あやめ2号英語: Experimental Communications Satellite - bECS-b)は、宇宙開発事業団(NASDA)が打ち上げた人工衛星(実験用静止通信衛星)である。静止衛星軌道への投入には失敗した[1]

実験用静止通信衛星「あやめ2号(ECS-b)」
所属 NASDA
主製造業者 三菱電機
公式ページ 実験用静止通信衛星「あやめ(ECS)」
国際標識番号 1980-018A
カタログ番号 11715
状態 運用終了
目的 静止通信衛星技術の確立
設計寿命 1年
打上げ場所 種子島宇宙センター大崎射場大崎射点
打上げ機 N-Iロケット6号機(N6F)
打上げ日時 1980年2月22日17:35
通信途絶日 1980年2月25日
運用終了日 1980年2月25日
物理的特長
本体寸法 ⌀1.41m×0.95m
最大寸法 約2m(アンテナ含)
質量 130kg
発生電力 100W
主な推進器 アポジモータ
二次推進系
姿勢制御方式 スピン安定方式
軌道要素
周回対象 地球
軌道 静止トランスファ軌道
静止経度 145度(予定)
近点高度 (hp) 207km
遠点高度 (ha) 35,512km
軌道傾斜角 (i) 24.6度
軌道周期 (P) 626分
搭載機器
準ミリ波(35/31GHz・予備なし)通信中継器
マイクロ波(6/4GHz・予備なし)通信中継器
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目的

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ミリ波周波数帯の通信実験と電波伝播特性の調査、追跡管制技術・姿勢制御技術などの静止衛星関連技術の確立を目的とする。

特徴

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あやめのプロトフライトモデル(PFM)として製作された予備衛星であり、設計・機器構成はあやめと同一である。

打ち上げ

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1980年2月22日にN-Iロケット6号機で種子島宇宙センターから打ち上げられ、静止トランスファ軌道に投入された。2月25日13:46にアポジモータへ点火し、ドリフト軌道への移行を行ったが、点火8秒後に衛星との通信が途絶し、静止軌道への投入に失敗した。

原因はブラックボックスとして輸入したエアロジェット製アポジモータの爆発だと見られており、後の調査で、あやめ及び本機で用いたものと同一ロットのアポジモータには泡や剥離といった製造欠陥があったことが明らかとなった。この失敗の後、宇宙開発事業団により国産アポジモータの開発が開始された[2]

脚注

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  1. ^ 石田亨「まえがき」『情報通信研究機構研究報告』第26巻第136号、国立研究開発法人 情報通信研究機構、1980年、1-2頁、doi:10.24812/nictkenkyuhoukoku.26.136_1ISSN 2187-767XNAID 130007699195 
  2. ^ 兵藤幸夫, 金森康郎「アポジモータの開発」『日本航空宇宙学会誌』第38巻第432号、日本航空宇宙学会、1990年、9-19頁、doi:10.2322/jjsass1969.38.9ISSN 0021-4663NAID 130003958810 

関連項目

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外部リンク

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