ふくろう星雲

おおぐま座にある星雲

座標: 星図 11h 14m 47.7s, +55° 01′ 08.7″ ふくろう星雲[1](ふくろうせいうん、Owl NebulaM97、NGC 3587)はおおぐま座にある惑星状星雲である。

ふくろう星雲[1]
Owl Nebula[2]
ふくろう星雲 (M97)
ふくろう星雲 (M97)
仮符号・別名 M97[2]
星座 おおぐま座
見かけの等級 (mv) 9.9[3]
視直径 3.333' × 3.333'[2]
分類 惑星状星雲[2]
発見
発見日 1781年2月16日[3]
発見者 ピエール・メシャン[3]
発見方法 望遠鏡による観測
位置
元期:J2000.0
赤経 (RA, α)  11h 14m 47.701s[2]
赤緯 (Dec, δ) +55° 01′ 08.72″[2]
赤方偏移 -0.00000[2]
視線速度 (Rv) 0km/s[2]
距離 1,800光年[3](約0.80kpc)
M97の位置
M97の位置
他のカタログでの名称
NGC 3587[2]
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概要

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丸い星雲の中にやや暗い部分が二つ並んで存在しており、フクロウの顔のように見えることからその名が付けられている[1]。星雲の実際の形は円柱状のトーラスで、地球からはこのトーラスを斜めから見ていると推定されている。物質の少ないトーラスの両端の穴がフクロウの目に相当している。

ふくろう星雲は惑星状星雲としては大きい部類に入るが、同時に微かな天体でもある。誰にとっても眼視的に十分な模様は捉えられておらず、その構造は大口径の望遠鏡による写真による以外ない。ジョーンズは「見るだけでもかなり難しい。口径15cm以下の望遠鏡では見逃す。北斗のマスが高くかかり、良い気象条件の時を選ばなければならない」としている。ハゴやヒューストンは口径55mmではむりだが、口径8cmの双眼鏡ならば楽だとした。口径10cmの屈折望遠鏡でこれをみたマラスは「大きな灰色の楕円。ふくろうの眼の部分はアリゾナ砂漠では見えたが、カリフォルニアでは見えなかった。とにかく大変難しい」としている。

熟練した観測者達の見方は難しいという点で一致している。口径8cmの望遠鏡で見えたとするなら全ての好条件に恵まれた時である。口径10cmの望遠鏡では灰色のぼんやりとした円形に見える。中心星をみるためには口径30cmの望遠鏡を必要とする。フクロウの目にあたる黒い部分も見え方は条件に依存する。口径20cmで見たという人もいるが、口径30cmでやっとみえたという人もいる。口径40cmでも条件が悪いと見えない。低倍率ではM108と同一視野に見え、対照的な形が面白い。

観測史

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シャルル・メシエの共同研究者であったフランスのピエール・メシャンによって1781年に発見された[3]。「ふくろう星雲」と名づけたのはイギリスのロス卿[1]、彼のスケッチが残されている。 メシエは「メシャンの報告によると、見るのが難しく、特に測微尺の糸が光るときに見にくい」と記した。ウィリアム・ハーシェルは「径2'40"明るさは平等。へりは鈍くなっている。微かな核が中心部に2個」とした[4]1848年にロス卿は「中心部にややはなれた2つの星があり、それぞれのまわりはうす暗く渦巻きにとりかこまれている」とした。ロス卿の6フィート望遠鏡で観測した猿の顔のようだと記した。スミスは「よくながめると木星ぐらいの大きさで濃淡がなく丸い」とした。ウェッブは「大きく青白。注目すべき天体。1850年以前は2つの開口部それぞれに星が見えていたが、それ以降は1個だけ(見える)。」としている[4]

出典

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  1. ^ a b c d メシエ天体ガイド:M97”. AstroArts. 2015年12月30日閲覧。
  2. ^ a b c d e f g h i SIMBAD Astronomical Database”. Results for NAME M97. 2015年12月30日閲覧。
  3. ^ a b c d e Hartmut Frommert, Christine Kronberg (2014年2月17日). “Messier Object 97”. SEDS. 2015年12月30日閲覧。
  4. ^ a b Hartmut Frommert, Christine Kronberg (2006年5月16日). “Messier 97 - Observations and Descriptions”. SEDS. 2015年12月30日閲覧。