きく5号
きく5号(英語: Engineering Test Satellite - V、ETS-V)は宇宙開発事業団 (NASDA) が打ち上げた人工衛星(技術試験衛星)である。
技術試験衛星V型「きく5号(ETS-V)」 | |
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所属 | NASDA, CRL, ENRI |
主製造業者 | 三菱電機 |
公式ページ | 技術試験衛星V型「きく5号(ETS-V)」 |
国際標識番号 | 1987-070A |
カタログ番号 | 18316 |
状態 | 運用終了 |
目的 |
550kg級静止3軸衛星バス技術の確立 移動体通信実験 |
計画の期間 | 10年 |
設計寿命 | 1.5年 |
打上げ場所 | 種子島宇宙センター大崎射場大崎射点 |
打上げ機 | H-Iロケット2号機(H17F) |
打上げ日時 | 1987年8月27日18:20 |
運用終了日 | 1997年9月12日 |
物理的特長 | |
本体寸法 | 1.4 m × 1.67 m × 1.74 m |
最大寸法 |
9.7 m × 3.5 m (太陽電池パドル及びアンテナ展開時) |
質量 |
1,096 kg(打ち上げ時) 550 kg(静止軌道上初期) |
発生電力 | 1.09 kW |
主な推進器 |
固体アポジモータ 二次推進系 |
姿勢制御方式 |
3軸姿勢制御 (コントロールド・バイアスモーメンタム方式) |
軌道要素 | |
周回対象 | 地球 |
軌道 | 静止軌道 |
静止経度 | 東経150度 |
高度 (h) | 約36,000km |
搭載機器 | |
AMEX | 移動体通信実験機器 |
Lバンド中継器(1.5/1.6GHz) | |
Cバンド中継器(5/6GHz) | |
TEDA | 技術データ取得装置 |
目的
編集3段式H-Iロケットの性能確認、国産固体アポジモータの性能試験、静止3軸衛星バスの基盤技術の確立、将来の実用衛星開発に必要な新規技術の実証、船舶の通信・航空援助・捜索救難のための移動体通信実験を目的としている。
開発
編集1978年度から1979年度にかけて概念検討が行われた。当時は中高度3軸衛星用バス技術の確立を目的とし、ミッション機器として合成開口レーダをもつ全備質量1.3tの衛星として計画され、2段式のH-Iロケットで打ち上げられる予定であった[1]。その後、計画は変更され、1982年度に静止3軸衛星用バス技術の確立などを目的とする静止衛星として宇宙開発委員会に提案された。宇宙開発委員会では従来より郵政省及び運輸省から要望のあった移動体通信実験衛星と統合する方向性が示された。翌1983年度から開発を開始、1983年5月より基本設計を行い、1984年11月から詳細設計を実施した[2]。
運用
編集1987年8月27日にH-Iロケット2号機で種子島宇宙センターから打ち上げられた[3]。衛星の機能確認などの初期運用を経て、同年11月末から定常運用に入り、移動体通信実験や洋上管制実験等の実験を実施した。1989年3月31日までの1年半にわたる定常運用を終了した後も実験を続け、1997年9月12日に全ての運用を終了した[3]。
出典・脚注
編集- ^ 山口弘一「実利用分野における日本の衛星計画」『計測と制御』第19巻第6号、計測自動制御学会、1980年6月、pp.564-570、ISSN 0453-4662、2010年9月14日閲覧。[リンク切れ]
- ^ 通信総合研究所季報 第34巻 第6号3-1 ETS-Vの概要
- ^ a b “技術試験衛星V型「きく5号」(ETS-V)”. 宇宙航空研究開発機構. 2021年12月23日閲覧。
関連項目
編集外部リンク
編集- 技術試験衛星V型「きく5号(ETS-V)」(JAXA)
- きく5号 (JAXA宇宙情報センター) - ウェイバックマシン(2012年6月5日アーカイブ分)
- 宇宙航空研究開発機構資料編