びざん型巡視船 (初代)
びざん型巡視船(英語: Bizan-class patrol vessel)は、海上保安庁が運用していた巡視船の船級。区分上はPS型、公称船型は特130トン型[2][3]。
びざん型巡視船 | |
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基本情報 | |
艦種 | 特130トン型PS[1] |
運用者 |
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就役期間 | 1966年 - 1993年 |
前級 | あかぎ (初代) |
次級 | あかぎ型 (2代) |
要目 | |
満載排水量 | 42トン[1] |
総トン数 | 85トン |
全長 | 26.0 m[1] |
最大幅 | 5.60 m[1] |
深さ | 2.70 m[1] |
吃水 | 0.87 m |
主機 | ディーゼルエンジン×2基 |
推進器 | スクリュープロペラ×2軸 |
出力 | 1,140仏馬力(PS)[1] |
速力 | 20ノット[1] |
航続距離 | 400海里(18ノット巡航時)[1] |
乗員 | 14名 (最大搭載人員) |
兵装 | 12.7mm単装機銃×1基 |
概要
編集海上保安庁では、特殊な波浪条件に対応できる特殊救難用の130トン型巡視船として、昭和36年度計画で「つくば」、昭和39年度計画では「あかぎ」を建造した。特に「あかぎ」は、船体重量軽減のために肋骨・縦通材・甲板・横隔壁・上部構造物はアルミニウム合金、外板は台湾ヒノキ二重張りとしており、主機関の出力強化もあり、当時の海保船艇最速の28ノットを発揮できた[2]。
しかしこのような軽合金骨・木皮構造では、異種材料の組み合わせによる強度上の問題が指摘された。このことから、昭和40年度計画で建造する特殊救難用130トン型巡視船は、船体を全軽合金製とすることとなった。これによって建造されたのが本型である。船型は、耐波性能を重視して、深いV型(ディープVモノヘドロン船型)を採用した[3]。主機関としては、1・2番船では三菱12DH20MTKディーゼルエンジン(単機出力570馬力)を搭載して、常用速力は19ノットとしていたが、3番船では、「あかぎ」と同じ池貝-MTU MB820Dbディーゼルエンジン(単機出力1,100馬力)に変更し、速力は23.1ノットとなった[2]。
同型船一覧
編集計画年度 | # | 船名 | 建造所 | 竣工 | 配属 | 解役 |
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昭和40年 | PS-42 | びざん | 三菱重工業下関造船所 | 1966年3月28日 | 小松島(第五管区) | 1987年2月26日 |
昭和43年[1] | PS-47[4] | あさま[4] | 1969年1月31日[1] | 鳥羽(第四管区)→ 萩(第七管区)[4] |
1988年3月5日[4] | |
昭和44年[1] | PS-48[1] | しらみね[1] | 1969年12月15日[1] | 高松(第六管区)[1] | 1993年3月19日 |
参考文献
編集- ^ a b c d e f g h i j k l m n o 「資料・海上保安庁」『世界の艦船』 通巻第379集、1987年5月号、海人社、1987年5月1日、93-108頁。
- ^ a b c 徳永陽一郎、大塚至毅『海上保安庁 船艇と航空 (交通ブックス205)』成山堂書店、1995年、76-77頁。ISBN 4-425-77041-2。
- ^ a b 「海上保安庁全船艇史」『世界の艦船』第613号、海人社、2003年7月、81頁、NAID 40005855317。
- ^ a b c d 「海上保安庁ニュース」『世界の艦船』 通巻第392集、1988年4月号、海人社、1988年4月1日、162頁。