いすみ鉄道いすみ350型気動車
いすみ鉄道いすみ350型気動車(いすみてつどういすみ350がたきどうしゃ)は、いすみ鉄道が2013年(平成25年)2月1日に営業運転を開始した気動車(ディーゼル動車)である。いすみ300型と同様に鳥塚亮社長のブログで導入が発表された[2]。
いすみ鉄道いすみ350型気動車 | |
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基本情報 | |
製造所 | 新潟トランシス |
主要諸元 | |
軌間 | 1067 mm |
最高運転速度 | 95 km/h |
車両定員 | 125名(座席44名) |
自重 | 30.7t |
全長 | 18500 mm |
車体長 | 18000 mm |
全幅 | 3200 mm |
車体幅 | 2800 mm |
全高 | 3925 mm |
車体高 | 3650 mm |
車体 | 鋼製 |
台車 |
動台車:NF01MD形(2軸駆動台車) 従台車:NF01MT形 |
機関 | コマツディーゼル製横形直噴式ディーゼル機関SA6D125HE-1形 |
機関出力 | 355PS/2100rpm |
変速機 | 日立ニコトランスミッション製TACN22-1629形 |
変速段 | 変速1段・直結2段自動切替 |
搭載数 | 1基 / 両 |
制動装置 |
常用:電気指令式空気ブレーキ 保安:直通予備ブレーキ 抑速:機関・排気ブレーキ |
保安装置 | ATS-SN形・デッドマン装置・列車無線装置・ワンマン運転対応・運転状況記録装置 |
備考 | [1] |
導入経緯
編集本形式は、開業時から運用されてきたいすみ200'型が老朽化したことから、その代替として2013年から導入した軽快気動車で、同時期に導入されたいすみ300型がクロスシート・トイレ付であるのに対し、ロングシート・トイレなしで2両(351, 352)が製造された[3]。
いすみ鉄道は従来から「ムーミン列車」の運転を行ったり、元日本国有鉄道(国鉄)のキハ52形・キハ28形を譲り受けて運転したりして観光客の利用促進を行ってきたが、これらと並んだ際に見栄えの良い車両とすることを目指した。
いすみ鉄道社長(当時)の鳥塚亮は、かつてキハ52形を製造した新潟トランシス(旧・新潟鐵工所)に対し、いすみ300型をベースにキハ52形風の外観とする設計変更を提案した。何度もの交渉や試行錯誤を経て製造が決定し、完成したのが本形式である[2]。結果として、この車両のデザインは鳥塚の意向が反映されたものとなった。
2015年(平成27年)には本形式と同様の外観ながら、イベントに対応するためいすみ300型同様のトイレ付き・クロスシートとしたキハ20 1303を導入した。このため、同車両はいすみ300型に分類される。
車両構造
編集エンジン・台車などの走行機器はいすみ300型と同一のNDCであるが、車体は上記のように国鉄キハ52形に似せた外観としており、前面窓・貫通扉・前照灯・尾灯の形状と配置、屋根部の色などをキハ52形などのキハ20系気動車に似せている。側面窓の配置もいすみ300型と異なっている。
車内はバリアフリー対応として車椅子スペースとスロープ、イベント列車としての使用に備え座席前に簡易テーブルを固定できる設備と簡易手洗い器を設けている。
なお、351と352では、前照灯のケースに差異が見られる。
脚注
編集- ^ 鉄道ピクトリアル(通巻881号)2013年10月臨時増刊号「鉄道車両年鑑2013年版」 鉄道図書刊行会
- ^ a b いすみ鉄道 社長ブログ. “いすみ350形誕生秘話(2013年3月28日エントリー)”. 2015年4月20日時点のオリジナルよりアーカイブ。2021年4月3日閲覧。
- ^ 交通新聞社. “いすみ鉄道 新型気動車いすみ350形を導入”. 2016年7月29日時点のオリジナルよりアーカイブ。2021年4月3日閲覧。