くりーくん
『くりーくん』は、ハグキによる日本の漫画作品。『good!アフタヌーン』(講談社)誌に連載された。作者が連載する『ハトのおよめさん』と比較すると時事ネタ・下ネタ・暴言ネタがかなり抑えられているが、「ハトよめ」と同様シュールかつ風刺とペーソスに溢れる作風となっている。
くりーくん | |
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ジャンル | ギャグ漫画 |
漫画:くりーくん | |
作者 | ハグキ |
出版社 | 講談社 |
掲載誌 | good!アフタヌーン |
発表期間 | 2008年11月 - 2012年4月 |
巻数 | 2冊 |
テンプレート - ノート |
概要
編集森のネズミ「くりーくん」を中心に、動物たちの生活を描いた作品。彼らはかわいらしいフォルムで小規模な生活をしているが、社会生活は人間同様に甘くない。リストラや離婚、娘の親離れ、就職活動などなど、一筋縄ではいかない日々の苦楽が淡々と描かれていく。一部スター・システムを採用しており、しばしば『ハトよめ』のセルフパロディらしきキャラクターが登場する。第15話ではカバのラーメン屋の働きぶりが垣間見られる。また第18話では、医者の「ニャールセン」が『ハトよめ』と同名で登場した。
登場人物
編集- クリーク=チーズ
- 主人公である白ネズミ。通称くりーくん。見た目は種族もあいまってかわいらしいが、娘から加齢臭を指摘される年頃。「建築デザイナーになりたくて家具屋に就職」したが、リストラで妻子に逃げられ、養育費と慰謝料で首の回らない毎日を送る。かつて娘が誕生日にくれた傘を支えに、山の幸ギルドで日雇いの山菜取りに励む。分析的かつ冷静な常識を持ち併せた性格で、常につっこまれるよりもつっこみ役である(ただし嫁と愛娘にだけは弱い)。物語の終盤で、あるエピソードによって彼の名(クリーク=チーズ)が「化ける」ことになる。
- ケント=グリズリー
- クマ。通称ケンちゃん。歯が抜けている。学生時代は陸上部でクリークの後輩だった。芸人を目指しながら親元でニート生活をしている。かなりの天然で、ギャグや言動にどこかズレたところがあるが、芸人の芽は出かけている模様。
- パリゴ
- トビネズミ。『ハトよめ』のパリコレと同様の酷いフォルムである。軽薄な若者だが、派遣運送業などに従事して暮らし向きは比較的良く、車を乗り回している。ケントとは一見そりが合わないが、漫才をすると意外と相性がいい模様。
- スプーン
- クリークの溺愛する一人娘。登場時はマウス大で幼児語を喋ったが、すぐに成長。勉強と繁華街の誘惑に葛藤する。
- バッフィー
- クリークの元妻。定期的に刺々しい口調で養育費をせびりに来る。娘を思う気持ちは強く、クリークから得た養育費とパートで月謝を捻出して塾に通わせている。
- バードメッセンジャー
- ハト。姿も口調も『ハトよめ』のハトのヨメに似る。夫のパン屋が芳しくないため共働きしており、携帯電話を持たない層をターゲットに、有料で空を飛んで伝言する業務に従事している。
用語
編集- アニマル、ミニマル
- 動物たちの通貨単位。クマなどの大型獣はアニマル、ネズミなどの小動物はミニマルを主に使う。貨幣価値も大きく違い、1アニマルは10ミニマルに相当する。
- また当初と第7話以降では物価が大きく異なる[1]が、後者はおおむね大型獣を人間と見た場合1アニマル≒1円程度。
- 山の幸ギルド
- 山菜を扱う小動物の農業組合。買取りリストに従って小動物の集めてきた山菜を換金する。
単行本
編集- 第1巻(2010年6月7日発売) ISBN 9784063106695
- 第2巻(2012年7月6日発売) ISBN 9784063878301
脚注
編集- ^ 第2話「10アニマルショップでポテチ一袋しか買えない」、第3話「メイドは時給90アニマル」、第5話「電池交換は10ミニマル」、第7話「おにぎり一個100アニマル」等。