔犬と、さくらたち数人の生徒との交流。
- ラジオ体操
- 夏休みの早朝に子どもたちが参加するラジオ体操に、渋々参加するさくらと機嫌が悪い母とのやり取り。
- 七夕祭り
- 祭り好きなさくら[注 2]が、小学生の頃に出かけた七夕祭りの思い出。
- 休みたがり屋
- 時には仮病を使うほど学校を休みたがっていたさくらが、本当に風邪をひいて休んだ話や法事で休んだ時の話。
- 誕生パーティーをひらく
- 9歳の誕生日を迎えるさくらが、自宅に友達を集めてパーティーをした話。
- 親の離婚話の思い出
- さくらが小学3年生の頃に起きた、両親の離婚危機[注 3]。
- 腹痛の恐怖
- 学校のトイレではウンコをしない主義だったさくらが、授業中に腹痛に襲われた話。
- はまじとの噂
- さくらとクラスメイトのはまじが、数人の男子から「二人とも面白い者同士でお似合いだから結婚しろ」とからかわれた時の話。
- 教会へ通う
- 子供の頃毎週日曜日に近くの教会に通っていたさくら[注 4]が、同じく通っていた同年代の子たちとのキャンプやクリスマスの劇の話。
- 友達に英会話を習う
- 中学生の頃[注 5]英会話を学びたいと思ったさくらが、英語が得意なお金持ちのクラスメイト[注 6]から教わった話[注 7]。
- ノストラダムスの大予言
- 日本中でノストラダムスの大予言[注 8]が話題となり、さくらがその予言に恐れおののいた話。
- モモエちゃんのコンサート
- さくらが小学5年生の秋頃[注 9]、清水の市民会館で開かれたモモエちゃん(山口百恵)[注 10]のコンサートを友人と見に行った話[注 11]。
- 家庭内クリスマス
- 毎年自宅で家族と共に祝うクリスマスについて今ひとつ盛り上がりに欠けると感じていたさくらの、ある年のクリスマスの話。
- あとがき
- 1997年1月に集英社から本作「まる子だった」の執筆依頼を受けてから完成までの約半年間の様子。
文庫版
編集文庫版には上記の内容に加え、以下のおまけがある。
- 巻末お楽しみ対談・糸井重里+さくらももこ
- タバコにまつわる話[注 12]、十年ごとの節目の誕生日の過ごし方、お互いが感動した漫画・ドラマ・ドキュメンタリー作品について、お互いの仕事についてなど。
書誌情報
編集- 単行本:1997年ISBN 978-4-08-775228-1 9月発売、集英社、
- 文庫本:2005年ISBN 978-4-08-747796-2
- 装画・さくらももこ、デザイン及び本文デザイン・祖父江慎+吉岡秀典(cozfish)
3月25日発売、集英社文庫、
脚注
編集注釈
編集- ^ さくらの従妹、あけみも登場するが、年齢に関しては『ちびまる子ちゃん』と異なり、さくらより4つ年下と述べている。
- ^ 当時清水市には、毎年7月から8月にかけて色々とお祭りイベントがあり、子供の頃のさくらはこの祭りシーズンをとても楽しみにしていた。
- ^ 『ちびまる子ちゃん』で描かれた親の離婚危機の話とほぼ同じだが離婚話の発端となる原因が違っていたり、母が考えをまとめるため一週間実家に帰ったという違いがある。
- ^ 実家の近所の神父の誘いにより、小学1年生から4年生まで毎週午前中に教会に通っていた。
- ^ 本章の挿絵では三つ編みとなっているが、『ほのぼの劇場』や漫画版『ひとりずもう』の中学校時代とは合致しない(セーラー服のデザインは合致)。
- ^ ちなみにこのクラスメイトは、さくらのエッセイ『もものかんづめ』の「金持ちの友人」のエピソードに登場した人物。後に『ひとりずもう』でも登場する(エッセイ版・漫画版とも)。彼女がジョン・レノンの殺害を知って涙した件は、漫画版『ひとりずもう』でも描かれた。
- ^ お金持ちのクラスメイト宅にホームステイしていた少女も登場するが、彼女が『ちびまる子ちゃん』(漫画・アニメ共通)に登場する外国人・マーク、もしくは同作のアニメ第2期671話「青い瞳のともだち」に登場した少女・ポーラのモデルであるかは不明。
- ^ 「1999年の七月に空から恐怖の大王が降りてきて人類が滅亡する」という有名な予言。日本では1973年に五島勉『ノストラダムスの大予言』が出版され、翌74年にはその映画版が公開されている。
- ^ 漫画版『ひとりずもう』では小学校5年生の時期は左の前髪を結んだ髪型となっているが、本章の挿絵では、『ちびまる子ちゃん』時代の髪型となっている。この差異は、次作『ももこの話』でもみられる。
- ^ 1970年代にアイドル歌手・女優として絶大な人気を誇った人物。
- ^ アニメの話とほぼ同じだが、さくらが実際に山口に渡したプレゼントの中身は異なる。
- ^ さくらは喫煙者。糸井も喫煙者だったが(本作の文庫版発刊の)一年半前から禁煙している。
出典
編集- ^ “『もものかんづめ』だけじゃない。さくらももこのおすすめエッセイ8選”. P+D MAGAZINE (2018年10月21日). 2021年12月20日閲覧。
- ^ [1] 新潮社公式サイトよりさくらももこのプロフィール。
- ^ 「「さくらももこ展」見どころを紹介! 貴重な展示・可愛いグッズなど」『めるも』株式会社ゼネラルリンク、2023年4月28日。2023年5月12日閲覧。