いすゞ・H系エンジンは、いすゞ自動車が生産する排気量4 - 8リットルの直列4気筒直列6気筒ディーゼルエンジンである。

シリーズの解説

編集

1990年、平成元年排出ガス規制適合を機に小型トラック・エルフ、中型トラック・フォワードに搭載された。 それまでの4B/6B系は高信頼性で低回転からのトルクが厚く扱いやすいエンジンで現在も産業用として用いられているが、このエンジンはシリンダーヘッドがコンベンショナルなプッシュロッド式のOHVレイアウトから、SOHCになり滑らかで力強いのが特徴である。近年はダウンサイジングターボにより6気筒から4気筒が主流になりつつある[1]。 また、いすゞ初のコモンレール搭載エンジンでもあった(6HK1-TC系、デンソー製ECD-U2)。 このエンジンはモジュール設計となっており、エンジン型式「*H◯1」の「*」部分は気筒数を、「◯」部分は、内径×行程のバリエーションを指す(例:*HK1の場合、内径×行程は115×125)。

登場間もない頃はSITEC(サイテック)エンジンという愛称が存在した。(4代目エルフ・3代目フォワード)

4気筒モデル

編集
4HF1-N
排気量 4,334cc
115PS(平成6年規制)110PS(平成10年規制)
4HF1
排気量 4,334cc
135PS(平成元年規制)/130PS(平成6年規制)/123PS(平成10年規制)
4HE1-T
排気量 4,751cc
160PS(平成元年・6年規制)
4HG1
排気量 4.570cc
140PS(平成6年規制)/133PS(平成10年規制)
4HJ1-N
排気量 4,985cc
145PS(平成10年規制)
4HJ1
排気量 4,985cc
150PS(平成6年規制)/155PS(平成10・15年規制)
4HL1-N
排気量 4,777cc
130PS(平成15年規制)
4HL1
排気量 4,777cc
140PS(平成10・15年規制)
4HL1-TC
排気量 4,777cc
160PS(平成15年規制)
4HL1-TCS
排気量 4,777cc
180PS(平成15年規制)
4HK1-T
排気量 5,193cc
170PS(平成10年規制)
4HK1-TCH
排気量 5,193cc
240PS(平成22年規制)
4HK1-TCS
排気量 5,193cc
210PS
4HK1-TCC
排気量 5,193cc
190PS
4HK1-TCN
排気量 5,193cc
155PS

平成元年・6年規制の最高出力はグロス値、その他はネット値である。

6気筒モデル

編集
 
6HH1-S
6HE1-N
排気量 7,127cc
165PS (121kW) / 46kgf·m(平成元年排出ガス規制)
6HE1-S
排気量 7,127cc
195PS (143kW) / 51kgf·m(平成元年排出ガス規制)
6HE1-TCS
排気量 7,127cc
250PS (184kW) / 70kgf·m(平成元年排出ガス規制)
260PS (191kW) / 77kgf·m(平成6年排出ガス規制)
6HE1-TCN
排気量 7,127cc
220PS (162kW) / 66kgf·m(平成元年排出ガス規制)
230PS (169kW) / 68kgf·m(平成6年排出ガス規制)
6HH1-N
排気量 8,226cc
175PS (129kW) / 50kgf·m(平成6年排出ガス規制)
6HH1-C
排気量 8,226cc
185PS (136kW) / 55kgf·m(平成6年排出ガス規制)
6HH1-S
排気量 8,226cc
210PS (154kW) / 55kgf·m(平成6年排出ガス規制)
225PS (165kW) / 58kgf·m(平成10年排出ガス規制)
6HA1
排気量 8,226cc
190PS (140kW) / 62kgf·m(CNG仕様エンジン)
6HL1-N
排気量 7,166cc
180PS (132kW) / 50kgf·m(平成10年排出ガス規制)
6HL1-S
排気量 7,166cc
205PS (151kW) / 51kgf·m(平成10年排出ガス規制)
190PS (140kW) / 51kgf·m(平成15/16年排出ガス規制)
6HK1-TCH
排気量 7,790cc
300PS (221kW) / 95kgf·m(平成16年排出ガス規制)
255PS (187kW) / 76kgf·m(平成21年排出ガス規制)
6HK1-TCS
排気量 7,790cc
280PS (206kW) / 90kgf·m(平成10/11年排出ガス規制)
300PS (221kW) / 100kgf·m(平成17年排出ガス規制)
6HK1-TCC
排気量 7,790cc
260PS (191kW) / 76kgf·m(平成10/11年排出ガス規制)
260PS (191kW) / 78kgf·m(平成17年排出ガス規制)
6HK1-TCN
排気量 7,790cc
240PS (177kW) / 70kgf·m(平成10/11年排出ガス規制)
240PS (177kW) / 72kgf·m(平成17年排出ガス規制)
6HK1-TCR
排気量 7,790cc
205PS (151kW) / 55kgf·m(平成10/11年排出ガス規制)
Duramax 7800
排気量 7,790cc
195~300HP / 441~860lb-ft(6HK1ベースのGMCブランド向けエンジン)
6HF1-TCS
排気量 7,790cc
245PS (180kW) / 90kgf·m(大型用CNGエンジン)
6HF1-TCN
排気量 7,790cc
220PS (162kW) / 75kgf·m(中型用CNGエンジン)

平成元年・6年規制の最高出力はグロス値、その他はネット値である。

このエンジンも6W系と同様に腰下部はハーフスカートラダーフレーム構造で、クランクの暴れ込みやベアリングキャップ振れを抑え込めるため、エンジン本体の騒音が下げられる。コストはかかるがおごった仕様でもある。

搭載車種

編集
  • 4HK1-TC系
  • 6HK1-TC系
    • いすゞ自動車
      • フォワード/フォワード特定中型仕様車 (PKG-FRR34/PKG-FSR34)
      • フォワード総重量14,5t/総輪駆動・総重量14t仕様車 (PDG-FTR34/PDG-FTS34)
      • フォワード総重量16t/総重量20t仕様車 (PDG-FVR34/PDG-FVZ34)
      • エルガミオ (PA-LR234/PDG-LR234)
      • エルガ(KL-LV834、PJ-LV234、PKG-LV234及びPDG-LV234、LKG-LV234及びLDG-LV234、QPG-LV234及びQKG-LV234及びQDG-LV234)
    • 日野自動車
  • Duramax 7800
    • GMC Cシリーズトラック、GMC Tシリーズトラック(シャシ共用のキャブオーバー仕様。キャブは旧型いすゞ・フォワード[2]

脚注

編集

関連項目

編集