天丼てんや

日本の外食チェーン
てんやから転送)

天丼てんや(てんどんてんや)は、ロイヤルホールディングス傘下のロイヤルフードサービスが展開する天丼天ぷら専門店。単に「てんや」とも称する。

北千住西口店(2015年)

概要

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天丼と天ぷら定食、単品の天ぷらを主たるメニューとする。1989年に八重洲地下街に1号店がオープンした[1][2]

日本マクドナルド創業メンバーの1人でもあった岩下善夫[3]和食ファーストフード化に目を付け、回転寿司で大衆化した寿司に続く天ぷらの大衆化を目指し[4]、知人を介してコンベアフライヤーを独自開発[2][3][5]。いわゆる「天ぷら職人」を不要としたことで、当時1,000円から1,500円が相場と言われた天丼を短時間かつ500円という低価格で提供し、開業初日から行列を作るなど話題を呼んだ[1]。「500円ワンコイン天丼」は長きに亘って同店の看板の一つとなっており[6]、2018年に一時値上げ後2020年に再び500円に戻したという経緯がある[7](2024年現在は560円)。

天ぷら粉は創業以来日清製粉グループ日清製粉日清フーズ)と共同開発したものを使用し、天ぷら油は日清オイリオグループに特注した植物油を使用している[8]

創業以来、岩下善夫の興したテンコーポレーションにより運営されてきたが、2006年と2010年に行われたTOBでロイヤルホールディングス傘下となり、2021年のロイヤルホストへの吸収合併によりロイヤルフードサービス運営となった[9]

メニュー

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オールスター天丼
 
一部店舗で「てんやの日」に提供される「サンキュー天丼」

スタンダードな「天丼」には海老ブラックタイガーを使用[10])・いかきすかぼちゃいんげんが入り、海老2匹とれんこん・かぼちゃ・いんげんが入った「上天丼」、なすさつまいもまいたけ・れんこん・かぼちゃ・いんげんが入った「野菜天丼」が開業以来の定番メニューとなっている[11]。いずれの天丼も標準で味噌汁が付く。

そのほか、海老・いか・ほたて・まいたけ・れんこん・いんげんと、3種の天丼の主要な具を載せた「オールスター天丼」や、海老・とり天かにかま天・なす・れんこんを載せた「海老とり天丼」などもある。そのほか、各天丼と同じ天ぷらを別皿で提供しご飯・味噌汁・天つゆ・小鉢(おひたし)が付く「天ぷら定食」や、天丼に小さめのそばまたはうどんのついた(あるいは天ぷら盛りに標準サイズの蕎麦・うどんの付いた)セットメニューも用意されている。そば・うどんセット以外はテイクアウトにも対応する(天丼弁当は味噌汁が別売りになる)。季節ごとの限定メニューも存在する。

天ぷらは盛り合わせ(天ぷら盛合わせ・野菜天ぷら盛合わせ)あるいは単品でも注文可能で、天丼に天ぷらを追加することも可能。生ビール・日本酒も提供しており、いわゆる「ちょい飲み」がブームになる前から「天ぷらをつまみながら呑む」需要があったという[1]

ロイヤルHD傘下になって以降、「豚角煮天丼」や「ロコモコ丼」、さらに「Wハンバーグ天丼」や「ローストビーフ天丼」といった変わり種天丼の販売を試み、“てんやのご乱心”とも揶揄されたこともあったが、素材との相性を再認識した結果、定番メニュー中心に回帰している[12]

2013年から毎月18日を『てんやの日』と設定し、海老・いか・なす・れんこん・いんげんを載せた「サンキュー天丼」を390円で提供するサービスを行っていた[13] が、2020年8月に原則終了となり(7店舗でのみ継続)[14][15]、現在は大半の店舗で毎月18日を含む一週間(月曜日から日曜日)を『てんやWeek』と設定し、「上天丼弁当」の割引販売を実施している。

店舗展開

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2024年1月現在、北海道青森県宮城県群馬県埼玉県千葉県東京都神奈川県富山県長野県静岡県岐阜県愛知県大阪府兵庫県広島県愛媛県の17都道府県に148店舗を展開する[16]。創業以来店舗の大半が首都圏に所在しており、特に西日本への店舗展開がなかなか叶わなかったが、2023年に大阪府に再出店を果たす[17] など、徐々にではあるが店舗網を広げている[18]。なお九州・沖縄地方には過去に福岡県鹿児島県に出店していたが、2023年までに撤退し、現在は再出店等も行っていない。

この他に高級志向の「天ぷらてんや」を3店舗展開するほか、タイフィリピン香港シンガポールにも計32店舗を展開している。

直営店だけではなくフランチャイズ展開も行っているほか、ロイヤルホールディングスの強みを生かしてロイヤルコントラクトサービスにより高速道路のサービスエリアや空港内にも店舗展開している。

出典

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  1. ^ a b c 週刊ポスト 2017, p. 1.
  2. ^ a b 高井 2022, p. 4.
  3. ^ a b 長浜 2016, p. 2.
  4. ^ 用松 2016, p. 4.
  5. ^ 用松 2016, p. 5.
  6. ^ 週刊ポスト 2017, p. 2.
  7. ^ 高井 2022, p. 2.
  8. ^ 長浜 2016, p. 4.
  9. ^ 当社グループにおける組織再編(完全子会社間の合併)に関するお知らせ』(PDF)(プレスリリース)ロイヤルホールディングス、2020年10月27日https://contents.xj-storage.jp/xcontents/AS09010/a022edd9/8136/462f/9b41/8775d292834a/140120201027409625.pdf2024年1月13日閲覧 
  10. ^ 長浜 2016, p. 3.
  11. ^ 店内定番メニュー”. 天丼てんや. 2024年1月12日閲覧。
  12. ^ 高井 2022, p. 3.
  13. ^ 天丼てんや、390円の「サンキュー天丼」限定発売! -毎月18日「てんやの日」”. マイナビニュース (2013年3月8日). 2024年1月13日閲覧。
  14. ^ 8月18日(火)の<てんやの日サービス>についてのご案内”. 天丼てんや (2020年8月17日). 2024年1月13日閲覧。
  15. ^ てんやの日サービスと実施店舗のご案内”. 天丼てんや (2024年1月4日). 2024年1月13日閲覧。
  16. ^ 店舗案内”. 天丼てんや. 2024年1月12日閲覧。
  17. ^ 「天丼てんや 難波千日前店」8月7日(月)オープン』(プレスリリース)ロイヤルホールディングス、2023年7月18日https://www.tenya.co.jp/release/pdf/20230718_release.pdf2024年1月13日閲覧 
  18. ^ 高井 2022, p. 5.

参考文献

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外部リンク

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