たらいうどん
概要
編集釜揚げにしたうどんを、茹で汁と一緒にたらいにうつし、つけ汁につけて食べる。
江戸末期、宮川内谷川周辺にて、きこりが河原に作ったかまどでうどんを茹で、川魚で出汁を取ったつけ汁で食べていたのが起源とされる[1][2]。
本来、たらいうどんには、じんぞく(カワヨシノボリの地方名[3])で取った出汁をつけ汁に用いる[1]。だが、近年はじんぞくの漁獲量の減少などの理由により[4][注釈 1]、じんぞくを使う飲食店は減り、じんぞく以外の出汁を用いたものが主流となっている[5][6]。
名前の由来
編集1931年(昭和6年)、御所村を訪れた当時の徳島県知事の土居通次が、飯盆(はんぼう[注釈 2])に入ったうどんを振る舞われた際、その見た目に対し「たらいの様な器に入ったうどんを食べてうまかった」と感想を述べたことが名の由来となったとされる[1][8]。後に、その日が11月7日であると判断したことから、11月7日を「御所のたらいうどんの日」と制定した[7][9]。
恋成たらいうどん
編集2010年(平成22年)10月16日に開催された「徳島活性化コンテスト」の決勝大会において、徳島大学や立命館大学の学生を中心とした「たらいうどんチーム」が、たらいうどんを恋愛成就に結びつけた「恋成(こいなり[注釈 3])たらいうどん」で最優秀賞を受賞した[11][12][13]。「恋成たらいうどん」は、恋愛や縁結びの仏である愛染明王像を持つ四国霊場第7番札所十楽寺がある土成町を恋愛スポットとして広くPRするために、たらいうどんに運命の赤い糸をイメージしたピンクのうどんを1本入れたものである[10][11][12]。
また、徳島県阿波市のマスコットキャラクターである「あわみちゃん」の衣装(赤いリボンと白いドレス)は、恋成たらいうどんをイメージしたものとなっている[14][15]。
脚注
編集注釈
編集出典
編集- ^ a b c “御所のたらいうどん”. 中国四国農政局. 2020年8月12日閲覧。
- ^ “コラム―たらいうどん”. 中国四国農政局. 2020年8月12日閲覧。
- ^ “じんぞく”. 日本の食べ物用語辞典. 2020年8月12日閲覧。
- ^ 民俗班(徳島民俗学会) (1995年3月). “那賀川下流域の河川漁労”. 阿波学会研究紀要. 徳島県文化の森総合公園. 2020年8月12日閲覧。
- ^ 橋本卓「四国あじ遍路 たらいうどん 大勢でツルツル 楽しく」『朝日新聞』2002年11月6日、23面。
- ^ 摂待卓「食を歩く 清流の川魚 じんぞく風味 徳島・阿波市のたらいうどん 開発で消えゆく味」『日本経済新聞』2005年9月3日、7面。
- ^ a b “11月7日「たらいうどんの日」 徳島・御所地区の専門店制定”. 徳島新聞 (2015年11月6日). 2020年8月12日閲覧。
- ^ “2019年度版 阿波市移住ナビ” (PDF). 阿波市 (2020年3月). 2020年8月12日閲覧。
- ^ 「1931年「うまかった」と知事が言ったから 11月7日は「たらいうどんの日」 郷土史料ヒントに 地元産小麦使い催し 阿波・御所地区」『朝日新聞』2015年11月4日、21面。
- ^ a b 「阿波デートで恋を成就 徳島大生らのアイデアいかし特製マップ 名物うどん店や「土柱」も掲載 地元を元気に」『朝日新聞』2002年4月24日、33面。
- ^ a b 「1本に願い込め「恋成うどん」 徳島活性化コンテストで最優秀賞」『朝日新聞』2010年10月17日、30面。
- ^ a b 「徳島活性化 大学生競う 6チーム参加 最優秀は土成テーマに」『読売新聞』2010年10月17日、29面。
- ^ “2010年度 徳島活性化コンテスト最優秀賞受賞!”. +Rな人. 立命館大学 (2010年12月22日). 2020年8月12日閲覧。
- ^ “観光大使「あわみちゃん」プロフィール”. 阿波市 (2020年3月4日). 2020年8月12日閲覧。
- ^ “よくある質問”. 阿波市ケーブルネットワーク. 2020年8月12日閲覧。