ご当地キャラクター
ご当地キャラクター(ごとうちキャラクター)は、地域に根ざすマスコットキャラクター、萌えキャラや、ゆるキャラの総称。
通称ご当地キャラ。
概要
編集地方自治体や地域団体が地域特有の物事を広げるために創作されたマスコットキャラクター[1]。
種類
編集- ゆるキャラ
- 【定義】ゆるいマスコットキャラクター。地域全般の情報PRや企業、団体のコーポレートアイデンティティなどに使用するマスコットキャラクターなどをさす[2]。
- 【歴史】1980年代のバブル経済を受けた地方博覧会ブームの中、制作されたマスコットの中に、後年ゆるキャラに分類されるゆるいデザインのキャラクターが存在していた[3]。名称は漫画家、エッセイストであるみうらじゅんが考案し、みうらも自分が命名者だと発言している[4][5][6][7][8][9][10]。
- 【費用】萌えキャラに比べ維持費がかかる[11]。
- 【利点】(萌えキャラクターと比較して)分かりやすくかわいいので、子どもからお年寄りまで愛される[12]。
- 【欠点】着ぐるみによる表現がメインになるため物理的に行動範囲が限られ、結果として地域密着になりがちである[11]。キャラクター本人は直接声が出せないため仕草で伝えるが(その行為がかわいいとの評価はある)、それ以上求められるシーンが想定される場合は他の人を同伴しなければいけない[13]。
- →詳細は「ゆるキャラ」を参照
- 萌えキャラ
- 【定義】萌えキャラクター。「萌え」とのキーワードで美少女キャラクターなどを用いる[14]。
- 【歴史】1997年佐賀県佐賀郡大和町(現・佐賀市)の職員が考案した「まほろちゃん」が初めてとされる[15]。
- 【費用】ゆるキャラにくらべて維持費がかかりにくい利点がある[11]。
- 【利点】イラストによる表現であるために、情報通信(インターネット<電子掲示板→SNS>)を通じて広がる特性がある。地域よりも地域外が盛り上がり、地域への効果が波及する[11]。
- 【欠点】(『萌え』という言葉を使う人の)多くが男性であったために、二次元(イラストベース)のものに性的なものを感じて騒いでいるんじゃないかという偏見、蔑視が出ている[12]。
- ローカルヒーロー
- 【定義】ご当地ヒーロー。一般に地域キャラクターコンテンツの一つとされ[16]、活動目的は地域振興が目的との認識され、キャラクターショーを中心に活動するケースが多い[17]。
- →詳細は「ローカルヒーロー」を参照
- ご当地VTuber
- 【定義】ご当地バーチャルYouTuber、地域振興系バーチャルYouTuber。「ゆるキャラ」や「萌えキャラ等(萌えおこし)」の流れを組みつつ、バーチャルYouTuber(アバター)を採用したもの[18]。
- 【歴史】萌えキャラクターの人気投票イベント「ご当地応援萌えキャラグランプリ」にて2019年(令和元年)開催分より参加が可能となり[19][20]、2025年(令和7年)2月に初のリアルイベント「ご当地VTuberサミット」(開催地は静岡県静岡市)が開催された[21]。「第1回世界ご当地VTuberグランプリ」も開催され、静岡県沼津市公認の西浦めめが、3部門(総合、ご当地VTuber選出部門、ネット選出部門)トップの『3冠』を果たした[22]。
種類別比率
編集2015年、公益財団法人東京市町村自治調査会の調査報告書によると
- 公営 ゆるキャラ:85.5% 萌えキャラ:0.7% ローカルヒーロー:0.9% その他:11.2%
- 民営 ゆるキャラ:77.2% 萌えキャラ:3.0% ローカルヒーロー:11.4% その他:5.4%
両者ともゆるキャラの比率が高いが、民営はそれ以外のタイプの比率が高い。その他は着ぐるみのないキャラクターやシンボルマークなどアンケート回答者が答えにくい種類のものである[23]。
主な活動
編集ウェブサイトや広報誌での広報活動や、グッズの販売、各地で行われる催しへの参加等、ご当地キャラクターの活動は多岐に渡るが、芸能人や著名人とコラボレーションは少ない。他にソーシャルメディアによるコミュニケーション、マスメディアへの出演がある[24]。
キャラクターの取り扱い
編集行政や地方自治体が管理していたり、知多みるくに代表される、一企業が、営利を目的として公開しているキャラクターである場合、その大部分は二次創作にも厳しいガイドラインを設けており、ファンであれ自由なイラスト等は公開できない。しかしながら、東北ずん子のように、一定の条件に従えば使用に大きな制限を設けないキャラクターも存在する。取り扱いについて自由度の高いキャラクターは、行政や地方自治体より公認を受けていない大部分の萌えキャラに多い。このような背景から、ひこにゃんやくまモン等、メディアに大きく取り上げられた極僅かなキャラクターを除き、非公認キャラクターの方がファンが付きやすく、人気を得やすい傾向にある。
課題
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- ゆるキャラ
キャラクターが濫造された結果、逆にインパクトが弱くなっているという批判が起きた[25]。ゆるキャラグランプリで上位に食い込もうと多額の税金投入を行い、「税金の無駄遣い」「本来の理念に反する」と住民からの批判がある自治体も少なくない[26]。国の新型コロナウイルス感染症交付金(新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金)は原則として使途に制限はないとされ、自由度が高く活用が可能な制度とされたが、ゆるキャラ着ぐるみ代の支出はコロナとの関連が見えないなどといった批判が出た[27]。
- 萌えキャラ
世間一般の美少女、美男子(美少年)コンテンツに対する偏見は根強く、クリエイター側も広く公開される意識が薄い。両者の認識のズレが反発を招き失敗につながるケースがある。批判の大半は「性表現の問題」だとしている[28]。中村泰之は、興味がない人に対して誤解を招かないようなキャラクターデザインが求められるが、2019年現在、一般に公開しても問題が起きにくいキャラクターデザイン手法の研究は少ないとする[28]。
- →詳細は「萌え絵批判」を参照
- ローカルヒーロー
主な関連イベント
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- ゆるキャラ
- ゆるキャラカップ:鳥取県鳥取市
- ゆるキャラグランプリ
- 世界キャラクターさみっとin羽生:埼玉県羽生市
- 萌えキャラ
- ご当地萌えキャラまつり(のち「とちてれ★アニメフェスタ!」と併催化):群馬県[29]・栃木県[30]
- 地域キャラクター観光物産展in秋葉原「Moe1グランプリ」:東京都千代田区[31][32]
- KOBEぽっぷカルチャーフェスティバル(のちのKOBEぽっぷカルチャーセッション):兵庫県神戸市[33]
- 「元気ハツラツ市(現・まちなかスクエアガーデン)」内 - 全国萌えキャラフェスティバル:岐阜県大垣市[34][35]
- 「せいか祭り」内 - SEIKAサブカルフェスタ:京都府精華町。初回は2015年[11][36]
- ローカルヒーロー
メディア
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- ゆるキャラ
- 萌えキャラ
- ローカルヒーロー
脚注
編集- ^ "ご当地キャラ" 生活ガイド.com 2025年1月30日閲覧
- ^ "ゆるキャラ" マーケティング用語集 J-marketing.net 2025年1月20日閲覧
- ^ 黒沢哲哲哉"手塚マンガ あの日あの時 第34回:ユルくない!?手塚流『マスコットキャラ』変遷史!!" 虫ん坊2014年5月号 2014年
- ^ “余禄 「ゆるキャラ」という呼び名を最初に使ったのは…”. 毎日新聞 (毎日新聞社). (2020年10月19日). オリジナルの2020年10月19日時点におけるアーカイブ。 2021年1月8日閲覧。
- ^ みうら自身がB.L.T.に連載していた、「みうらじゅんの ぜ〜ったいスキになってやる!」の最終回では、「ブームの原点は1999年6月号の『ニャンまげ』、ブームの確立は2001年1月号の『ブンカッキー』との出会い(たぶん)」と、振り返っている。(同 2003年10月号 関東版)
- ^ 「最近、俺がゆるキャラになってる?」みうらじゅんインタビュー - ORICON STYLE・2009年11月27日(archive)
- ^ みうらじゅん氏 2006年の「ひこにゃんビフォーアフター」指摘
- ^ 【エンタがビタミン♪】“ゆるキャラ”の名付け親、みうらじゅんが東京五輪にアイデア。「なんで俺に任せないんだ」
- ^ “【天風録】ゆるキャラと選挙 - 中国新聞”. 中国新聞. (2010年7月6日). オリジナルの2014年2月22日時点におけるアーカイブ。
- ^ “みうらじゅんの『ない仕事の作り方』に学ぶブームを起こす方法 - Career Supli”. アデコ. (2016年1月6日). オリジナルの2016年1月6日時点におけるアーカイブ。
- ^ a b c d e Shinji Sawa"「京町セイカが精華町にもたらしたものとは」精華町役場 西川和裕氏。GTMF 2016 Meet-Ups" AUTOMATON 2016年7月14日20:50更新 2025年1月10日閲覧
- ^ a b "女性のファンも多い萌えキャラだが、観光地としてこれでよかったのだろうか?…「温泉むすめ」論争から考える、日本の“萌え”文化" ABEMA TIMES 2021年11月26日20:57更新 2025年1月14日閲覧
- ^ 廣瀬涼 "「ご当地」VTuberの可能性-ご当地VTuber「沢ところ」へのインタビューから見えてきたコト" ニッセイ基礎研究所 2023年4月06日更新 2025年1月24日閲覧
- ^ 氷川竜介 "萌えおこし" イミダス 集英社 2011年2月更新 2025年1月20日閲覧
- ^ 下村修 "自治体非公認キャラクターの研究" 21世紀WAKAYAMAVol.108 和歌山社会経済研究所 2024年 pp.27-28
- ^ 石井龍太 "ローカルヒーローによる教育実践の検証 -城西大学経営学部石井龍太ゼミナールの事例から-" 城西大学経営紀要 第13号 城西大学経営学部 2017年 p.115
- ^ 石井龍太 "多様化するローカルヒーローの認識と実態" 城西大学経営紀要 第13号 城西大学経営学部 2015年 p.109
- ^ "地方創生の要となるか?いま最も注目されているご当地VTuber5選" @DIME 2022年11月27日 2025年1月20日閲覧
- ^ "「ご当地応援萌えキャラグランプリ 2019」始まる 福井ゆかりの2人、投票呼び掛け" 福井経済新聞 2019年7月26日更新 2025年2月6日閲覧
- ^ プレスリリース"今年はご当地VTuberも参加OK!ご当地応援萌えキャラグランプリ2019「ごともえGP 2019」6月20日よりエントリー受付開始!" ミラクリエ 2019年6月13日17時発信 2025年2月6日閲覧
- ^ 静岡新聞"「ご当地Vチューバー清水に集結!」 初サミットで地域活性化の手法発表 2日は展示や物販" TOKAIネットワーククラブ 2025年2月2日8:40更新 2025年2月6日閲覧
- ^ 静岡新聞DIGITAL "ご当地Vチューバーグランプリ 沼津市公認の西浦めめさんが3冠「頂点になってしまったみょ」" d menuニュース 2025年2月8日7:26更新 2025年2月15日閲覧
- ^ "ご当地キャラクターの活用に関する調査研究報告書" 東京市町村自治調査会 2015年 p.14
- ^ "ご当地キャラクターの活用に関する調査研究報告書" 東京市町村自治調査会 p.30
- ^ “大阪府ゆるキャラ45体乱立でリストラの危機! 最古参「モッピー」に一本化目指す”. 産経新聞. (2014年4月3日)
- ^ “NHKクローズアップ現代+「ゆるキャラブームに異変!人気投票に”組織票”が…」”. 日本放送協会 (2018年11月15日). 2020年4月8日閲覧。
- ^ 座小田英史 "コロナ交付金、3.2兆円使われず不用に 「イカキング」などに批判" 朝日新聞 2024年11月6日15:35更新 2025年1月12日閲覧
- ^ a b 中村泰之 "「ご当地萌えキャラ」デザインの調査と分析1" 日本デザイン学会第66回春季研究発表大会 日本デザイン学会 2019年 p.118
- ^ "痛車も大集合! 「ご当地萌えキャラまつり」が6月26日に開催" ねとらぼ 2011年6月20日17:20更新 2025年1月23日閲覧
- ^ "ご当地萌えキャラやアイドル大集合! 栃木で「ご当地萌えキャラまつり」第2弾" ねとらぼ 2012年2月24日14:10更新 2025年1月23日閲覧
- ^ "「萌え」で地域振興!『Moe1グランプリ』に萌えキャラ、地方アイドル大集合" ORICON NEWS 2012年10月19日19:05更新 2025年1月14日閲覧
- ^ "Moe1グランプリ" テレビ東京 2025年1月16日閲覧
- ^ "萌えおこしキャラが一堂に! 神戸で「萌え物産展」開催" ねとらぼ 2013年08月22日11:55更新 2025年1月11日閲覧
- ^ "日本中の萌えキャラが集結 「全国萌えキャラフェスティバル2014」岐阜県で開催" ねとらぼ 2014年2月20日12:18更新 2025年1月11日閲覧
- ^ "ご当地萌えキャラ熱いです 大垣で来月フェス" 中日新聞 2013年3月19日
- ^ "イベント「SEIKAサブカルフェスタ2022」に参加しますっ!" かつめしちゃん公式サイト 2022年10月7日更新 2025年1月10日閲覧
- ^ "TVチャンピオン「ゆるキャラ日本一決定戦」" テレビ東京 2025年1月30日閲覧
- ^ "TVチャンピオン 「ゆるキャラ王選手権」" テレビ東京 2025年1月30日閲覧
関連項目
編集- 5月11日 - 「ご当地キャラの日」(「ご(5)・当(10)・地(1)の語呂合わせ)として一般社団法人日本ご当地キャラクター協会が2014年(平成26年)に制定。日本記念日協会に申請し、認定登録を受けている。
- マスコット
- Template:マスコットキャラクター
- マスコットキャラクター一覧
- ローカルヒーロー
- YouTuber - バーチャルYouTuber
- 萌え
- 地域おこし
- 萌えおこし - その地方の特産品などをモチーフにした美少女キャラクターおよびそれを用いた町おこしの手段
外部リンク
編集- 一般社団法人日本ご当地キャラクター協会 - 地域の活性化を目指し街を元気にするご当地キャラ同士の連携を深め、それぞれのローカルキャラクターを全国に発信することを目的とする組織
- ご当地キャラカタログ - TINAMI株式会社が運営する、ご当地キャラクターの紹介サイト
- イメキャラブック - ご当地キャラクターの紹介や人気投票など