おがさわら丸 (初代)

1979年から1997年まで運航していた貨客船

おがさわら丸」(おがさわらまる)は、小笠原海運が東京 - 父島間で運航していた貨客船1979年に就航し、1997年まで運航された[1]。同航路を運航する同名の船としては初代にあたる。

おがさわら丸
二見港に接岸中の本船
基本情報
船種 貨客船
船籍 日本の旗 日本(1979年 - 1997年)
フィリピンの旗 フィリピン
所有者 小笠原海運
船舶整備公団
運用者 小笠原海運(1979年 - 1997年)
スルピシオラインズ英語版
建造所 三菱重工業下関造船所
姉妹船 すとれちあ丸(準同型船)
IMO番号 7815363
改名 おがさわら丸
Princess of the Caribbean
経歴
起工 1978年
進水 1978年
竣工 1979年3月23日
就航 1979年4月2日
運航終了 1997年
最後 中国で解体
要目
総トン数 3,553 トン
全長 110.5 m
垂線間長 100.0 m
全幅 15.2 m
深さ 6.2 m
満載喫水 4.8 m
機関方式 ディーゼル
主機関 8UET45/80Dディーゼル 2基
推進器 2軸1舵
出力 11,600馬力
最大速力 21.7ノット
航海速力 20.7ノット
旅客定員 1,041名
乗組員 61名
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概要

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1968年小笠原諸島本土復帰後、小笠原航路は東京都による運航を経て小笠原海運による運航となり、東海汽船から傭船した「椿丸」、続いて関西汽船から購入した「父島丸」(元「浮島丸」)が就航していた。本船は「父島丸」に代わる本航路初の新造船として、三菱重工業下関造船所で建造され、1979年4月2日に就航した。

前年に就航した東海汽船の「すとれちあ丸」の準同型船である。「すとれちあ丸」が2舵なのに対し本船は1舵のため、水中の抵抗が減り、航海速力が0.4ノット向上した。さらにフィンスタビライザーを装備して横揺れを軽減することで、荒れた海に対応していた[2]。小さいながらも父島への貴重な交通手段として親しまれ、小笠原で使用されるものはプレハブ住宅プレジャーボートのほか郵便物現金に至るまで、危険物を除くほとんどの物資を運ぶ文字通りのライフラインであった。

1997年、二代目「おがさわら丸」の就航により引退した。その後、フィリピンスルピシオラインズ英語版に売却され、Princess of the Caribbeanとなり、セブ島などに就航した。

就航航路

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標準航海時間は28時間30分とされていたが、往路は海流や天候などによって29時間程度かかることが多く、復路は東京港の混雑次第で30時間近くかかることもあった。この航路は、年間約60往復が運航された[2]

船内

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1等室はカプセルホテルのようなベッドのある2人室で、船内でレンタルビデオサービスを行っていた。2等室のうち、揺れやすい船体下部の船室は、閑散期は娯楽室として使用されていた。

船室

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  • 特一等室
  • 一等室
  • 特二等室
  • 二等室

脚注

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出典

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  1. ^ よくある質問(船や航海について)”. 小笠原海運. 2016年8月19日閲覧。
  2. ^ a b 新おがさわら丸 船内のご案内” (PDF). p. 10. 2016年8月19日閲覧。